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三者三様

学園祭の話しのはずが、ちょっと話がずれちゃいます。

まぁこれもお話には必要な事なので...

ブックマーク、評価、感想お待ちしております


「主、気づいていますか?」


「あぁ、露骨に付けて来てるのが1人、隠れながら俺達を見ているのが2人だな」


学園をサボり、レオとリアンの2人を連れて、王都を観光してる最中に事は、起こった。

始めのうちは、何となく視線は感じるだけだったが、行く場所行く場所に付いて来られたら、もう確定だろう。

そして...


「付けて来ている1人は、神関係だな」


注意して、気配を探ったら、1人からは、ドゥエサスやナフティカと同じような気配を微弱ではあるが、感じた。だが敵意らしきものは一切感じ取れない。逆に2人で俺達を付けつけて来てる方から、殺意を感じる。だが不思議な事に敵意は感じない。どうやら2人組みのうち1人からは相当な殺意を買ってるらしい。


「主、どうするんですか?」


「どうするか...とりあえず何もしてこないなら、俺達から手を出す必要はないよな」


ここは、王都サブメラ。当然ながら回りに人が大勢いる。騒ぎなんか起こしたら、直ぐにその話が広がるだろうし、学園にばれると先生から1日説教とかも普通にありえる。


「ぱぱ?だいじょうぶ?」


そう言いながら、リアンは手を握ってくれる。俺とレオの会話の内容は分からないだろうが、俺の不安などが伝わってしまったのかもしれない。そう思うと申し訳なく思い。リアンの頭を優しく撫でてあげた。


「主、どうやら、付けて来てる者が、我らを誘ってるようですよ」


レオの言ってる事に、俺も気が付いてはいた、そいつらが、魔法で、近くにある人通りの少ない場所に〈人避けの結界〉を張った事は分かっていた。おそらくは、誘いこの場所に来いと言う事なのだろう。

俺は少し悩んだが、とりあえず乗ってみる事にした。今後も付けられると面倒だから。


「レオ、何かあった場合リアンの事は任せるぞ」


「畏まりました」


一応あちら側には神に近い存在も混じっている。一筋縄では行かない事もあると予想し、あらかじめリアンの事は託しておく。

そうして、俺達は大通りをはずれ、人通りの少ない場所に入った。そこは、日の光も当たらず、まだお昼だって言うのに薄暗く、俺達以外の人は誰もいない風にすら錯覚する。

そんな場所で少し待つと、どこからともなく、前方に女性と、女の子が現れた。


「ローザお姉ちゃん、本当にこの人なの?」


「そのはずなんだけどなぁ」


2人は、俺まるで品定めでもするようにじろじろ見てくる。これで俺に何か用件がある事がわかった、もしかしたらリアンを狙った刺客かもしれないと思ったがその予想が外れた事に、とりあえず一安心。


俺はこの2人の事を知らない、ローザと呼ばれた人は、17歳ぐらいの大人びた女性。かなり体が引き締まっていて、女性とは思えないような筋肉の付け方をしている。かなりの実力の持ち主だと思う。

もう1人は、10歳ぐらいの少女で、おそらくローザと呼ばれる人の妹、ツインテールが印象に残る。あまり強さを感じないが実際のどうなのか分からない。


この2人からは、神の気配を一切感じないが、何故か知っている気配がする。あった事はないのに...

〔完全鑑定〕を使えば分かる事だが、むやみにこのスキルを俺は使わない。

お互い、沈黙が続いたが、少ししてローザと呼ばれた人が、俺に話しかけてきた。


「なぁ、お前はシオン・フォールであっているのか?」


「え、はい。確かにシオン・フォールは俺です」


俺が答えると、「おっかしいなー」と頭を掻きだした。俺からしたらなにがおかしいのか分からなかったが、とりあえず2人が動くのを待っていた。

だが、その二人が動くよりも先に、もう1人の付けて来た奴が後ろに現れた。


「そこの2人、この人気のない場所にこの男を、連れ込んでくれてありがとう」


いきなり話しだして、一瞬その人物にみんなの視線が誘導される。そこにいたのは、見た目リアンやレオと同じぐらいの幼女。だが俺とレオは、感じてしまった。こいつから出る神のオーラを。


「私は、ユウリ。気が付いているかもしれないけど神よ、まぁ、まだ2つ名のない神だけど」


「もしかして、カスミ先輩と契約した神ってあなたですか?」


「そうよ、でも誤解しないでね、今日はお話をしに来ただけだから、まぁそっちの子達は違うらしいけど。特に少女の方。流石は、魔王の娘ね、殺意がビックリするほど濃い」


「え?」


今、この神が聞き捨てならない事を言った。「魔王の娘」だと...

そこで、ようやく理解した。会った事もないのに、知ってる気配。これは、ルリと同じ気配だという事に。

そこで、俺の視線は、ユウリから、2人に移った。


「もしかして、ルリの姉妹なんですか?」


「あれ、言わなかったけ?じゃあ改めて、私が現魔王、アイラ・サタナスの娘で長女の、ローゼ・サタナスだ。よろしくな、義理弟」


「むぅ~、私は、現魔王の娘で、三女。リリエル・サタナス。でも私は認めないから。お姉さまの婚約者があなただって事を!!」


ビシッと指を指され、断言されてしまった。ローザさんの方は、俺の事を義理弟といった事から、認めてくれてるかもしれないが、この子相手は、生半可な気持ちでは認めてくれないだろう。


「じゃあ、リリエルちゃん、どうしたら認めてくれる?」


分からない事は、素直に聞く。それが生きていく上でもっとも大事な事だと俺は知っている。まぁ認めてくれなくても、他の方法で婚約することはできるが、それは最終手段なので、今は認めてもらう事に全力を注ぐ。


「強さを証明できるなら、とりあえず考えてあげる。あなたを見ても一切の覇気も感じないし、正直お姉さまより、強いなんて到底思えない、だから、私と戦って、証明して見せて」


そう言うと、リリエルちゃんは構える。武器などを一切持たず、格闘家のようなスタイルで。俺も構えようとしたら、レオが俺の前に立った。


「主ここは、我に任せてください。魔王の娘リリエルよ、主と戦いたいなら、まずは、我を倒してみせよ、我を倒せないような実力なら、お主に勝ち目など一切ないからな」


「上等よ、私より年下だからって容赦しないんだから、その男を庇おうと前に出た事、後悔させてあげる」


互いに、バチバチと視線で火花を散らすような緊張感が漂う。いくら俺の問題とはいえ、こうなった以上はこの場は、レオに任せて、俺はリアンを連れ、少し離れた場所からこの状況を見守る。


「私も横で見ていいか?」


いきなり横から声をかけられ、横を見るとローザさんがいつの間にか移動していた。だがローザさんは、俺とやりあう様子もなく、ただ妹の姿を目に焼き付けている。

そして、今にも2人が、動き出しそうになっているところに、神のユウリが、間に入り込んだ。


「まぁ。両者とも落ち着きなよ、いくら私が下位の神でも、神が立ち会う戦いなんて滅多にないよ。どうせなら、試合形式で戦いなよ、私が審判やったあげるから」


ユウリの言葉を聞き、レオもリリエルちゃんも一旦落ち着きを取り戻した。

こうして、見た目、獣人の幼女と、魔族の少女、審判が幼女の神という。知らない人が見たら、ほのぼのしたじゃれ合い、知る人が見れば、物騒極まりない戦いが幕を開けようとしていた。

リアン「ぱぱ、なにがあじまうの?」


シオン「ある意味では、恐怖の戦い」


ローゼ「幼い女の子達の、ありえない戦闘...時にシオン君、君から見て、どちらが勝つと思う?」


シオン「そうですね、まぁたぶん...」

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