勇者と摸擬戦をしました
変更点です、今までテレパシーの時は()←このカッコを使っていましたが、これはキャラの心情のや心の声の時に使うようにします。テレパシーは『』←このカッコに変わります。
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お昼ご飯を食べ終えて、午後の授業が始まる。
午前は、愛美さんやエピーロさんの魔法を見せてもらった。同じ魔法使いでも役割は全く異なり、転移者である愛美さんは、転移の時に神から貰った能力、全属性適正のおかげで、あらゆる属性の魔法が使えるらしい。しかも魔法に不得意がないらしく、攻撃系、支援系、回復系。状況によって様々な魔法の使い分けるらしい。
エピーロさんは、全属性が使えるわけではないらしいが、闇属性なら転移者である愛美さんよりも魔法がうまいらしい。エピーロさんが言うには「派手な攻撃だけが、全てじゃないわ。幻覚、幻聴、妄想、、精神支配。内側から落とす事も時には重要なのよ」との事らしい。
この言葉には明らかに何か別の意味も含まれてるように思えたが、何を思っているのかはわからなかった。
そして午後俺は、ヤークさんのところに来ていた。
「おや、君は確か...1位のシオン君だったかな?」
「そうです、ちょっと聞きたいことがあって、ヤークさんのところに来ました」
ヤークさんの所にはクラスメイトは集まらず、ちょうど暇そうにしていた。午前の時は何人か来てる様子だったけど、やっぱりこの歳の子はみんな、魔法とかの方が好きなのかな?
ちなみに俺が行こうとした時、キャロたちが付いてきたがったが、俺が頼み事をしたらあっさり、引き下がった。
「自分に聞きたいことって何ですかね?君くらい優秀な子なら聞く事なんてないと思うけど」
ヤークさんは不思議がっていた。この人は自分がどれだけ凄いかわかっていないのだと思う。
午前中、エピーロさんの事を観察してる時、誰かの視線を感じた。その時念のためと思い〈隠密行動〉を使っていたのに。周りを見るとヤークさんと目が合った。始めは気づいていないと思ったが、ニッコリ笑った顔を見た瞬間に見られてと認識した。自分のことを過大評価するつもりはないが俺の〈隠密行動〉は間違いなくほとんどの人から認知されない。だけどヤークさんは俺を見ていた。
「ヤークさん午前中俺の事を見てましたよね?どうして見えてたんですか?」
「え、確かに気配は薄かった気がするけど、隠れてなかったでしょ?誰だって見えますよ。むしろ自分が見てることによく気づきましたね」
この人は元から俺を見ていたっぽい。けど俺が見つかる理由にはならない。確かに隠れてはなかったけど、そういう問題ではないのだから。
ヤークさんが俺を見ていたのは、単純に1位がどんな人物なのか観察していたらしい。
その後はヤークさんと索敵のことで話していたら。気がつけば午後の授業も終る時間になりかけていた。
フォルテ先生が点呼をとって、クラス全員いる事を確かめてから、話始めた。
「さて、勇者様たち本当にありがとうございました、きっと今日の事は生徒にとって貴重な体験だったと思います。そして最後に予定どうり勇者様対、Sクラス1位のシオン君の摸擬戦ですが通者様、疲れてると思いますがよろしいですか?」
「あぁ、構わない」
そう言って、訓練用の剣を持ち、訓練場の真ん中に立つ。俺も剣を一本持ち勇者の前に立った。
周りは自然と俺たちから、距離を取り。俺と勇者はお互いがいつでも、攻撃できる距離にいる。
「では、これより摸擬戦を始めます、どちらかが降参するか、戦闘不能になるか、私が止めた時点で終了です。2人ともいいですね?」
「あぁ」
「わかりました先生」
試合の最終確認をフォルテ先生も少し離れる。俺は何が起きてもいいようにすでに構えている。
「両者構え・・・始め!!」
先生の合図の後、先に動いたのは勇者だった。スキル〔縮地〕を使い一瞬で俺との間をつめてきた。
確かに一瞬ではあったが、その動きが見えている俺はそこにカウンターを合わせようとした。
だが、俺の行動は読まれていたらしく。うまくカウンターを避けられて、横薙ぎの一撃もらってしまった。
横に吹き飛ばされる瞬間、その方向に跳びなるべく威力を軽減させる。もしあの剣が本物で切れる剣だったらと思うと、ちょっと恐怖を感じた。
改めて、勇者の方を向き構え直す。今度は俺から勇者に仕掛けてみた。だが俺の攻撃はことごとく勇者に読まれて、全て防ぐか受け流されてしまった。
「ルリさん、どう思うっすか」
摸擬戦を見てる、将太がルリに問う。今の攻防で誰がどう見てもシオンは劣勢に見えるからだ。勇者である勇輔の攻撃には対処できず、逆にシオンの攻撃は、まるで完全に読まれてるかと錯覚してしまうぐらい通用していない。そして今もそれは変わらない。勇者は初手以降自分から攻めようとはしないが。完璧なまでにシオンの攻撃は捌いている。
「確かに、今の感じだとシオンに勝ち目はないね。でも...」
ルリが言葉を切ったタイミングで試合に変化が起こった。
俺は攻撃を何度か仕掛けるうちにあることに気がついた。
(あまりにも、迷いがなさ過ぎる。まるで俺が攻撃しようとする場所が最初から読めているような)
そう、俺が右から攻撃しようとすれば、すでに弾く準備をしていて。
回り込めば、すでにそちらを向いている。
これはもしかしたら、〈未来予知〉かそれに近い魔法かあるいはスキルかもしれない。
もしそうだとすれば、その対処法は1つ。それより早く動けばいいのだ。
過去にアイラさんと戦った時、純粋な速さで負かされた。なら今度は俺がアイラと同じようにして勝てばいい。そう思い今まで使ってなかった〈身体強化〉を使う。
俺は、試合が始まってから、魔法は一切使ってなかった。もちろん勇者は始めから全力で使っている、それでも俺の攻撃を避ける事はできなかった。〈未来予知〉でわかっていると仮定して、わかっているのに、全て弾くか受け流していた。
その仮説が正しいか確かめるため、〈身体強化〉した状態で勇者に迫り剣を振るう。
「な!?」
勇者は驚いていて、一瞬だけ焦ったようにも見えたが俺の剣をギリギリで弾いて見せた。
やはりと言うべきか、今までより明らかに速度の違う俺の攻撃に対応できたのは、間違えなく〈未来予知〉で俺の攻撃する場所が見えたからだろう。
これで確信した。間違いなく勇者は〈未来予知〉かそれと同じ効果のスキルを持っている。
俺は一旦距離を取り、改めて自分自身に〈身体強化〉をかけ直す。さっきのは全力ではない。半分すら出していない。だが勇者の反応はギリギリだった、おそらく次の攻撃は視えても反応できない。
〈未来予知〉は戦いにおいて、相手の行動を先読みして対処できるある意味チートに近いもの。だけどその対処するまでの過程には、脳内で視て、行動を考えて、実行に移す。ほんの少しだが時間が必要になってくる。もちろん普通ならその少しの時間で相手が動きを変える事はできない、じゃあ普通じゃないなら...
(そうだあれをやろう、一度はやってみたいと思ったあれ)
今の状況、確実に勝てると確信した場面、勇者を傷つけず、ほんの一瞬で見せられる技。ある意味では元の世界にいたときからの憧れ。
それを実行に移す前に〈テレパシー〉で皆に合図をする。
『ルリ、キャロ、シャロ、将太、愛美さん、次の攻撃で勇者の意識を奪う、いつでも動けるように準備してくれ、彼女の行動も注意してくれよ』
『シオンこっちはいつでもいいよ』
『問題ないわ』
『任せて~』
『ここで、全てを終らせるっすよ』
『あ、あれ、なんで頭の中で声が聞こえるの』
1名困惑しているが、それ以外の皆は問題ないだろう。
俺は勇者との距離を詰めるため、勇者をめがけて突っ込んだ、勇者はおそらく、俺がそのまま正面から来るように見えていると思う。だが俺は正面から勇者の間合いに入る事はなかった。
ある程度近づいた時に、勇者の後ろに〈瞬間移動〉する。勇者は突然俺が消えたとに困惑する、時間もなかった。
勇者の背後を取った俺は、うなじめがけて、全力で手刀と叩き込む。
そう、あちらにいた時は絶対に使うことがなく、アニメの影響で一度はやってみたかった事
当身である。
もちろんアニメみたいに軽くやって意識を奪えるなんて思ってもいないので、全力でやった。
その結果、バァンと大きな音も出してしまったし、勇者は、ガハァとか言いながら苦しそうに倒れていったが結果的には成功で間違いない。
そうして俺は作戦の1つである勇者の意識を奪う事に成功して。
この世界で勇者と呼ばれる存在に完璧に勝つことができた。
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魔法、スキル解説
今回から使われたスキル、それもここで解説していきます。ちなみに魔法のカッコは〈〉←これで、スキルのカッコは〔〕←これになります。
〈隠密行動〉気配を消す〈気配遮断〉の強化版みたいな能力、だが本質は存在自体を薄めて他人から忘れられる魔法。
〔縮地〕主に戦闘員、戦う者が覚えるスキル。一瞬にして相手との距離を詰める。使い手の熟練度によって詰められる距離も変わる。
〈未来予知〉相手が次にどう動くか、何をするのかが見える魔法。本来無属性で使える者は数少ない、本編で勇者が使用していたのは〈未来予知〉に似た別の魔法ではなくスキルだったりする。
〈瞬間移動〉無属性魔法、視界の範囲の好きな場所に、文字どうり一瞬で移動する。ちなみに〈転移〉よりも早く目標に行くことができる。だが〈転移〉と違い視界の範囲外には行くことができない。
模擬戦開始前
エピーロ「あなたが負けることはないわ」
勇輔「あぁ、知ってる」
エピーロ「だってあなたは...」




