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優しい家族と自分の正体

今回はルリ視点のお話です、基本的にはシオン視点の書き方にしてますが、もしおかしなことがあったら報告おねがいします


「う〜、眩しい」


カーテンの隙間から差し込む日差しで私の目は覚めた。

カーテンをずらし窓を開けると一匹の鳥が部屋に入ってきた、その鳥は手紙をくわれておりその手紙をおくと、その場所で消滅した。とりあえず届いた手紙を開け読んだ。


「ルリへ、学校の合格おめでとう、近いうちに会いに行きます、母より」


どうやら手紙の送り主は母らしい、さっきの鳥も母の使い魔だろう、とりあえず手紙を机の上に置いた

今日はシオンたちの家に遊びに行く日だから、とりあえず準備しよう。


私はルリ、つい先日ここ、王都の学校に入学することが決まった新入生だ。

私には多くの人には、知られちゃいけないことがある、それは私が魔族だってことだ。

はるか昔魔族と人間は戦争していてお互いを殺しあった、だけどある時どれだけやっても争いが無意味な事であると察し、数十年前、人間の王、国王と魔族の王、魔王が不戦の誓いをした。

それ以降はお互いが殺しあうことなく共存の道を歩む事になった。


それなのに私が正体をかくしてるのは、小さい頃、家族に無断で人間の街に行ったら私の姿を見た人間が悲鳴をあげて、私に攻撃をしてきたのだ。

あれがトラウマで今は本来の姿を隠しなるべく人間らしい格好で生活している。


私は体を起こして着替えと朝食を済ませた。

シオンが迎えに来るまでの間、私は自分の格好を確認したりしていた。

私は〈索敵(サーチ)〉を発動させて続けシオンが来るのをまっていた。


思えば少し不思議なことがある。彼を見たときから、何か普通の人とは違う特別な気配を感じた。

それが何かと聞かれても、何なのかは全くわからないがどうしても彼を意識してしまう。

そしてシオンの兄妹である、キャロちゃんとシャロちゃん、あの二人はシオンとはまた違った気配を感じる。そしてその気配が何なのかやはりわからない。まぁあの二人の気配は今後わかる気がした。


あの三人を事を考えていたら私の発動している〈索敵(サーチ)〉にシオンの気配があった。

シオンが宿の近くまで来たので私は宿の入り口付近で待つことにした。


「おはようルリ、待たせちゃった?」


「おはよう、全然待ってないよ」


「そっかじゃあ、行こうか。ついて来て案内するよ」


「わかった、今日はよろしくね」


私はシオンに案内されてシオンたちの家にいった。家に行く途中にシオンがいろいろ食べ物を買いたいといったので二人でいろんなお店を回った


シオンの家に着いたとき私はきっと凄い顔をしていただろう。物凄く大きなお屋敷の前で「ここが家だよ」と言われたからだ。シオンが家に入った後に続いて私も家に入った


「おじゃまします」


正直家に入る時私は凄くびくびくしていた、知らない人が私の事を見たらきっと心配しそうなぐらい落ち着きがなかったと思う。

私が家に入ってすぐキャロちゃんとシャロちゃんと私の知らない男性と女性が来た


「いらっしゃい、はじめまして私はシオンたちの母のミリアよ、シオンたちから話は聞いてるわ、何もない家だけど、くつろいでいってね」


「はじめまして、僕はフィンだよ。シオンたちの父さんだ、まぁよろしく」


「は、はじめましてルリです。今日はありがとうございます」


「あ、ルリちゃん。いらっしゃい」


「いらっしゃ~い」


私が知らなかった二人は、シオンたちのお父さんとお母さんだった。

シオンたち家族に歓迎されてみんなでリビングに移動した。

リビングに行くまでの道も長く周りを見ても全てが大きかった、そんな家の中を見て私は「すご」と無意識に言葉が漏れていた。

シオンたちの家に着いたときには時間がお昼を過ぎていて、お昼ご飯をご馳走してもらえることになった。


「いただきます」×6


「家に呼んでもらって。お昼ご飯まで用意してもらってありがとうございます」


「もぅ、そんなかしこまれなくていいのよ、冷めないうちに食べちゃって」


「はい、ありがとうございます」


食べ始めてから少ししてシオンたちがが私に対して質問をし始めた。

質問の内容も、何が好きで何が嫌いなのか、学校についてどう思っているのかとか、好みの男性のタイプはどんな感じなのか、とだいたい初対面の人とかにするような質問が多かった。


「そういえば、ルリってどこの出身なの?」


「あ、えっとそれは…」


「あれ聞かないほうがいい質問だった?」


シオンに出身を聞かれて答えられなかった。

私の出身は魔国、でそれを知られてしまえば私が魔族だって事も知られてしまう、そうなればどんな反応されるかわからなかったからだ。

それでもこれから一緒に学校とかで過ごしたら、きっといつかは、ばれてしまうと思った。

私は覚悟を決めてシオンたちに私の出身を話す事にした。


「私の出身聞いても驚かない?」


「ん?まぁ驚かないと思うけどそんな遠いところなの?」


「遠いよ、だってあたしの出身は…魔国だからそして私魔人なんだ」


「「え」」


私の出身を聞いて声を上げたのはキャロちゃんとシャロちゃんだった。シオンは凄く驚いた顔をしていた。

だけどシオンたちの両親、フィンさんとミリアさんは驚いた様子をみせなかった。

その反応を見て私は不思議に思い二人に聞いた


「フィンさんとミリアさんは驚かないんですか、私が魔国出身だった事に、普通シオンたちみたいな反応されるんですけど」


「まぁ、僕はルリさんが魔人なのは見た瞬間にわかったから、そっちの出身でもあまり驚かないかなぁ」


「私も魔人なのはわかってたし驚かないよ」


「「「「え」」」」


まさかの返答に私が驚いてしまった。

どうしてばれたの?変な格好はしていなかったはず


「どうしてわかったんですか!?私言ってませんでしたよね?」


「え、魔人が持つ特有のオーラが見え見えだったよ」


「私もフィンもいろんな魔人を見てきたからね、魔人かどうかは見たらある程度はわかるわよ」


魔人の...オーラ??

私はそんなもの知らなかった、あの二人にはそれが見えていた。私が魔人だとわかっていて接していた。そのことが私の中では信じられなかった、魔人だと、ばれれば恐れられると思っていたから。


「私のこと、怖くないですか?私魔人ですよ?」


別にこんな事聞きたいわけじゃなかった。もしそれで怖いなんていわれたら、きっと私は人間に対して心を閉ざしてしまう。なのに聞かずには、いられなかった。


「私はルリちゃんが魔人でも、別に怖くないわ、だって友達だし何もされてないもの」


「魔人でも、私は気にしないよ~」


「俺も気にしないよ、それに魔人には前から興味があったから。またいろいろ聞かせてもらうよ」


「まぁ、ルリちゃんが魔人でも私達は誰も怖がらないし、おそれないよ」


「そういうことだから、今後ともシオンたちと仲良くしてね」


シオンたちの言葉を聞いて私は泣いていた、魔人だとばれれば恐れられると思っていたのに、暖かく迎え入れられたからだ、私は初めて人間の優しさを感じた。

そして不思議と感謝の言葉が口から出ているのだった。

ルリ「魔人のオーラとはいったい...」

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