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意外な知り合い

「いらっしゃい、翔太、花蓮さん」


「お邪魔するっす」


「お邪魔するね」


学園が休みの日、今日は翔太と花蓮さんが今の状況を聞きに家に来た。2人とも転移者で神の事情に多少は関係がある。そこで翔太が話を聞きたいと言ってきたので、時間を作り来てもらった。


花蓮さんは勇者騒動の後、リハビリや鍛錬を積み無事、冒険者に戻り今では、翔太のお嫁さん候補でもあるリティスさんや、ナツメとも冒険者として活動しているらしい。


「そういえば、ルリさんとかはいないんすか」


フォール家に来たのに俺以外の気配がないことを不審に思ったのか、翔太が尋ねた。この時はちょうど庭で訓練をしていて、かなり激しい訓練という事もあり何重にも結界を張っていたので、気が付かなかったのだろうと説明すると、翔太は納得した。


「さて、現状何が起きているのか説明しよう」


そう切り出し、俺が話始めようとした時だった。


「すいませーん。誰かいませんか?」


玄関の方から女性の声がした。今日来るのは翔太と花蓮さんだけだと思っていたし、母さん達から誰か来るなども聞いていない。誰が来た確認するため話をする前に、俺は玄関に向かい扉を開けた。


「あ~宗教の勧誘はお断りですよ」


「ちが...信じる者は救われます。ぜひ貴方入信しませんか?」


なんとなくふざけて、扉を開けたら。玄関先の女性は一度否定しかけたのに、なぜか手を胸の前で組み勧誘し始めた。


「悪ふざけに乗ってくれるのはうれしいけど。何か用かミコト」


「学園がお休みで、こちらに遊びに来たのでシオンに案内をお願いしようと」


確かに前に案内すると言ってしまったが、タイミングが悪い。今日は帰ってもらおうかとも考えたが、ミコトも転移者。情報を知っていても問題はないだろう。


「悪い、今日は立て込んでてな。中に知り合いの転移者がいて、ちょっと邪神とか、神の事情とかの話をするんだが聞いてくか?」


「私が聞いてもいいんですか?」


「あぁ。ミコトも転移者だしな。問題ないだろ」


どうやらミコトも話に興味があるようで、サブメラ観光をやめ、家に入ってきた。リビングに入れ、翔太達にミコトの事を紹介しようとすると、3人は顔を合わせ、まるで時間が止まったかのように停止した。


「みんなどうした?」


「ミ...コトすよね?」


「ミコトちゃんだよね?」


「しょーちゃんに。花蓮さん?どうして?」


どうやらこの3人面識があるようで、お互いの名前を呼び合った。1人置いてけぼりにされる俺、どういう関係か聞くと、翔太が簡潔に話してくれた。


この3人小さいころからの知り合い、いわゆる幼馴染と言うやつらしく。昔はよく遊んだりしていたらしい。だけど高校が別々になり、そこから自然と連絡などは取り合わなくなった。お互いどうしてるのか知らなかったらしいが。今日偶然にも再会したらしい。


「なんと言うか、世間は狭いというか、世界は狭いというか」


「そうっすね。まさかミコトもこの世界に来てるなんて思てもいなかったっす。それに思いたくもなかったす」


「翔太、気持ちはわかるけどミコトちゃんの事を考えれば、これも良かったんじゃないの?ほらあっちの世界だと」


「そうっすね、ミコトは不思議な力を持ってたっすから、この世界に来たのも案外偶然じゃないのかもしれないっすね」


2人は、ミコトの力も知っていたらしく。また地球での扱いもは知っているようだった。

ミコトは心配してくれていたことが嬉しかったのか、目に少し涙が溜まっていたが、それを拭き花蓮さんの隣に座った。


「シオン。しょーちゃん達の話はあとでゆっくりするとして、そろそろ本題を話してほしいな」


「それもそうだな」


ミコトが一度区切りをつけ、本題に移った。翔太とは頻繁に会うから、ある程度の話はしているのだが、ほとんど今の状況を知らない花蓮さんや、前に邪神がティファだとミコトに言ってしまったこともあり、まず本当の敵の話や、ティファの存在。現状の戦力などを話した。




「現状、俺達がわかっているのはここまでだな。何か質問はある?」


「はい、シオン君。質問いいかな?」


手を上げ、俺の方を見る花蓮さん。俺が「どうぞ」と言うと律儀に立ち上がった。


「相手の戦力は未知数。シオン君達の方はあまり多いとは言えない状況。私達みたいな転移者に頼るのはどう?」


花蓮さんの質問は的を得ていた。戦力になりそうな人材を転移者から探す事それ自体は俺も考えた。だが


「正直、俺達と一緒に戦える転移者はいないんですよ。多少強い転移者はいても相手は本物の神、少なくても、キャロやシャロと互角に渡り合える人材はこの世界探してもそうそう見つかりません。前線に兵を送るのは、無駄死に、なるだけです」


「なるほど、この世界で強い部類の勇者ですら、操られていたとはいえシオン君にワンパンだからね」


「そういう事です」


今度の敵は、勇者なんかでは太刀打ちできる相手ではない。転移者の最強核ともいえる勇者がそれでは他の転移者もあんまり期待できないだろう。


「では、シオン。私からも質問します」


「どうぞミコト」


「シオンから聞く限り、オーディン様、風神様、雷神様、ユウリ様、ティファ様この5名がシオン陣営の神様という事ですが、他に神様のあてはないんですか?」


「そう言われてもなぁ」


ミコトの発言にはさすがの俺も困ってしまう。いろんな種族の知り合いはいるが、流石に神の知り合いはいない。この世界に下級の神はナズリ以外にもいると思うがオーディン曰く、下級の神では上級神の足元にも及ばないらしい。


「どうやら、わたくしが姿を現す時が来たようですね」


「「「「!!??」」」」


聞きなれない声に俺達は困惑した。誰が発しているのか、少なくても今この場にいる4人ではない。あたりを見渡すと誰もいなかったが、ミコトの横を見ると粒子のような粒が収束していき、人の形に変わる。そこには白い着物を着た女性が、座っていた。


「初めまして、わたくしアマテラスと申します」


アマテラスと名乗った神に俺達が言葉を発せないでいると。突然リビングの扉が開いた。


「シオン、今ここで神の気配が...誰だ」


「シオン、また私が知らない女性を連れ込んだの?」


グングニルを手に持ち、アマテラスを見た瞬間、戦闘態勢のオーディンと。般若のような形相で、俺にグングニルを向けるルリがいた。


混沌とする場に俺はただ部屋の天井を見つめる事しかできなかった。

シオン「ルリ、違うんだこれは」


ルリ「問答無用」


翔太「仲いいっすね

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