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継承

週一のペースは崩さないつもりですが、最近PCの調子が悪いので投稿できない日があるかもしれません。

「んん~いいですね。この緊迫した空気。破壊神と、あの偽物と契約した人間。ここで仕留めれば、あの御方に良い報告が出来る。実に良いですね~」


妙に気持ちの悪い喋り方で、俺とティファを舐めまわすように見つめるピエロ。相変わらずジャグリングを続けこちらの様子を窺ってるのがわかる。


「シオン君。油断しないでね。あれは道化の神ピューリ。奇想天外な攻撃で相手を翻弄する事に長けた神よ」


「説明どうも」


俺は改めて新しくなった神の力を開放する。力が馴染んでるからか体に変化した感じはないが、すべての能力が高まってるのだけは感じる。だがそんな俺を見て、ピューリはジャグリングの手を止めた。


「お前...その目。それにこの感じ...んん~やーめた。破壊神を相手にしながらあなたを相手取るのは分が悪すぎますね。では失礼〔|煙幕《スモークボム〕」


「おい待て!」


ピューリは持っている玉の1つを地面に叩きつけ、そこから周囲に煙が広がる。煙が消えた頃にはピューリの姿はそこには無かった。


「なんだったんだ一体。俺の目を見て様子が変わった。なぁティファ一体何が」


「お兄ちゃん!!」


俺がティファから話を聞く前に、ナツメが俺に抱き着いてくる。この状況が怖かったのかそれとも、俺を案じてくれたのかナツメの目がしらに涙が溜まっていた。




しばらくして、ナツメも泣き止みようやくティファから話が聞けるようになった。ティファは律義にナツメが泣き止むのを黙って待っていてくれた。


「それで、ティファは本当に邪神じゃないんだな?」


「ええそうよ。あなたが感じている危険な力は、私の破壊の力。破壊の力も言ってしまえば悪だからね。シオン君が警戒するのも無理はないわ」


今でも少し感じる危険な力、だけどそれ以上にティファが悪い神じゃないのは理解できた。

話を聞いて一つ分かったことがある。ティファやピューリの言っていた俺の目についてだ。どうやら俺が神の力を使っている間、俺の瞳は赤に染まっているらしい。そしてそれは神と契約してる生物ではなく、神である事の象徴でもあるらしい。これは純粋な神ではない者に現れる特徴らしくティファやピエールには当てはまらない。ピエールが逃げ出したのも、俺の力が想定より大きくなっていると思ったからだと、ティファは言った。


「そういえば、今更かもしれないが、何でティファは邪神って呼ばれてたんだ?それに邪神の使いを名乗る奴もいたし」


「それについては、シオン君の家で話すわ。グングニルを持ってる子にも話を聞いてもらいたいし」


グングニルを持ってると言えばルリの事か。ルリは神と契約しているわけではないが神の力を武器を通して使えている。俺でも知っている、神話上に存在する武器を持つルリは今後の脅威との戦闘に必ず役に立ってくれるだろう。


「じゃあ帰るか」


そうして〈転移〉で戻ろうとする俺を、「ちょっと待って」とティファが止める。そして俺ではなくナツメの方に向かい、ナツメの手を握った。

しばらく手を握られていたナツメは「ウッ!」と苦しそうな声を上げ膝を落とす。その様子を見て再び俺は鬼神刀をティファに構えた。


「どうゆうつもりだ?」


「私がここで、その子とあったのは偶然じゃないの」


そう言いながら、ティファは気を失ってしまったらしいナツメを受け止め。横抱きで俺に渡しに来た。俺は落ちないようにしっかり受け止め背負う。


「私の力は封印のせいで弱まってしまった。しかも封印から逃れた今でも私が破壊の力を持つ限りは能力は戻ってこない、(きた)るべき脅威に向けて私自身も強くならなきゃいけないのに。だから私は破壊の力に適応できる人材を探していた、それがあなたの妹ナツメちゃんだったの。そして今私の力を継承したわ、その力は私が持てば本来の力まで戻らなくても、その子なら完璧に使えこなせる。もちろん貴方が来る前に事前に話して了承は得ているわ」


「てことは、ナツメも半神になったのか?」


「まぁそういう事ね」


そこまで聞いて俺は深く溜息をついた。もうなってしまった以上しょうがないがもっとナツメには相談してほしかったとも思う。でもナツメが決めた以上俺に反対する権利はない。だが俺は、別に気になることが出来た。


「あんたの力をナツメに渡したなら、あんた自身はどうなるんだ?強くなるって言っても能力がない以上限界はあるだろ?」


「大丈夫よ、力を渡しても根源である私自身がいる限り、私はまた破壊の力が埋めれてくるから、まぁ仕上げるまでには多少時間がかかるんだけどね」


(神ってやつは、本当に規格外だな)


言葉にはしないが、俺は心の中で思う。まぁ今となっては俺も半神で自分で思ったことに当てはまってしまうかもしれないが。


「シオン君行きましょう。サブメラに」


「あぁ、〈転移〉」


ズイーゲルの森で事件を終え、ようやく一度サブメラに戻ることが出来たのだが、ここでもまた別の事件が起きてるとはこの時の俺は想像もしていなかった。

シオン「本当の敵はいったい誰なんだ」


ナツメ「私が、破壊神だぁ~。スヤァ」


ティファ「パパ待っててね」

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