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全能の半神

今回から物語もクライマックス...になる予定です。


(日差しが温かいな)


学園での授業中、俺は窓から射す日差しの温かさについウトウトしてしまう。教室での授業は頭に入らず、ただぼんやりと外の景色を眺めていた。


(もうダメだ、このまま目を閉じよう)


机に肘をつき、手に顎を乗せゆっくりと目を閉じる。だがそこから景色は変わった。


あごの位置が手からずれて、首が落ちる。それで目を開ければ俺の居た場所は教室ではなくやけに真っ暗などこか。それが室内なのか室外なのか、俺が立ってるの座ってるのかわからなくなった。


「なんだこの場所〈明かり(ライト)〉...ん?明かり(ライト)〉...」


俺は見えない周囲を照らすため魔法を使おうとするが、魔法は発動しない。その後も身体強化魔法や、鬼神刀を出すスキルを使ってみるが、どれも発動しなかった。


(おかしい、体内の魔力は感じるのに身体強化系の魔法が使えない。となるとこの空間が特殊なんだろうか?それにしてもこの空間の感じどこかで...」


そんなことを思ってる時だった、突如目の前にホログラムのような物が浮かび上がる。その光でようやく俺は自分の体を視認することが出来た。ホログラムの真正面で確認して俺は驚愕する。

それは俺の知ってる人物、全能神ドゥエサスだった。


「おいドゥエサス、説明してくれ。ここはどこだ?いつもの場所じゃないのはなんでだ?」


俺はいつもと違うドゥエサスである事など気にせず質問するがその返答は返ってこない。

ドゥエサスを触ろうとしても、光の集まりのためドゥエサスの体がぶれるだけ。


「シオンよ」


「うわぁ、びっくりした急に話しかけるなよ」


突如話し始めたドゥエサスに俺は驚いたがドゥエサスは俺のことなど気にせず話を続けた。


「これはわしのオリジナル魔法〈孤独の場所(セーフティールーム)〉この魔法はシオンがこの世界に来た時から発動させていたのじゃ」


そこで一度声は止まる。いきなりの事で俺も混乱しているがドゥエサスの魔法空間という事でひとまず安心。そしてまたドゥエサスは話始める。


「この魔法が発動するという事は、わしの身に何かしらの危機が迫って、お主の前に姿を現せないという事じゃ、じゃが逆にこの魔法が発動している以上わしは死ぬ事もなく、存在などを消される事はないのじゃ。まぁわしの身が危険な事は変わりないんじゃけど。ホッホッホ」


ホログラムのドゥエサス楽しそうに笑っている。それに足して俺は苦笑い。ふざけられる話ではないと分かっているのに雰囲気が台無しにしている。


「さて、ここからは大事な話じゃ。わしの魔法が発動している以上。わしには打てる手がなかったという事じゃ、じゃがシオンお主は違う。ポテンシャルだけで言えばわしよりもはるかに優れている。じゃがシオンは人間。いつか時期が来てお主と契約し、お主は半神になっているかもしれんが、それは偽りの力。じゃからその力をそなたに授ける。ただし正真正銘お主は、純粋な人間ではなくなる。お主が力を授かればわしの力ではなく、半神シオンとしての力になるのじゃ。そしてお主の体に半分神の血が流れる。

もちろん強制はしないのじゃ、この魔法は人が入った後、時間が経てば勝手に消える。そうすれば今のまま、じゃがもし本当に半神になる覚悟があるのならば、わしの貸している神の力を使い。わしを切り裂くのじゃ。選択はシオン、お主に任せるのじゃ」


そこでドゥエサスの話は終わった。俺はもう一度、鬼神刀を出すスキルを使ってみると俺の右手には、鬼神刀が現れた。

そこで、俺は迷うことなく剣を大きく振りかぶる。その刀身に神の力を纏わりつかせて。


「もう覚悟は決まってる、ドゥエサス貰うぜお前の力!」


そして俺はホログラムを思いっきり切り裂いた。




ペチン。俺の頭に何かが当たる。それに気が付き体を起こす。すると目の前には青筋を浮かべ、明らかに起こっているフォルテ先生が立っていた。


「シオン君、私の話はそんなにつまらなかった?」


決して怒鳴ってるわけではないが、言葉を間違えれば怒鳴られる。そんな雰囲気に俺は困ってしまう。そして助けを求めるようにルリの方を見れば口に手を当てクスクスと笑っているのが見えた。


「シオン君何か答えたらどう?」


「えっと...」


『お兄ちゃん、ナツメだけど。話したいことがあるの』


突如聞こえるナツメの声に、俺はビクッとなる。先生は今も俺をジッと見つめて、教室の空気は張り詰める。


『悪いがナツメ、後にしてくれないか。俺も』


『お兄ちゃんが邪神と言ってたティファと接触した』


その言葉で、俺は椅子から立ち上がる。先生は俺がいきなり立ち上がるから後ろに下がり体勢を崩して尻もちをついた。


『どういう事だ?何があった!?』


『ズイーゲルの森のレオちゃんが居たって場所に来て、詳しい話はそこで説明するから』


それ以上ナツメの言葉は聞こえなかった。どうしてズイーゲルの森なのか?なぜナツメなのか俺にはわからない。だがそんなこと考えてる時間は俺にはないと思った。


「ちょっとシオン君、いきなりどうしたの。そんな険しい顔して」


「先生、説教なら後で受けます。何がわかるかわかりませんが妹が危険かもしれません。なので俺行きます。〈転移〉」


「ちょ、シオン!」


俺が転移する前ルリが何か話しかけてきたが、俺はその声を無視した。危険になるかもしれない事に巻き込めない。もしかしたら、本格的に邪神が動き出したのかもしれない。そうなれば邪神の手下が攻めてくるかもしれない。それを守れるのはグングニルを持つルリだけだ。だからルリには悪いが俺は1人で転移をした。




「転移地点を間違えたか、だけどズイーゲルの森で間違いない〈感知(サーチ)〉...見つけた」


俺はナツメとその近くにあるもう一つの気配を捉える。その場所まで一気に走り出した。すでに右手には鬼神刀持ち、何があっても対処できる準備はしてある。

そして森を抜け封印の祠にいる、ナツメとナツメより少し身長の高い女性を視認した。


「離れろ邪神!」


俺は一気に距離を詰め邪神ティファに剣を振り下ろす。だがティファの持っていた短剣に受け止められてしまう。


「さすが、パパのと契約してるだけ...あれその目それにその力」


俺を見て不思議そうにしているティファの力が少し弱まる。それをチャンスと思い思いっきりティファを短剣ごと弾き飛ばした。

ティファとナツメの間に俺が入りナツメを見る。怪我等はしてるよう感じもしなくて一安心だった。


「ナツメここは俺が食い止めるから逃げろ」


「待ってお兄ちゃん!」


ナツメを逃がすつもりが、ナツメは俺に後ろから抱き着き動けないようにする。無理に話そうとするが、まるで俺を足止めするかのようにナツメは離れない。


「お兄ちゃん聞いて!ティファちゃんは邪神じゃないの!」


「なに言ってるんだ!目の前のティファから感じ取れるどう見ても危険な物だろ!」


肌で感じる禍々しさに俺は目を離すことが出来ない。それをナツメがわからないはずがないのにどうしてかと疑う。

だがそうこうしている間にティファは俺に近づいてくる。


(まずい、ナツメを無理に話そうとすればナツメが怪我をする。それに大きく動けば隙を見せることになる。どうすればいい)


俺は内心焦っていた。目の前の存在とナツメの事で、だから気が付かなかった。もう一つの脅威に。


「〔意思のある球(マインドボール)〕」


「「え?」」


突如聞こえたやけに高く耳に残る声に俺とナツメは、その場から動けなかった。

森の中、多くの木の間を抜けカラフルなボールが俺達に向かって高速で飛んでくるのがわかる。

ボールがすぐ目の前に来てようやく体が反応してナツメをかばうように抱きしめる。

だがいつまで経っても俺の体に衝撃は来なかった。


「シオン君、話したい事は色々あるけどまずは目の前の敵を倒してからにしましょう」


振り向けば俺達を庇う様にティファが立っていた。右手を突き出し何かの能力を使ったのかさっきまで飛んできていたボールが足元に落ちている。


「んん~、やはり貴女危険だティファ。そこの男が私の目的でしたが仕方ないあなたも消えてもらいましょう」


俺が来た方とは逆方向から、ピエロのような格好で3つの球をジャグリングしながら歩いてくる変人がいた。

さっきの発言から狙いが俺なのはわかるがティファも消そうとしているらしい。

俺は一度落ち着き、ティファの横に並ぶ。


「完全に信用したわけじゃない。でも、敵の敵は味方ともいうし虫のいい話かもしれないが一時休戦で頼む」


「さすがパパと契約していた人ね。賢い子は好きよ私」


そして、新たな力に目覚めた俺と邪神ティファが共闘するという、展開に発展するのだった。

キャロ「シオンにぃ、何か慌てていたね」


シャロ「それに妹の危機って言ってたね~」


ルリ「シオン...」

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