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ナツメと破壊神

次の話とまとめを出して、この章は終了です。

私、宮野ナツメ。この世界では転移者と呼ばれる存在です。

もともとは地球での日本と言う場所で生活していましたが、分け合ってこの世界で第二の人生を歩むことに決めました。

そんな私は今日、1人でズイーゲルの森と呼ばれる場所に来ています。


ここズイーゲルの森は私のお兄ちゃん達が通う学園、ステラ学園の合宿の地になったり。新人冒険者からベテラン冒険者などの様々な冒険者が狩りをしたりする割と有名な森なんです。

私が1人で来た理由、狩りの為でもなく、依頼の為でもありません。単に暇だったのです。

お兄ちゃん達は学園があって夕方まで帰ってこないし、ミリアさんやフィンさんはレオちゃん、リアンちゃんメイシスさんを連れてお出かけに行ってしまいました。


「そういえば、レオちゃんはここに暮らしていたんだっけ?」


森を探索しながら歩いていると、そんな事を思い出しました。その頃はまだ私はこっちの世界に来ていなて、お兄ちゃん達と、レオちゃんは初め敵同士だったとか、神獣の姿を見た時はさすがに驚きましたが、きれいな毛並み、背中に乗って走ってもらった時の疾走感、今ではそっちの姿でも驚くことはありません。


「レオちゃん以外に、この森には精霊族も居るって、お兄ちゃん言ってたな~」


私は精霊族をまだ1人しか知らない。それはサブメラに住む同じ転移者、青井翔太君の恋人リティスさん。

せっかくなので、精霊族の里にも行ってみようと思ったが、精霊の気配は見つからない。まぁ何重にも結界が張られているって言ってたし、その結界を壊すのは簡単だけど迷惑になるかと思ったので、今回は諦めてレオちゃんが居た場所を一直線で目指した。


「ここが、封印の祠。中には何もないけどいかにも神聖な場所って感じがする」


ここに来るまで、何体かの魔物を倒してやってきた、森の最深部に進むにつれ魔物の強さも数も増えていったが、〈消滅(ロスト)〉を使い〔急所突き〕で確実に仕留めて来たので大した戦闘にはならなかった。


「ッ誰?!」


祠を調べていると、私を見つめる視線に気が付く、幸い敵意はないようで私が声をかけても襲ってこない、それでも私の前に姿を現さず、ジッと見ているのが伝わってくる。


「誰か知らないけど、用がないなら私行くからね」


祠も見れたことだし、この場を立ち去らうとする。すると


「待って、お願い!」


私を見ている誰かがようやく話しかけてくれる。そこで立ち止まると、目の前で闇の粒子のようなものが集まり、それが人の形になっていく。そうして私より少し身長の高い女性が現れた。

目の前にいきなり現れた女性には確かに驚いた。だがそれ以上に驚いたころがある。この女性...服を着てない。つまり全裸なのだ。

引き締まったウエスト、そこそこ膨らみのあるバスト、同じ女性の私から見ても見惚れてしまいそうな体系。この世界に来て鍛えているから私も体つきは良いが羨ましいと思ってしまう。


「とりあえず、服を着て」


「あ...ごめんなさい。今作りますね」


そう言って、女性の周りにまた粒子が集まり、水色のワンピースを作り出した。どういう原理なのか全く説明がつけられないがこれも魔法なのだろう。


「それで、貴女は誰?もしかして精霊族!?」


名前を聞いてみるが、下を向いて、恥ずかしそうにしながらなかなか答えてくれない。だけどパッと顔を上げ私の顔を見つめる。私とこの女性は少しの間お互いの目を合わせ固まってしまった。きれいな紫色の瞳で見続ければ吸い込まれそうな気がした。


「あの、驚かないでくださいね」


女性の名前を聞くだけで、何か困る事でもあるんだろうか?この時はそう思っていた


「私、ティファって言うんです」


目の前の女性がティファと名乗った瞬間、私はすぐに距離をとり、短剣を構える。名前を言った瞬間感じた邪悪な神の力、ティファと言う名前、間違いなくお兄ちゃんが言っていた邪神だと思った。

敵意がなかったのは、私ごとき眼中にないから、ここまで接近したのは何かの情報を吐かせるため。ここまで気が付かなかった、さっきまでの私に悪態をつく。


「だから言ったじゃないですか、驚かないでくださいって」


妖艶な笑みを浮かべるティファ、一歩一歩、距離を詰めてくる。相手は邪神、〈消滅(ロスト)〉を使っても逃げられる自信はない。かといって戦って勝てる可能性はない。そう感じさせるほど実力に差がありすぎる。


「私も、ここまでかな~ごめんねお兄ちゃん」


もはや戦う意思は私にはなかった。空を見上げ最後にと思いこの景色を拝んでおいた。私の目の前で足音が止まる。意を決し正面に視線を戻せばティファは右手を差し出していた。


「何のつもり?」


「え?人間の文化には友好を示すため握手をすることがあるって聞きましたが...」


私は心の底で笑ってしまう、今から私を消す相手が友好と言ったのだ。この際やけくそ気味で私はその手を握る。その手はすごく暖かかった。


「貴女、本当に邪神なの?」


「そう呼ばれているのは知っています、ですがはっきり言います。私は邪神ではありません」


「じゃあ、貴女は一体?」


「私は...破壊神です」


自らを破壊神と言ったティファは私の手を放すことなく、ニッコリと笑みを浮かべるのだった。

シオン「ナツメ視点の話なんて。ウゥお兄ちゃん泣きそう」


ルリ「なんでシオンが、なみだぐんでるの?」

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