表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
185/216

ヒューリの転移者

そろそろ新章にる気がする...

ミコトさんと模擬戦を終えた後。俺はしばらくイリトヒラの生徒たちに戦い方を教えていた。と言っても、個々の能力は普通に高くて、俺が口を挟む必要性はそこまでなかった。

それでも、失礼と分かっていても、ステラ学園のみんなとイリトヒラ学園の生徒達を比べてしまう。キャロ、シャロ、ルリを除いても知識も技術も差がある。この国の王都にある学園だけあって、やはりステラ学園は頭一つ抜けている気がした。


日が沈み、俺は学園を出る。今日中に帰ろうかとも思ったが、せっかく来た場所という事で、俺は一泊することを、〈テレパシー〉で家族に伝えた。

レオだけはこっちに来ようとしていたが、何とか頼み1人にしてもらう。俺には観光ともう一つやりたい事があったから。

さっそくやりたい事のために、〈索敵(サーチ)〉である人の気配を探す。


(噴水広場か、ちょうどいい)


俺は今いる場所から足早に噴水エリアまで移動した。そこで見つける巫女服の女性。探している俺からすれば目立っているので助かるが普段もあの格好なら、相当噂になるだろう。現に男性に声かけられてるし。


「ねぇねぇ、お嬢ちゃん。俺達と遊びに行かね」


「巫女服ってやつだよね。かわいいね~」


「すいません。私人を待っているんで」


少し困り顔のミコトさん。男たちもしつこく声をかける。そんな中に俺も混ざるように入っていく。


「お嬢さん、こんな人たちとじゃなくて俺とどっかいかない」


そう声をかけると、男たちに俺が睨まれる。だがそんなことは気にしない。ミコトさんの返事を待っていたが、返事をする前にミコトさんは俺の手を引いてこの場所から離れた。




「待っている人がいるんじゃなかったのか」


「私はあなたを待っていたんですよ」


そういう意図がないのはわかっているが少しドキッとしてしまう。この様子から察するに俺がミコトさんと話したかったのにも気が付いていて、だからあの服装で噴水広場にいたのだろう。

ミコトさんはなるべく2人だけで話せる場所に行きたいと言った。

ヒューリで2人っきりになれる場所なんか、俺は知らないから。俺が泊まる予定の宿野部屋を提案してみる。さすがに嫌がられるかと思ったが、あっさりと了承された。


俺の部屋に入り、とりあえず〈音声遮断〉を使う。だが何から話していいのかわからず、俺達は沈黙の時間が続いた。先にこの沈黙を破ったのはミコトさん。


「シオン君。本当は転移者ですよね?」


「なんでそう思う?」


「だって、貴方からは私と似た力を感じました。それにこの服装についても。友達に教えてもらったと言ってますしたが、その時目が少し泳いでましたし」


鋭い、よく相手の事を観察している。俺は心の中で砂をに感心してしまった。

確かに俺の事を誤魔化そうと嘘はついたが、正直顔には出してなかったし声色を変えてもいない。だませると思ったんだけど、どうやらもの前の相手は違うみたいだ。


「いくら容姿をこの世界の人達のように見せても、誤魔化されませんよ。ただこれら全てが私の憶測の域を出ていません、だから本当の事を教えてください」


「はぁ、わかったよ。だがその前に君付けをやめてくれないか?同年代に君を付けられると違和感がすごい」


「わかりました。ならシオンも私に、さんとつけないでください」


「わかったよミコト」


俺は自分の正体についてミコトに説明した。話はじめは半信半疑だったようだが転移者なだけあって理解は早かった。そもそも転移者と転生者にそこまでの差があるわけでじゃない。明確の違いはこの世界で赤ん坊からやり直すか、前世の姿で生きるかぐらいだ。


「では、シオンはその邪神を倒すのが目標なんですね」


「まぁ当面の目標はな。もともと最強を目指してたし。邪神より強ければ、とりあえずこの世界の最強を名乗ってもいいと思っている」


その後はミコトの話を聞いた。話し終わるころには日が完全に落ちてしまってた。かなり話し込んだ事に気が付かなるくらい、俺としては面白い話が聞けた。


まずミコトの本名は神崎尊、前世でも巫女だったらしい。そしてこれは俺にとって衝撃的な事実だが日本にいた頃から式神を使う、いわゆる超能力者だったらしい。だが家の中では、その不気味な力のせいで不当な扱いを受け、最後には通り魔に殺されたと悲しそうに語ってくれた。


死んだと思った直後目を覚まし、ミコトの前にはアマテラスを名乗る女性の見た目をした、神がいたらしい。アマテラスは、ミコトが信仰している神らしく、与えられる能力と、この世界についてを言い渡されて転移をさせられたらしい。


この世界に来てからはじめは、サブメラに居たらしいが、たまたま住む家がなく、空き家のあったヒューリに来たらしい。




「今日はありがとな。面白い話が聞けたよ」


「こちらこそ、近いうちにそちらに遊びに行くので、その時はよろしくお願いします」


俺はミコトを家まで送り、1人夜道を歩きながら考え事をしていた。この世界に来るための条件とは何なのか?

俺は内なる力を見出されドゥエサスに半ば強引にこの世界に連れてこられた、ナツメはドゥエサスの罪滅ぼしみたいなところだろう。

翔太、花蓮さん、心春さん、勇者の新塚諭介や星草愛美に関しては、神の名も不明で転移できる条件も不明。

今日会ったミコトは、神の名がアマテラスである事はわかっているが、転移についての条件はわからなかった。

少なくても3人の神がこの世界に人を送ることが出来る。もしかすればもっと大勢いるかもしれないが。


「よくわからないな、この世界が」


誰にも聞こえないでそうつぶやき、俺は宿に戻った。

俺にとって、今回のイリトヒラ学園に来ることは、いい出来事だった。

シオン「ミコトの巫女服、可愛い」


ミコト「そうでしょうか、普通の巫女服ですが」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ