学園イリトヒラ!と巫女
久しぶりの投稿で誤字が多いかもしれません。
マジで書く時間がなく、来週も投稿できるか不安
「はぁ~どうして俺1人」
名誉ある戦い、そして俺の誕生日パーティーを終え季節は冬に入ろうとする少し前。日本の暦で言えば10月下旬。最近は邪神関連の騒動もなく、平和な時期が続いている。
そう、それは間違いない。だが面倒事がないわけではなかった。
先日の事だった。学園長室に俺はいきなり呼び出しを受けた。そして言われた事
「シオン君、悪いけどイリヒトラに行って来てくれ」
そんな訳で、馬車に揺られて訳1時間。学園イリトヒラがあるヒューリにやってきた。
ヒューリはサブメラほどの規模ではないが、活気あふれる都市のひとつ。学園の大きさや、ギルドの規模、お店の見た目等々、サブメラとそこまでの大差がないと言われている。強いて言うならサブメラなら象徴としても見れる王城があるのに対し、ここではそう言った建造物が見当たらなかった。
「どうしよう...」
口にするつもりではなかったが、声に出てしまった。初めての場所という事もあり色々見て回っていたら、完全に迷子になってしまっていた。運よく中央の噴水広場と呼ばれているらしい場所にたどり着き腰を下ろすが、悠長にしている暇はない。
地図らしきものがないか探している時
「やぁ少年、こんな所で何をしているんだい?」
1人の若い男性が気さくに話しかけてくれた。今の状況を話すと「僕が案内するよ」と手を俺の手を引いて歩き始めた。中央から学園まではそこまで遠くなく、学園内に入ってからもしばらくとを引かれて、とある部屋の中まで案内された。
そこで待っていたのは大きく丸い眼鏡をかけ、黒いスーツを着ている女性。
「学園長、シオン君を連れてきましたよ」
「ご苦労様、副学園長。そして初めましてシオン君」
「あ、どうもはじめまして」
握手を求められ、なりいきでそれに答えが、正直状況があまり飲み込めていない。ここまで連れてきてくれた副学園長と呼ばれ、目の前の女性が学園長。見た目で言えばどちらも相当若く見える。
困惑している、俺を学園長がソファに座らせる。
「改めて、イリトヒラ学園、学園長のソーラだ。そして君をここまで連れてきたのは副学園長はリカルドと言う」
「どうもリカルドです。よろしく」
「えっと、知ってると思いますが、ステラ学園のシオンです」
俺は学園長から何も聞かされていない。ここに来た理由も、何をするのかも。そんな俺を察してかソーラ学園長は俺が来た理由を話し始めてくれた。
「君はなぜイリトヒラに行けと言われたか分かってないと思う。君の事を直接見たい。そう思い私達が君に来てもらうよう、そちらの学園長にお願いしたんだ。そして君にやってもらいたいのは、このリカルドが担当する最高クラスの子たちと手合わせをしてもらいたい。どうかな?」
この人達の目は本気だった。本気で俺の事を見たいとしか思ってない。もしこれで俺の力を利用して何かしようというなら、無理やりこの場を離れることもできたが。
少し考えて、まぁ減るものでもないと思った俺はその話を引き受けた。
「リカルド先生が担当するクラスって強いんですか?」
学園長室から移動中、前を歩くリカルド先生に尋ねてみた。確か去年の名誉ある戦い新人戦でキャロがここの学年順位2位だったバッシュと戦っている。その時はシャロの圧勝であまりイリトヒラ学園が強いイメージがない。
「うーん、どうだろう。この学園内の2年生の中では間違いなくトップの12人が集まっているけど」
リカルド先生は苦笑い気味に答える。まぁ正直群を抜いて化け物ぞろいのステラに比べたら、胸を張って強いとは言い切れないのだろう。
そんなリカルド先生の話を少し聞いていたら、俺は外に出た。整備されている開けた場所遠くに魔法練習用の的などが見える。おそらくここは訓練場なんだろう。すでに12人の生徒も集まっている。
リカルド先生は生徒たちの前まで行き、俺の紹介を軽くしてくれる。
「みんなも知ってると思うが、あの強者ぞろいの学園、ステラ学園の2学年、シオン・フォール君だ」
生徒たちが一斉に、俺の事をじろじろ見てくる。俺は正直この視線があまり好きではない。なんか品定めされてる感じがして気持ち悪い。まぁ実際に俺がどれくらいの実力なのか品定めをしているのだろうが。
「さてシオン君、さっそくで悪いけど模擬戦をしてくれるかな?」
「いいですけど誰が相手ですか?」
「紹介しよう。このクラスでトップ。そして学年1位ミコトだ」
そう言われて俺の前に来たのは、巫女服を着た少女。茶髪で後ろを一本で結んでいて目元がキリッとしている。可愛いと言うより美人という感じだ。
「俺はいつでもいいですよ」
「私も大丈夫です」
俺は訓練用の木剣を構える。ミコトさんは武器を何も持っていない。見た目によらず格闘家なのかもしれない。そう思ていた。
「始め!」
リカルド先生が合図をする。俺は相手の出方を窺うため、待ちの構えをとった。
今回の模擬戦、俺はほとんどの魔法やスキルは使わない。当然俺が戦闘の要にしている〈未来予知〉も使っていない。これからの戦い、邪神に備えた鍛錬の一環で縛りを課した戦闘をするようにしている。
ミコトは接近戦を仕掛けてこなかった。まぁ見るからに接近戦には向いていない服装、当然と言えば当然だが。ミコトが使ったのは袖にしまってあったであろうお札。それに魔力を流した。
「来てください〔鴉〕」
ミコトの手からお札は空中に舞い、白いカラスに姿が変わる。そしてそのカラスは俺を目がけて一直線に突っ込んできた。
俺はカラスを避けるが、そのカラスは俺を追尾してくる。仕方なく剣を振るった。
そして剣が当たった瞬間カラスは俺の目の前で爆発した。幸い嫌な気配を感じて後ろに飛んだことでダメージを負っていないが、もしかしたら今の一撃で危ない所まで追い詰められていたかもしれない。
「一瞬で後ろに避ける判断、流石シオン君ですね」
「そっちこそ、斬ったと油断させて爆発させるカラス。恐ろしい」
ミコトさんと軽口をたたきながらも攻防は続く、と言うかミコトさんが出すカラスを俺がひたすら斬って避けているだけだが。それよりも気になったのが巫女服とお札、そして能力の時にかすかに感じる神の力。
「なぁ、もしかしてミコトさん。転移者か?」
「なぜそう思うのですか?」
「いや、この世界で式神使いは珍しい、それにその服魔法でいろいろ備わっているが、日本のものとよく似ている」
「へぇ、日本に詳しいんですね」
「俺の友達に転移者がいてな、そいつに教えてもらった」
まぁ実際は俺が転生者で日本の記憶があるからなのだが。それよりも去年の名誉ある戦いにミコトさんが参加してない理由がわかった気がする。これだけの力があれば転移者だと気づく人もいるはず、それを隠すために参加しなかったのだろう。
興味深い相手だが、俺はここで決着を着ける事にした。
「私の式神は〔鴉〕以外もるんですよ!」
そう言って、別の札を取り出そうとする。だがそうはさせない。
俺はミコトさんが札を取り出すよりも早く動き、木剣をミコトさんの首に当てた。
「俺との相性は、悪いみたいですね」
「,,,私の負けです」
こうして、俺はイリトヒラでの模擬戦を見事収めるのだった。
ミコト「これがシオン君ですか」
リカルド「予想以上に、化け物だ」