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原初の魔王の正体

いつも観覧いただきありがとうございます。

お知らせです。突然ではありますがこの作品のタイトルを変えようと思います。

この章が終わるぐらいには変更予定です。

「シオン君、帝国城の中で」


「待ってください、アイラさん!この気配!!」


軍と軍がぶつかり合う中、俺、アイラさん、レオ、ナツメ、シキの5人は帝国内に侵入する事ができた。敵地のど真ん中にいるせいで、すでに何度か襲われてはいるがことごとく返り討ちにしている。外にかなりの戦力を割いているのか、お世辞にも強いといえる人物は居らず、俺やアイラさんが動く前にレオが1人で無双している状況だった。


帝国内の中央に存在する城が大きく揺れ動く、当然周囲にも影響が出ておりいくつかの建物は崩れ壊れていく、何かに気づいたアイラさんが俺に言おうとするが、それよりも俺はこの状況である気配を察知し、その場所に急いだ。


「ルリ!」


「シオン!」


そこにいたのは真っ白いドレスを着た〔魔王:覚醒状態〕のルリと、見慣れない格好のキャロとシャロ達だった。辺りには帝国兵の死骸が転がっており、おそらくここに来るまでに何度か戦闘をしたのがわかる。心配や再会の嬉しさ、捕まっていた事に対する不安、いろんな感情が俺の中で渦巻いたが、俺が一番にとった行動はルリを抱きしめる事だった。

突然抱きしめられたルリは若干慌てていたが、すぐに手を回し抱き返してくれる。ルリから感じる体温に今までにない安心感を覚えた。


「シオン、そろそろ恥ずかしい」


「そうか、名残惜しいがまだやる事もあるしな」


いったん離れると、ルリは恥ずかしそうに顔を赤らめていた。一番に俺達を囃し立てるアイラさんとキャロとナツメ、レオやシキはやれやれといった感じで俺とルリを見る。唯一シャロだけがシキの存在を気にしているようだった。

戦争真っ最中だというのにその雰囲気を全く感じさせない、原因は俺にあるが。


「兄さん、その人は?」


「こいつはシキ、詳しいことは後で話す」


シャロの指摘でようやく気が付いたキャロとルリはシキをまじまじ観察する。キャロに至っては自分の胸とシキの胸を交互に見ていた。


「シオン君。おふざけはここまで、帝国城に急ぎましょう」


「真っ先にふざけたのは誰ですかね?」


「なにか?」


「いえ、急ぎましょう」


正直ルリ達を安全な場所まで送ろうかと考えたが、何が起こるか分からない状況でルリ達がいてくれた方がありがたいとも思う。というかルリ達が一緒に付いていくと言ったのでここからは8人で行動することになった。


改めて、急ぎ帝国城に居る強力な気配の元に行こうとする。おそらくこの気配は原初の魔王で俺達が倒さなければいけない今回の目的。

帝国城内に強行突破で入り気配の強い地下を目指す。

ほとんど妨害を受けずに行けた地下には、男か二人と原初の魔王であると思う、黒鉄の鎧に身を包んだ存在が待ち構えていた。


「遅かったな、異種族同盟の者たち。俺が帝国の王ガナード・カーザだ」


「邪神の使い、イズミです」


「・・・」


律儀に名乗ってくれる。帝国の王と邪神の使い、この2人には原初の魔王がいる事で余裕があるのだろう。普通なら名乗らず斬りかかってくる。

そんな2人など気にも留めず、俺は原初の魔王を見つめる。原初の魔王も俺を品定めするようにじっくりと観察していた。


原初の魔王を見た瞬間から、俺は違和感を感じていた。黒鉄の鎧に身を包んだこの存在からは、確かに凄まじい気配を感じる。が、凄まじい止まりでそれ以上を感じなかった。

これぐらいの気配ならアイラさんや〔魔王:覚醒状態〕のルリからでも感じ取れるし、何より原初の魔王からは圧をほとんど感じ取れなかった。


「貴様が様々な種族を束ねたのか?」


男とも女とも取れない、まるで機械の様な声で俺に話しかけてくる原初の魔王。その問いには少し悩んだが「そうだ」と答えてみた。


「そうか、この世界は様々な種族が手を取り合える時代になったか」


原初の魔王が言ってる意図が、俺達はさっぱりわからなかった。だが原初の魔王は俺達を気にせずゆっくり動き出し、次の瞬間ガナードとイズミの頭を掴み握りつぶした。

なぜそのような行動をとったのか意味は分からない、だが俺たち全員が戦闘態勢をとった。


原初の魔王が俺達の方に振り返ると、そのまとった鎧がバタバタと重力に従い落ちていき崩れていく。まるで最初から中に何も入っていなかったかのように。


「!?」


「ほぅ、今のを止めるか」


気配なんて感じ取れなかった。だが俺のスキル〈未来予知〉で何かが攻撃する未来は見えた。素早く防御態勢を取りその一撃を受け止める、体の芯に響くような攻撃、いったい誰が?と思い正面を見ると言葉を失った。


(わらわ)の攻撃を止めるとは、完全に気配は消していたはずなのだが、まぁよい、妾は原初の魔王、メイシス・シュラウド軽く自己紹介だ」


メイシスと名乗った原初の魔王は先ほどまでと違い気配を感じ取れない。だが、今まで感じた事のない(プレッシャー)を全身で感じとれた。だけど俺達が言葉を失ったのはこの(プレッシャー)では決してない。


原初の魔王は何故か黒白のゴスロリメイド服を着た見た目が完全に幼女だったのだ。

メイシス「ゴスロリメイド服、かわいいのだ」


シオン「散々引っ張った原初の魔王が、男でなく女でしかも幼女って」

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