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帰還

この章もこれで終わりですかね。

お話はまだまだ続きます

ローガリアの首都ムーテ、ライオネル達との戦いから一週間が経とうとしていた。あの戦いの最後、突如現れた邪神の使いジェシカにレオは、刺され死ぬ寸前まで陥った。その反動か今の今までレオは眠っていた。だが今日、レオは目覚め俺とルリの目の前に現れた。その姿は今までの幼い姿を想像できない成長した獣人姿で、

レオ曰く


「目覚めたら、この姿になっていた」


だそうだ。俺達家族は初めこのレオを疑っていたが。前と何も変わらない姿を見てようやくスッキリする事ができた。


そして時は今に戻る。現在ライオネル達に呼ばれて城に俺達フォール家はやってきていた。当然ライオネル達もレオを見て驚いていたが、本質的な所を見抜いたのか、俺達よりも早く新しいレオに慣れていた。


「シオンよ、お主に頼みたいことがある」


「なんだよ、改まって」


玉座に座りながら、ライオネルは俺の目をしっかり見つめていた。この場に居るフォール家とライオネルの家族も緊張が高まった。


「リアンとレオをこの国にくれないか」


「いや!」


「お断りします」


即答であった。ライオネルは予想していたのか、その返答に驚きはしなかった。

まぁ、リアンは分かる。元々ライオネル達の子供だし追放したとは言えしっかり理由があったわけだから、脅威も去った今返して欲しいのはわかる。

だが、レオに関して疑問はある。獣人だが別にライオネル達と関係性がない。

そこで俺が聞こうとしたとき、レオはライオネル達に向かって歩いて行った。

正確にはワンの元に、


「ワン、手を出してください」


「え?うん」


言われるがまま、ワンは手を出し、レオがその手を握る。次第に2人から光があふれ出し、一瞬2人が見えなくなるほど光が強くなった。

数秒後光が消えた時、ワンの手を話し、レオは俺の元に戻ってきた。


「ライオネル王、我のスキルはワンに託しました。これで我は残る理由もなくなりましたよね?」


「あ、あぁそうだな。確かにスキルは継承されている」


そのやり取りで俺は、ハッと気が付いた。元々レオが持っていた〔獣人の姫〕はライオネル達が持つべき物、それをレオが持っている以上ここに残ってもらう必要があったのだ。

その事を俺はすっかり忘れていた。だがそのスキルを渡した以上、レオが残る意味はない。後はリアンだけなのだが、リアンは必死に俺の脚を掴み、首を振っている。


「ライオネル、リアンは戻りたくないそうだ。もう暫くは俺達が面倒を見てもいいか?」


俺の言葉が分かったのか、リアンの顔がパァーと明るいものになる。よほど嬉しかったのか俺の脚を掴むのをやめ、俺の周りをぐるぐると回った。


「わかった。これは俺の責任でもある。リアンのことよろしく頼むぞ」


「任せろ、責任を持って育てるから」


そう言いながら、俺はライオネルのほうに歩み寄り、ライオネルも立ち上がり俺の方に歩いてきた、お互いガッチリと握手して、今回の話し合いは幕を閉じた。




「シオンさん、色々とありがとうございました。また遊びに来てくださいね!」


「トゥーも、ありがとう。また何かあれば手紙とか寄こしてくれ」


ムーテを出る最後まで、トゥーは俺達を見送ってくれた。今回の旅行で色々あったが誰もかける事無く、無事に帰れるのは、いい結果といて間違いないだろう。問題はいろいろ出てしまったが。

俺達は〈転移〉でサブメラまで戻った。


「シオン、学園に行ってきなさい」


「2週間近く休んだんだから、説明してきた方がいいよ。ルリちゃんも一緒にね」


家に帰って早々、父さんと母さんから、学校に説明してくるように言われる。いくらアレスに言伝を頼んだとは言え、さすがに行かない訳にもいかない。何故ルリと2人なのかわからないが、とりあえず急いで学園に向かった。

ちなみに、妹達も付いてこうとしたが、人数が多いとややこしくなるからダメと言う事で、父さん達が止めているのを最後に目撃した。


時間はお昼過ぎ、生徒達は昼休憩に入っており、お昼を食べたり友達と談笑をしていたりする。その人ごみを掻き分け、俺とルリは教室に向かった。


「アレスいるか?」


「シオン、帰ってきたのか?!」


「シオン君!!」


教室に入るとたまたまクラスメンバー全員とフォルテ先生が集まっていた。突然の俺とルリの帰還に困惑しきっている。だがそんな事お構いなしに、アレスと先生を連れ出した。


「いつもの空き教室に到着」


「いいのシオン?皆唖然としてたよ」


いきなり現れ、颯爽と消えていく。展開の付いてこれない奴が悪い。そう自分に言い聞かせて、とりあえず魔法で、この空き教室を隔離された部屋に仕立て上げた。


「シオン君、とりあえず無事みたいでよかった」


「まぁ、僕も先生もシオン達が何かあるなんて思ってもいなかったけどね」


最初こそ驚いていたものの、先生とアレスはすんなり今の状況を飲み込み、近くの椅子に座っている。

その目は、「これまでの経緯を速く説明して」と訴えているように見えた。


「実はですね―――」


それから、俺とルリの2人で、この2週間の事を精一杯伝えて見せた。大事な部分は誤魔化しながら。

話を聞きながら先生とアレスは半分呆れ、半分感心したように聞き入ってくれた。

こうして、一時的ではあるが、俺達は日常に帰ってくることが出来たのだった。

キャロ「シオンにぃとルーちゃんばっかり2人きりはずるい!」


シャロ「私も兄さんとお出かけしたい~」


ナツメ「お兄ちゃんと...なんでもない」

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