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獣人王

今日は更新する予定はなかったんですが、書き終えたので更新します。

「やっと中に入れたな」


「そうだね」


長い馬車の旅を終え、ようやく目的地のムーテに俺達はやって来た。

ムーテは大きな壁に囲まれている都市だが、首都と言うだけあり、その大きさはサブメラに匹敵するほど大きい。周りを見ればいろんな種族の人達が存在しているが、獣人の国だからか、獣人のほうが多く見れる。


「では、盗賊の方はお願いしますね」


「本当に、お金の方はよろしいのですか?あの盗賊を壊滅させたのは、あなた達のお子さんなのに?」


「いいんです。シオン達もいらないって言ってましたから」


「わかりました。盗賊は責任を持って私達のパーティー。フローズがギルドに引き渡しますね」


父さんとランさんが途中で握手を交わしている。正直父さん達は元々かなりお金持ちだし。俺達もお小遣いはかなり貰っているので、必要性を感じなかった。一応俺含めた子供だけで話し合い結果。お金はフローズの人たちに渡す事にした。


「フローズの皆さんありがとうございました。いつか機会があれば冒険でもしましょうね」


「それは、ありがたい申し出だね。成人して冒険者になったらいつでも声をかけてね」


ここまで護衛してくれた。フローズのメンバーには色々お世話になった。感謝の気持ちとして、俺も全員に握手をしてもらった。

少し名残惜しい気はしたが、ここで俺達フォール家とランさん達そして商人は別々の道に進んだ。




「それでシオン。これからどうするか決まっているの?」


全員が休める所に移動してから。父さんが俺にこの後の予定を尋ねてくる。とりあえずトゥーと合流することを話そうと思った時、見たことある人がこちらに向かっていき。


「あんたは、たしか」


「6番隊の隊長カルガです。フォール家の皆さんお待ちしておりました。準備が出来次第、我らの王がいる城に来てください。ライオネル様がお待ちになっております」


「おい、ちょっと」


カルガはそれだけ言い残して、この場を去って行った。どうやら、すでにいる事がばれているらしい。明らかな、上からな態度に少しイラッと来るが、準備を待ってくれるという点では良心的なのかもしれない。


「シオンさん、合流が遅れて申し訳ありません。カルガに気が付き隠れてました」


「トゥーも無事でよかったよ。正直とらわれてるかと思った」


俺と親しく話すトゥーを見て、他の皆は首を傾げた。当然だここまで紹介すらしていなかったのだから。この場で改めてトゥーの紹介を皆にする。そして今までの事とこの後の事を話し合った。


今回重要な事は、3ある。


1つ、捕らわれているレオーネ姫の奪還。

2つ、ライオネルに合い、一発殴る。

3つ、リアンとレオに傷を付けないこと。


レオーネ姫の奪還は間違いなく、成功できるそう思っていた。こちらにはそれを可能と出来る人物がいるから。ただライオネルとあった場合、戦闘が起こるかは、まだ何とも言えない状況なのは確かだ。それでも自分の娘を殺そうとして妻を監禁した男を、同じ男として殴らなくてはいけないと思った。

3つ目に関しては、元々安全な場所にいてもらう予定だったが。この前の襲撃の事を考え一緒にいた方が安全と父さん達に言われ、付いてきてもらう事にした。


「よし、乗り込むか」


「シオン、私は魔王の娘として、貴方の恋人として、どんな事になろうとも、貴方と一緒にいる」


「シオンにぃ、援護は任せて欲しいわ!」


「兄さんの敵は私達の敵みたいなものだからね~」


「お兄ちゃん、無茶はダメだよ」


「主、我はあのワンと言う少女に借りを返します」


「パパにちゅいてく!」


「フィン、どうしましょう。子供達がたくましく見えるわ」


「そうだね、ミリア僕達も負けてられないな」


「皆さん、本当にありがとうございます」


1人1人、自分の思いを声に出し、自らの気持ちを鼓舞している。今の俺達はそこらの軍隊なんかより、よっぽど強い自信があった。こうして。ムーテで1番目立っている。城に入っていくのだ。


「不自然だな?」


「そうね」


城に入りあまりの違和感に俺達は困惑する。誰もいないのだ。普通城であれば番人だったり使用人だったりが、いると思っていたのだが。周囲に気配を感じない。

ある場所を除いては。


それは豪華な飾り付けがしてあり、見るからに偉い人が中にいるような扉があった。まるで俺達を誘うっているような雰囲気すら感じる。俺は全員に目配せをしてゆっくりその扉を開いた。


「待っていたぞ、フォール家の者達よ」


物凄く広い部屋の一番奥、派手な椅子に座りながら。こちらをしっかり見ている一匹のライオン。間違いなくあれが、ライオネルだと思った。

その横には、トゥーと少し似ている少女のライオン。おそらくあれが、ワンなのだろう。


そしてその椅子に繋がる通路、その横には片膝を付いて頭を下げている10匹の動物。その中で見た事あるのが5匹。隊長達だった。見た事ないのもおそらくは隊長達だろう。


獣人達は合わせて12匹、対してこちらは俺、ルリ、キャロ、シャロ、レオ、リアン、父さん、母さん、トゥーの()()だった。


「あなたが、ライオネル王ですか?」


「いかにも、この俺がライオネル・ローガリアだ」


椅子から一切動かず、距離があるのに馬鹿でかい声で喋るので、音が響く。リアンは怖がって俺の後ろに隠れている。


「そこにいるんだろ、リアン!」


「ライオネル王、脅すのはやめてください」


「ほぅ、若いのが。一回しか言わないから、よく聞いとけ。新しい姫とリアンを寄こせ、そうすればお前らは見逃してやるよ」


「リアン達をどうするのですか?」


俺が前に出て、ライオネルと会話をする。一体何が目的なのか改めて、王の口から聞こうと思っていた。ライオネルは、フン、と鼻で息を立ち上がる。


「俺は、リアンを殺して、そこの獣のスキルを奪い、俺の娘に継承させる」


その言葉を聞いた瞬間俺は鬼神刀を構え、ライオネルに向かって駆け出した。

???「私の出番はまだ先ねぇ~」



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