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魔族の2人

初手謝罪です。

見切り発射で書いたせいで、落ちが雑になってしまいました。

まぁほのぼの回と言う事で...

「・・・・・・以上が、これまでのルリ様、およびシオン様の報告になりますです」


「ベル、報告ご苦労」


サブメラにある、見た目は普通の一軒家。当然王城のような派手な外見でもなく。シオン達フォール家の住むような、富豪のような家ではない。中に住むのは高身長で少し渋めの男性。だがその正体は人間ではなく魔族。

名をアギラード。ルリを影から守るために作られた組織{ガーディアン}のトップ。


「アギラード様こちら、飲み物です。これはベルの分ね」


「ヘラもご苦労」


「ヘラありがとうです」


そして、アギラードの部下にして、実際にルリを影から見てきたのは、少し小柄で、言葉遣いが若干可愛い魔族の少年ベルと、鋭い観察眼を持ち、常に冷静に、時に甘えん坊になる魔族の少女ヘラの2人。




話は少し変わるが、王都サブメラ、その中には、基礎知識、そして冒険者に必要な知識を学べる学園。ステラ学園がある。そして現在2年のSクラスには、幾つかのカップルが存在する。化け物転生者シオンと、魔王の娘ルリ。サブメラの王子アレスとその護衛ハナ。お調子者の転移者蒼井将太と学園の生徒ではないが、精霊のリティス、だが未だにばれてないカップルも存在していた。

それがベルとヘラ。今回はそんな2人の日常の話。




「ところで2人共、この後何か予定はあったりするか?」


「え?」


「いや、特には」


報告書類を整理しながら、アギラードはベルとヘラに質問をする。2人にとって親みたいな存在でもあり上司から、まさか予定を聞かれるとは思っていもいなかった。


「そうか、2人共最近は仕事も結構任せていたからな。上司から1つ命令だ。今日はゆっくり休んでデートでもして来い。まだ昼前だ。学生らしくオシャレなカフェにでも行ってランチをして、ゆっくり楽しめ」


アギラードだけは知っている2人の関係。


ベルとヘラは元々捨て子であった。たまたま発見したのは、当時魔王アイラの部下だったアギラード。見捨てる事もできなく、その時は仕方ないと思いつつ持ち帰り子育てを始めた。

だが教育方針を間違えたのか、2人を常に一緒にいさせると、何故かその2人の間に恋愛感情が芽生えてしまった。2人に血の繋がりはない事を知っているアギラードは、その事を当時、まだ恋愛感情に気が付き始めたばかりの、ベルとヘラに教えて半ば強引に交際を始めさせた。


今でもその事を引きずっているアギラードは、たまに2人に強引にデートに行かせようとすることがある。


「心遣い、ありがとうです」


「分かりました、では行ってきますね、ベル行こう」


2人もその事を何となく察してるのか、アギラードの発言には素直に従った。そんな2人を見送るアギラードの目は優しさに染まっていた。




「ねぇ、ヘラ。どこに行きたいとか、あるです?」


「そうねぇ、あ!あそこのカフェなんかどう?」


2人仲良く腕組をしながら、いろんなお店を見て回ると、ヘラは1つのカフェを指差す。貴族とかの集まるような物凄いカフェはなく。逆に余りのも貧相というわけでもない。ベルも反対する事無く、そのお店に入る。店員さんに案内されながら、窓際の席に座った。


「ヘラ、何食べるです?」


「うーんどうしようかな?お昼にしてはちょっと早いし」


2人で1つのメニュー表を見ていると、自然とお互いの顔も近くなっていく。ふと顔を上げれば直ぐそこには恋人の顔があってそんな状況に気が付き、お互いに顔が赤くなってしまう。


「これなんて、どうです?」


「え!これを頼むの?」


ベルが指差したメニューを見て、ヘラは驚愕する。その料理は、カップル限定特大オムライス。まさに2人には、いやカップルには素敵なメニュー。

ヘラは少し迷ったが、渋々それを了承した。


「お待たせしました」


「あれ?店員さん?」


「これおかしくない?」


運ばれたものを見ながら、ベルとヘラは不自然な事に気が付く。美味しそうに作られたオムライスと一個しかないスプーン。疑問を抱いてる事に気が付き店員さんはニコニコしながら2人に教えた。


「これはですね、カップル限定商品になっているので、どちらかがスプーンで取り、もう片方の口に運んであげる。いわゆる「あ~ん」と言うやつです」


説明をした後は、後はごゆっくりと言い残しその場を去る店員さん。カップルに気を使えるできた店員さんなのだ。


この状況どうしようかと、2人とも迷っていたが、先に動いたのはベルだった。1つしかないスプーンでオムライスを取り、「あ~ん」と言いながらヘラの口元までもっていく。


ヘラも少し恥ずかしがりながら、パクッと一口。しっかり味わってはいるが、顔はますます赤くなっていく。そしてこの状況に耐え切れなくなり、ベルからスプーンを奪うと今度はヘラが食べさせてあげた。

ベルはこの空間に慣れたのか、躊躇わずに一口。とても美味しそうに食べていた。





「美味しかったです」


「なんで、ベルはあんな平気そうだったのよ」


「うーん、慣れですかね」


お店を出た後、ヘラはちょっと不服そうにしていた。だがしっかりと腕は組んでいる。ベルはヘラを宥めつつもこのデートを目いっぱい楽しんでいた。


その後もいろんな場所を見て回り。時には定番のデートスポット。時には人通りの少ない場所本当にいろんな所を見て回った。そして気が付けば時間も夕方を過ぎようとしていた。


「今日は楽しかったです」


「そうだね。アギラード様には感謝だね」


公園のベンチに座りながら、お互いに肩をくっつけあう。静かな公園で2人っきりの時間を過ごしていた。


「そろそろ、帰るです」


「そうね、帰りましょうか」


こうして、ほのぼのした1日を過ごして、同じ家に最後は恋人繋ぎをしながら2人は帰っていった。

ベル「いつものありがとうです」


ヘラ「こちらこそ、いつもありがとう」

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