表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/216

シャロ戦い方

前回の後書きで少し書きましたが、今回の章はシオン以外のキャラの短編になっています。

他のキャラは普段何してるのか、そういった日常を書くつもりです。だいたい10話ぐらい

話しは少し前に遡る。

名誉ある戦い(ドュエルグランツ)新人戦。予選を勝ち上がったキャロは1人。とある悩みを抱えていた。


「今のままじゃ、どう頑張ってもルーちゃんと、シャロちゃんに勝てないわ」


日常では、悩みなんて感じさせないように振舞っているが、キャロ自身は相当追い込まれていた。

キャロにとって対人戦とは、基本的には楽しむもの、と言う考え方をしてはいるのだが。負けたくないという意志もしっかり持ち合わせている。


ルリ、出合った頃は互いの実力も拮抗していて。どちらかが一方的に勝ち続ける事は殆どなく、模擬戦では互いに高め合う、いい好敵手(ライバル)だった。

だが夏の合宿以降、2人には明確な差が現れてしまった。それはステータスの差。死闘ナフティカ戦を経てルリは〔魔王:覚醒状態〕のスキルを獲得し、ステータスだけを見るなら半神になる前のシオンと変わらない。


シャロ、双子の妹でキャロと真逆の戦闘スタイル。魔法使いとしての実力は当然だが、実は接近戦もできたりする。もちろんキャロとシャロが真正面から戦えば、接近戦重視のキャロが勝つのは当たり前だが、そもそもシャロは接近戦に持ち込むときは〈隠密行動〉(インビジブル)を使い気配を消して、死角から不意打ちを仕掛けてくる。一度でも気配を見失うと、キャロには見つけるのが困難だった。


キャロの中で、シャロとの戦いのビジョンは見えている。当然それが通じるかは別として、ある程度の運びは決まってた。

だがルリだけは、何も考えることができなかった。今の時点ではトーナメントも決まってなのでどこで当たるかは、わかっていないが。戦えばお互い槍を使った。本気の戦闘になるのは、間違いなかった。槍での戦闘だけならキャロも引けをとらないが、ルリは魔法も一人前。身体強化系以外の魔法を使われたら、キャロに勝ち目はないと考えていた。


そこで、キャロはある事を考える。


「私も魔法が使えたら...」


そう思ったら、直ぐに行動する。そこがキャロの良い所でもある。だが魔法の問題はキャロ1人では解決できず、母ミリアに頼る事にした。


「珍しいね、キャロちゃんが私と2人で森に来たいなんて」


「どうしても、ママにお願いがあって」


「そうなの?何でも言って、キャロちゃんの力になれるなら、手伝うから」


「ありがとうママ。私ね魔法を使える様になりたいの、普通の魔法じゃなくて強力な魔法よ。だから魔物との実戦を交えつつ、ママに教えてほしいわ」


「なるほどね、それじゃ始めていきましょう」


2人の来てる森は、過去キャロとシャロがグラハム達と来た森で、決して魔物のレベルも高くない場所。ここならキャロの魔法の練習には最適だ。


「そういえば、キャロちゃんは使いたい魔法の属性とか決まってるの?」


「私〈光の審判ホーリージャッチメント〉が使いたいわ」


「うーん、〈光の審判ホーリージャッチメント〉かぁ~」


キャロの話を聞きミリアは、難しい顔をする。〈光の審判ホーリージャッチメント〉は、光属性の神級魔法。本来であれば一般の魔法使いは使う事すらできない魔法。ミリアでさえ〈光の審判ホーリージャッチメント〉を使う事はできなかった。

そんな魔法を、今まで魔法を使ってこなかった、キャロが使うのは無理に等しかった。だが決して可能性がないわけでもない。


魔法には相性が存在する。魔法使いになる前には、必ず自分と良い相性の魔法を探し、それを基準に魔法を取得していく。ミリアは基礎である。炎、水、風、土は相性はとても良いが、光と闇はそれほど良くはない。だからミリアには光属性の神級魔法を使う事はできなかった。


「キャロちゃん、まずは〈(ライト)〉を使ってみて」


「わかったわ、〈(ライト)〉」


「わぁ、凄い」


(ライト)〉は光属性の初級魔法で、発動すると、手元で光を生み出すだけの魔法だが、その光の量で相性が良いかがわかる。光属性の相性を調べるには1番適した魔法とされている。

アイラが使っても線香花火くらいの光にしかならないが、キャロが使った瞬間手元を越え、その周囲一体を明るくするぐらいの光が発生した。


「キャロちゃんなら、出来るかもしれない。でも...」


このアイラの言葉に嘘はない。可能性の段階ではあるが、経験さえ積めば、間違いなく〈光の審判ホーリージャッチメント〉を使えるようになる。だがしかしキャロは、名誉ある戦い(ドュエルグランツ)までにこの魔法を使えるようになろうとしている。時間が圧倒的に足りない。


だがミリアも1度手伝うと言った以上は、全力でキャロのサポートをすると誓った。例え本番までに間に合わなくても、必ず教えよう。そう思っていた。




そして1日、また1日と時間は過ぎていった。暇さえあればキャロは魔法の練習をして、時にはミリアと一緒に森に行き、実戦を積んだ。名誉ある戦い(ドュエルグランツ)までの日にちは残り少なかったが、1日1日をとても有意義に過ごしていった。


そして名誉ある戦い(ドュエルグランツ)本選の前日。最後の仕上げのため、2人で森に来ていた。


「いいキャロちゃん、今日は森の少し奥に行って。強力な魔物と戦ってもらう。その魔物を魔法で倒せたら。この訓練は終了よ」


「わかったわ、ママ」


索敵(サーチ)〉を発動しながら、森を進んでいく。途中の魔物は全てミリアが倒していき、キャロの魔力は本番まで温存している。


「キャロちゃん、見えたわ。【ワイバーン】よ」


2人の視線の先には、動物のような死体と、それを貪る【ワイバーン】が居た。気配を殺しているので2人の存在は未だに気が付いていない。


「じゃあ、やるねママ。〈光の審判ホーリージャッチメント〉」


完全な死角から、魔法を放つキャロ。【ワイバーン】を中心に光が広がっていき。当たり全体を光が覆った。少しして、光が消えた時には【ワイバーン】はその姿を消していた。完全に消滅したのだった。


「やっ..たわ」


喜びもつかの間、キャロはその場で倒れてしまった。魔力不足である。そんなキャロを抱えてミリアは森を脱出した。


こうしてキャロは、必死に習得した〈光の審判ホーリージャッチメント〉を使い。見事名誉ある戦い(ドュエルグランツ)では、ルリを破り優勝をしたのだった。

キャロ「ママ、ありがとう」


ミリア「どういたしまして、優勝おめでとう」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ