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楽園の王に告ぐ.  作者: sajho
第三章『英雄誕生前夜』
57/430

Intercept_02

※予告通り、次回は今日中に挙げる予定です。

Intercept_02


 ブリーフィングに訪れた冒険者レクス・ロー・コスモグラフと、その付き添いのベアトリクス・ワートスは、

ーー()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「……、……。これは、どういうことですか?」

 名乗りもせずに、初めに彼がそう聞くと、

「見ての通りだよ。良い情報があるとすれば、公国首都の避難は順調に進んでいる、ということくらいだね」

 名乗りもせずに、拠点戦術卓の最奥に座る女性騎士がそう答えた。

 拠点内部にいたのは、()()()()()()()

 薄暗いテントの中には、それ以外に近侍の一人さえも確認できない。

「……、……」

 彼女は、

 ……騎士、でいいのだろうか。とレクスは思う。

 佇まいにも、表情にも、剣を扱うような印象がまるでない。ピンクブロンドの長い髪や、色素の薄い肌などは、騎士と言うよりも魔女と言う言葉の方がずっと適切に違いない。

 奇妙に退廃的に聞こえる声、或いはぬるい湖の底のように静かな声で、彼女は、

 ――改めて、と言った。

「初めまして、レクス・ロー・コスモグラフ。それに久しぶり、ベア。私が今回の作戦指揮を任されたタミア・オルコットだ」

「先生……」

 呟いたのは傍らのベアトリクスである。

「ああ、レクス。先に言っておくとそちらとは騎士学校での関係だ」

「……そうですか。とりあえず、よろしくお願いします」

 レクスの反応は堅い。ただし緊張によるそれではなく、不審によるものである。

 その感情を、しかし声には出さないレクスの代わりに、ベアトリクスが彼の心情を代弁した。

「先生、あの。――これが、戦力ですか?」

「ああ。あとは、外に控えている兵士だね。一応エイルやティスや、その他の公国騎士にも声をかけたんだが。……しかしどうにも連中は、私への恩を忘れてしまったようだ」

 彼女、タミア・オルコットの言い回しはどうにも脱力感が強い。

 騎士では違和感があるが、教師と言うのにはしっくりくる。落ち着いた声が、不審を抱いていたレクスの胸中にさえ()()()入り込んできた。

「……いえ、先生。エイルの付いた異邦者は先ほど合流しました。ただ、爆竜信仰集団『熾天の杜』による襲撃ではぐれ、それ以降は身柄が掴めない状態です」

「なるほど? いやまったく、厄介だね。『熾天の杜』の情報はこちらでも掴んでいるんだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「――はっ?」

 沈黙を貫いていたレクスだが、そこで思わず声を上げる。

 それに対してもタミアは、あくまで鷹揚な態度で答える。

「さっきも出た名前だけどね。エイル、公国騎士エイリィン・トーラスライトからの報告が上がっていて、それで調べていたんだ」

「『赤林檎』の一件ですか?」

「ああ、レクス君にも説明は必要?」

「……いいえ」

 では、割愛しよう。と、

 彼女はそう言って、

「例の一件を動かしていたのは、どうやら『熾天の杜』で間違いない。彼女の報告に上がっていた異邦者による仮説を調べたら、見事に的中だ。近隣の街には『レードライト』が持ち込まれていたらしい。……ああいや、その辺の詳細は知らないだろうから省くとして。とにかく、黒幕は『熾天の杜』で間違いないよ」

 それから、

 と彼女は言って、――続ける。

「キナ臭い連中だからかは知らないが……。


()()()()()()()()()()()()()




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