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楽園の王に告ぐ.  作者: sajho
EX.
321/430

文書‐0401

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目録‐0401


存在水準〈解明レベル〉:W〈pre-evolut〉


アプローチ:現在、当該迷宮は活動を停止しているため、攻略の必要はありません。ただし、構造に用いられる技術及び生産物が有用である可能性が考慮されており、またそれらの解析は現時点で組合の持つ解析技術では分析が不可能であるため、組合及びスカイライナー全般の魔法技術の発展を以って当該迷宮は解析を開始されます。


説明:解明目録〈迷宮〉‐0401(以下サブスタンスと表記)は、廃棄されたプラントです。サブスタンスは[編集済み]国南西の地下20メートルの空間に存在します。サブスタンスの面積は174.26km²であり、内部には大きく分けて二つの施設が存在します。


備考:サブスタンス画像は現在格納中です。閲覧許可は当記事の閲覧許可に付随しています。


[file_0401-1 画像表示]

[file_0401-2 画像表示]

[file_0401-1-1~23 画像表示]

[file_0401-2-1~86 画像表示]



サブスタンス1は異邦文明の学習施設を模倣したと考えられる、テナント施設に似た建築物、およびそれに付随する縦150m横300m程度の広さの草木を排した庭です。サブスタンス1周囲は内側を空の模様にペイントされたドームで覆われており、ドームは当時未発見の金属合金によって形成されています。この合金は第一階層体系4レベルの術式程度の火力で破壊することが可能です。建物内部には奥行7m、間口9m、面積63㎡、天井高3m程度の部屋が33カ所存在し、内19カ所については画一的な設計で構成されています。残る14カ所については用途別に構造がデザインされています。


実例1~19

構造:画一的な内装の部屋

概要:0~30脚の机と椅子が設置されている。侵入口から左部の壁は壁面を覆うようにして、研磨剤を混ぜた黒緑色塗料で塗られた「編集済み」が設置され、侵入口右部では未知の言語で書かれた[編集済み]が複数枚張り出されている。

備考:[編集済み]の翻訳に成功。内容は以下[編集済み]


実例20~32

構造:[編集済み]

概要:[編集済み]

備考:軽度クリアランス希求により情報が隔離されています。閲覧には異邦文化接触許可が必要となります。


実例33

構造:[編集済み]

概要:[編集済み]

備考:成人ヒト種の死体一体を発見しました。画像は現在格納中です。閲覧許可は当記事の閲覧許可に付随しています。


[file_0401-3 画像表示]


なお、この建築物全域において破壊耐性の付与は為されておらず、一般的な武装による破壊が容易です。また、サブスタンス1内部には人が生活していた痕跡が確認されるほか、サブスタンス1内部のほとんどの箇所で、何者かが争った形跡と大量のヒト種の血痕が確認されています。


サブスタンス2はサブスタンス1の周囲に楕円状に存在する、不明材質によって構造されるプラント施設です。フロアはサブスタンス1を中心として東西に分かれ、それらを南北に繋ぐ通路が存在し、壁面は上記不明材質によって舗装され、ドアや壁、仕切りは地上出口につながるモノ以外存在しません。サブスタンス2東部分は、[異邦文明由来のモノとは確認がとれていない不明な文字による数値が表示された計器の様なものが多数存在していますが、現段階までにその表示内容の解明は為されていません。]:更新]現在、サブスタンス2内部の全ての機器は活動を停止しています。これは、動力不足によるものであると考えられています。]


実例1~544

表示:[編集済み]

備考:表示画面画像は現在格納中です。閲覧許可は当記事の閲覧許可に付随しています。


[file_0401-4-1~544 画像表示]


サブスタンス2西部分は、魔術に依存しない異邦文明下での非魔力性ゴーレムの生産工場に近い構造形態によって成ると考えられている活動停止状況の生産プラントです。ここで生産されていたと考えられるのは「n/a」であり、アダプターから生産活動の復旧作業が求められていますが、サブスタンス内で用いられている技術があまりに高度であることから全ての分析作業は現在までに結果を得られていません。また、サブスタンス2西部には、前述サブスタンス1を覆うドームにもたれかかるような姿勢で絶命した、正体不明のエネミーの死骸が存在します(サブスタンス2-aと呼称)。


サブスタンス2-aは肥満の巨人種エネミーの様な見た目をした単眼ヒト型種です。全長は12m程度で重量は120kg。体積の多くが魔力性ダークマターによって構成されており、それらは皮下脂肪のように蓄積されています。また、構成成分のほとんどが魔力性ダークマターであることを理由に解剖は現時点では不可能です。


備考:画像は現在格納中です。閲覧許可は当記事の閲覧許可に付随しています。


[file_0401-5 画像表示]


探索記録‐日付[編集済み]

目的:初期探索

攻略方法:探索部隊Q-z1「アルコーン」、レベルC装備

結果:活動停止の確認。サブスタンス2-aの発見、回収。

備考:サブスタンス2-aの解剖分析は最終探索後に行われることを調査責任者が求め、承認されました。


探索記録‐日付[編集済み]

目標:有用文明・技術採取

攻略方法:分析部隊F-4「ホビットⅡ」、レベル1装備

結果:任務不達成。

備考:使用言語、技術の解析率は任務不達成確認までに0%でした。また、当時の調査責任者は任務不達成理由を人員、装備の練度不足と報告しています。


補遺:サブスタンス2内に確認される言語、文明、技術には特筆すべきものがありませんでした。


探索記録‐日付[編集済み]

目標:有用文明・技術採取

攻略方法:分析部隊F-2「ジーニー」。レベル4装備

結果:任務不達成。

分析:使用言語、技術の解析率は任務不達成確認までに0%でした。また、当時の調査責任者は任務不達成理由を、組合における人員、装備の練度不足と報告し、調査継続は現段階では無意味であると進言しています。


探索記録-日付[編集済み]

目標:最終探索

攻略方法:探索部隊D-20「ヒルコ」、レベル1装備

結果:分析可能である全ての資料、器具、建材サンプルの回収を完了しました。


補遺:サブスタンス2内部の資料を分析した結果、一部組成にサブスタンス1の技術が使用されている可能性が浮上し、分析部隊B-8「ベッカーマン」へ分析依頼が提出されました。


分析記録-日付[編集済み]

対象:サブスタンス2で発見された、サブスタンス1の技術が使用される資料

目的:技術解析

攻略方法:分析部隊B-8「ベッカーマン」

結果:サブスタンス1を構成する全ての資料、器具、建材にはサブスタンス1の技術が使用されていることが分かりました。サブスタンス1の分析調査は凍結されました。


分析記録-日付[編集済み]

目標:サブスタンス2-a

目的:危険性の確認

攻略方法:分析部隊B-2「スターマン」、レベル4設備

結果:サブスタンス2-aの体積の95%に対して魔力性ダークマター確定が為され、サブスタンス2-aに対する全ての解剖分析、実験は凍結されました。目的であるサブスタンス2-aの危険性の有無については、分析完了時点で不明です。



補遺:1

指定H級エネミー「十字葬列のアルペジオ」について、当該迷宮との関連可能性が示唆されました。下記を参照してください。



インタビュー記録-1

対象:[データ格納済み]

インタビュアー:[編集済み]

付記:インタビュー対象者は情報提供者です。



<録音開始、



インタビュアー:では、あなたが提供してくださった情報について、もう一度教えてくださいますか?


対象:アルペジオと話したときにな、アイツが金に困ってるって言うんで相談に乗ってやったんだ。珍しいモノでも持ってるんなら買ってやろうかってな。その時にアイツが見せてきたもんが、どれもこれもよくわからない道具でな。値打ちが分からねえから判断のしようがないって伝えたら、道具の出自を聞かせてくれたんだよ。


インタビュアー:(対象が所持する、サブスタンス2に技術的関連性があるとみられる機材をテーブルの上に取り出す)これを、アルペジオはどこで入手したと?


対象:[編集済み]だとよ。先史文明の遺物なんじゃねえかなんて曖昧に言ってやがったんだが、とりあえず即金が欲しいんだっていうんでその場で買ったんだ。こういうモンってのはテッポーと一緒で、ニーズはあるとこにはあるからな。歴史的価値なんぞが確認できなくても最悪そっちにアプローチすれば赤字にはならないだろう、……くらいの値段で買った。ただ、それがもう何年も前のことでな、まだ在庫が残ってやがる。トンだモン掴まされたよ。


インタビュアー:それは、どういった理由から?


対象:これ(機材を持ち上げて)……ここだ、この部分。魔力もなしにな、訳分からん文字列みたいなモンが表示されてたんだ。ここがモニターになってるってことだな。なんだけどよ、俺が買ってから3日も建たずにぶっ壊れやがった。モニターが付かなくなったんだよ。で、魔力で動いてるわけでもないから直し方も分からない。……しかも、歴史モンに詳しいヤツに見てもらったんだが、価値があるのか分からない、なんて言われたんだよ。価値がない、じゃなくて分からないって。


インタビュアー:分かりました。では、アルペジオがサブスタンスで何をしていたのか、何か聞いていれば教えてください。


対象:何って、放浪してて立ち寄っただけだとよ。


インタビュアー:では、アルペジオからは他にも、放浪中に見つけた珍しい品などの買取を依頼されたのですか?


対象:ああ、[編集済み]の交易品だったり、[編集済み]に出る魔物の素材だったりな。ただ、アイツは荷馬車なんかがあったわけでもなくて、交易品は小さくて高いような宝石なんかばっかりだったんだが、どうやって手に入れたのか、証明書がなくて買えたモンじゃなかった。魔物の素材も処理が雑で二束三文にもならんような有様だったがな。


インタビュアー:では[編集済み]地方のモノは?


対象:? なかったが。



(補填:対象の発言した地域は、サブスタンスの座標から[編集済み]の方角につながる一般的な行商ルートの経由地であり、インタビュアーが質問した地域はサブスタンスの座標から、逆の方角に当たる地域である。予測できる行商ルートの経由地とアルペジオの所持品から、アルペジオはサブスタンスを起点にして[編集済み]方向に進行していたことが予想できる)



インタビュアー:分かりました。では、アルペジオがそれを入手したとされる迷宮についてお聞きします。あなたは、その迷宮をご存じですか?


対象:いや。……さらに言えば、調べてもみたが正体不明だ。依頼ってほどの事じゃないんだが、そっちの地域に行くって言う冒険者についでに見てきてほしいって話を投げてみたこともあったんだよ。だけど全然見つからないんだよ。



(補填:対象の言う、探索を依頼した冒険者は組合の事例にて確認済み。[編集済み]年前に秘匿範囲区域に接近した冒険者を認識素術式型隠蔽設備によって排除している)



対象:で、あんまり調査にカネをかけると原価がさすがに割れちまうってことでしばらく前に諦めた。ってなわけなんで、アンタらが全部買い取ってくれるってんなら非常にありがたいね。俺の情報提供は、満足してくれたか?


インタビュアー:ええ。情報は有用でしたので、ぜひそちらは全て、先に決定した料金で買い取らせてください。


対象:ありがたい。それで、ほかに聞きたいことはあるか?


インタビュアー:では最後に。あなたは今でも、アルペジオと接触することは可能でしょうか?


対象:いや、そればっかりは無理だ。すまないが。


インタビュアー:分かりました。また何かあれば、ぜひ力をお貸しいただければ幸いです。


対象:おう。値段分のアフターサービスはするさ。



<録音終了。




















《以下の内容を閲覧するにはクリアランス‐NoLが必要です。











 /認証を確認中.

 error.





















 /break.. 》

















以上から、組合はアルペジオへの接触を試み、成功しました。


インタビュー記録-2

対象:H級ネームドエネミー「十字葬列のアルペジオ」

インタビュアー:L-4研究員リーアス・フーロイグ

付記:インタビュアー、L-4研究員リーアス・フーロイグはインタビュー記録-1の担当研究員です。なお、L-4研究員リーアス・フーロイグは現在死亡しています。



補填:対象の映像及び音声は呪詛性の常時付帯魔力により完全にノイズ化しています。また、対象の持つ状態呪詛の影響を理由として、対象の発言内容は意図的に編集されていません。




<録音開始、


インタビュアー:では、録音を開始します。まずは、あなたが最初にサブスタンスに接触した状況を教えてください。


対象:(ノイズ_38秒)


インタビュアー:では、あなたは最初から――、


対象:(ノイズ_41秒)


インタビュアー:……失礼しました。しかし、それではこちらが求めるログを残すことが出来ません。許可をいただけませんか?


対象:(ノイズ_5秒)


インタビュアー:分かりました。では、あなたの仰る通りにさせていただきます、アルペジオ。


対象:(ノイズ_16秒)


インタビュアー:はい。ではこちらの確認をお願いいたします。こちらは、あなたが[編集済み]氏に売却したもので間違いありませんか?


対象:(ノイズ_10秒)


インタビュアー:それで間違いありません。あなたは、サブスタンスの探索を行ったのですか?


対象:(ノイズ_21秒)


インタビュアー:それは、……事前にお話しいただいていない情報ですね。ご提供いただけるのですか?


対象:(ノイズ_8秒)


インタビュアー:こちらに可能な限りのことは、させていただきます。



以上のインタビューにより、アルペジオからサブスタンス1内及び2内で取得した手記の提供を受けました(以下サブスタンス3と記載)。サブスタンス3は縦22㎝、横10㎝、厚さ5mmの、合成皮性の装丁が為された手記の様なものです。またその内容には、1頁目から5頁目にかけてのみ記載があり、それ以降は空白になっています。


サブスタンス3_内容


サブスタンス3‐1頁目

内容:ルール1 あなたたちには役職が与えられます。役職ごとに、あなたたちには権能が与えられます。


サブスタンス3‐2頁目

内容:ルール2 二日目 あなたたちのための食糧は、およそ7日ごとに配給されます。


サブスタンス3‐3頁目

内容:ルール3 三日目 あなたたちは、自分の為すべきことを見つける必要があります。


サブスタンス3‐4頁目

内容:ルール4 十日目 最初の殺人が確認されました。24時間後に次のルールが開示されます。


サブスタンス3‐5頁目

内容:ルール5 ルール2及びルール3は虚偽です。これ以降のルール告知はありません。お疲れさまでした。



補填:以上の内容は既知の異邦文化において使用される言語に一致しています、



以上の内容を確認した後、アルペジオへのインタビューが再開されました。



〈録音開始。



インタビュアー:あなたからいただいた情報の解析を完了しました。あなた方がサブスタンス内部で行っていた行為は……


対象:(ノイズ_10秒)


インタビュアー:失礼しました。しかしながら、私たちにはあの施設内部で行われていた行為の解析を行う必要があります。力を貸していただけませんか?


対象:(ノイズ_22秒)


インタビュアー:そういうわけにはいきません。


対象:(ノイズ_16秒)


インタビュアー:(少し笑って)……ええ。この食事屋はあなたが指定した場所です。お好きなように過ごして頂いて構いません。……あなたは指定エネミーですが、ジョークの分かる人だ。だからこそ、ぜひとも私どもに――



<録音休止..



(報告:正体不明のノイズによって録音魔術のオーバーフロウが発生していました。これは5分11秒継続し、その後録音はインタビュアーの操作によって復帰しました)



<録音再開。



インタビュアー:失礼。こちらのミスがあったようです。


対象:(ノイズ_3秒)


インタビュアー:ええ。……では、続きを聞かせてください。役職と言うのは、どういう意味なのでしょうか?


対象:(ノイズ_56秒)


インタビュアー:なるほど。その[編集済み]というものをあなたはお持ちでしょうか?


対象:(ノイズ_11秒)


インタビュアー:ぜひ、ご提供いただけませんか?


対象:(ノイズ_9秒)


インタビュアー:ええ。こちらの言い回しの問題でした。損壊することはありません。間違いなくお返しいたします。



(捕捉:以下、アルペジオから提供を受けた[編集済み]の内容です。



 [編集済み]


 1頁目:役職_ガーデナー


 庭師。使用条件を満たした場合、技術値に補正。また『剪定』技能の使用権限を獲得〈Ⅰ〉_成長率18%


 付属効果:なし

 使用条件:自陣判定の『庭』への任意使用。


 2~6頁:サブスタンス3_内容と同一 )



インタビュアー:これは、どういう?


対象:(ノイズ_11秒)


インタビュアー:もう一度伺いますが、役職というのはどういう意味なのでしょうか?


対象:(ノイズ_55秒)


インタビュアー:拝見します。



(インタビュアーが対象から手記を受け取る)



インタビュアー:これを借りることは可能でしょうか?


対象:(ノイズ_6秒)


インタビュアー:分かりました。では、この場で確認させていただきます。……まず、風紀委員が発足したのですね?


対象:(ノイズ_8秒)


インタビュアー:では、二日目に起きたのがこちらの内容でしょうか?


対象:(ノイズ_43秒)


インタビュアー:いえ、確認はさせていただきます。二日目に花火師が派閥を作り、……三日目から五日目までは著者の状況への所感が記録されていますね。この、二日目の唸り声と言うのは?


対象:(ノイズ_112秒)


インタビュアー:では、あくまで仮称ですが、この場ではひとまず心キマイラとさせていただきます。


対象:(ノイズ_11秒)


インタビュアー:心を混ぜた生物、という解釈を致しました。それが、サブスタンス2-aなのですか?


対象:(ノイズ_43秒)


インタビュアー:ええ。理解できました。あの工場は、それを生み出すためのプラントとだったと?


対象:(ノイズ_30秒)


インタビュアー:理解しました。それを、私たちの世界ではレガリア=エネルギーと呼称しています。


対象:(ノイズ_19秒)


インタビュアー:では、あくまで目的はキマイラの方で、レガリア=エネルギーは副産物でしかないと? ……では、その心キマイラを製造していた理由は分かりますか?


対象:(ノイズ_78秒)


インタビュアー:そうですか。……後ほど確認させていただきます。



(補足:このインタビューの後、インタビュアーは対象から記憶描画性魔力像を入手しています。以下、内容。



[n/a]


 この生産プラントを発見したあなたへ

 当生産プラントはあなたにとって有用なものではありません。当生産プラントはヒトの感情の実験施設であり、その融合臨界値を確認するために存在するものです。ただし、この実験結果はあなたには理解できない文字で記録されています。

 あなたは即時、このプラントの探索を放棄してください。ご協力に感謝します。さようなら


 この生産プラントから離脱したあなたへ

 当生産プラントはあなたにとって有用なものではありません。当生産プラントはヒトの感情の実験施設であり、その融合臨界値を確認するために存在するものです。ただし、この実験結果はあなたには理解できない文字で記録されています。

 あなたは即時、自殺してください。ご協力に感謝します。さようなら


 この生産プラントが活動を停止しているのを確認した場合

 研究は完成、ないし凍結されています。可能であれば、当生産プラントを破棄してください。


 yes → ご協力に感謝します。さようなら

 no → さようなら)



補填:上記画像は、組合の探索時点では破壊されたサブスタンス2内部の端末に表示されたものであることが確認されました。



インタビュアー:では、この手記について確認させてください。この、最初の殺人と言うのは?


対象:(ノイズ_31秒)


インタビュアー:ほかに、大人は存在しなかったのですか?


対象:(ノイズ_151秒)


インタビュアー:分かりました。……その最初の死亡者が自殺であったにも関わらず、殺人によって開示されたらしいこのルールは、五日後に確認されたのですか?


対象:(ノイズ_33秒)


インタビュアー:では、それ以前に死体自体が確認されたことは?


対象:(ノイズ_11秒)


インタビュアー:分かりました。この、最後のルールの告知から一週間ほどで、内容人員は全滅したのですね。


対象:(ノイズ_57秒)


インタビュアー:パワーバランスが明確だったと。……失礼ですが、この庭師の役職をお持ちの方は?


対象:(ノイズ_9秒)


インタビュアー:いいえ。……では、あなたの役職は?


対象:(ノイズ_3秒)


インタビュアー:……葬儀屋?


対象:(ノイズ_100000000000^9999999999秒)


インタビュアー:すみませんでした。失礼いたしました。失礼いたしました。大変申し訳ありません。


対象:おい


インタビュアー:あなたの言葉を反芻しません。あなたの言葉を反芻しないお約束でした。大変な失礼をいたしました。あなたが指定したルールを私は破りました。申し開きもございません。私は無能でした。どうか、ご容赦ください。


対象:それはいい。もういいよ。それよりだ。


インタビュアー:はい。


対象:もしかして、もうノイズが聞こえていないんじゃないのか?


インタビュアー:はい?


対象:じゃあ、残念だったな。……まあ、自分を呪え。



〈録音途絶。

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