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かくして、主人公たちは「誓い」を刻み終えた。
とあるヒトは、ありとあらゆる試練から逃げぬことを決めた。
少女は、その旅路の果てのハッピーエンドを、その手で掴むと強く誓った。
とある王は、逃れられぬ試練に戦いを挑むことを決めた。
決して誰もが望まぬ諍いを、その手の剣で切り裂くことを誓った。
彼ら彼女らの背には、数多の英雄がその名を連ねる。最後の戦争の兆しは終わり、世界は今、英雄どもが剣を向け合う『楽園なき戦争』へと踏み出した。
――その日、
世界の中心にて。
とある少女は、その身にまみれた宿命を払うため、
とある少女は、埃にまみれた宿命の輝きを取り戻すために、
世界の『表舞台』に立ち、そして、
――『戦争』が、始まった。




