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ゲーム部 活動日記  作者: 相楽 瑠波
7/13

今後の目標

「おはよー。」


今日も今日とで放課後ゲーム部に訪れる。

まあ、とはいっても昨日の今日でここに来るのは三回目なんだけどネ…。


星「お、竹中、平野、はよー。」


雪「いや、おはようの時間帯じゃないし、さっき昼休みにあったし。」


一「じゃあ、ハロー!」


星「発音が違う、Helloだよ。」


睦「その微妙な違いはどうでもいいよ。」


いつもと変わらないように見えるこの光景だが、一人足りないのに気が付く。


「あれ、瀬戸は?教室にいなかったから、先に来てるもんだと思ってたんだけど…。」


雷「ああ、ハルちゃんはね、生徒会に部費をもらいに行ってるんだよ。」


部費?そういえば、昼休みに放送で言ってたような…。


将「あいつ、大丈夫かなー。」


一「あれ?赤木さん、瀬戸がそんなに心配ですかい?」


将「ちがっ、そんなんじゃなくて。あいつ、そこまでくじ運ないじゃん。だから、竹中に行ってもらいたかったなーって。」


雪「ハルは普通だと思うよ。竹中が異常なだけで…。あ、あと、雷花がすっごい目でにらんでるから気を付けた方がいいよ。」


雷「…ハルちゃんを馬鹿にするのは許サナイ(ボソッ」


今にも飛び掛かりそうな黒井を白波に任せて、浮かんだ疑問をほかの奴らに聞いてみる。


「あのさ、部費に運って関係あるの?」


星「ああ、そうか。竹中は知らないか。まず…。そうだな、今の生徒会長を知ってるか?」


よくは知らないが、顔は何度か見たことがある。


星「あいつ、俺たちと同級生なんだ。」


へー、そうなんだ。…え、同級生?


「マジ?」


星「マジマジ。それで、あいつが選挙の時にした公約の一つに、部活費をくじによって決めますってのがあって。」


睦「そうそう。でも、一応最低額と最高額があるんだけどね。」


星「だから、運が良ければ例年よりも多くもらえる。運が悪ければ、少なくなる。」


一「俺らの部活は、そんなに影響はないけど、運動部とかは少なくなると、部員の出費が多くなるらしいよ。」


「じゃあ、少ない部活が増えたら予算が減るじゃん。それはどうするの?」


星「なんか、学校をよくするために使うとか言ってたけど、具体的なことは知らない。」


睦「でもさ、生徒総会とかもいつも『お金がないのでできません。』とか言ってんじゃん。だから、そういうのに使うんじゃない?」


一「まあ、一番よくわかんないのはあいつが生徒会長に選ばれたことだよな。」


「「「それな。」」」


え?


春「やっほー。みんなひどいよね、私が入ってきた時誰も何にも言ってくれないんだもん。

このまま、かえってもやもやしたまんまにしてやろうと思ったわ。」


星「別にいいよ、やれば?電話嫌ってほどかけてやるから。」


春「それ、ストーカーだわ。あと、雷花、そろそろやめようね。」


雷「はーい。ハルちゃんの言うことには従いまーす!」


睦「それで、結局?どうだったの?」


春「どうだったと思う?」


将&星「「最低額」」


春「お前ら、人を馬鹿にするのもいい加減にしようね。(#^.^#)」


一「で?焦らさないで教えて。」


瀬戸が顔の前で一枚の紙を広げた。


えーっと、いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…


星「えーっと、これ、見方わかんない。」


春「頭大丈夫?三十六万って数字読める?」


将「だから!なんでそんなに多いのかがわかんないんだよ!」


春「私だって詳しくは知らないよ!表示されてた最高額がこれだったんだから。」


最高額?え、それって…。


「「「お前…!」」」


春「えへへ、頑張ったでしょ?」


雷「ハルちゃん、好き!(ギュッ」


百合百合している二人はほおっておいて、あとの全員で紙をしっかりと確かめる。

しかし、何度見ても数字は変わらない。


星「俺、確認してくるわ。」


将「あ、俺も行く!」


雪「あいつら本当にホモかよ。」


白波がボソッとなんか言ってたけど、俺は何も聞いてない。うん、聞こえてない。


春「よし、藤谷、全力でドアを押さえろ!」


一「ラジャ!」


あーあ、俺は知らない。


春「でね、今度の活動内容を決める会議をしようと思います!」


「…いないけど、いいの?」


睦「どうせいても、あの二人は決まってるから、あんま関係ないし…。」


雪「はい!部長!今年度は何をするんですか?」


春「えっと、今年度もそれぞれ大会に出ます。リストがあるから、これで自分の出たいやつを決めておいて。そうすれば、あいつらも、帰ってくるでしょ。」


大会か…。何のゲームだったら俺に向いてんのかな。


「なあ、瀬戸。俺は何がいいと思う?」


春「え?そうだな、一応格ゲーの大会もあるし、竹中なら運ゲーも行けると思うよ。参加費云々は気にしなくていいから、予定が合うのは出てみてもいいと思うよ。」


睦「はい!平日、学校を休んで大会に出てもいいですか?」


「「「だめです!」」」


星「だだいま。どうした?」


雪「いや、平野が学校休んで大会に出てもいいかって言ってたから。」


星「本当に、ニートになりそうだよな。」


睦「失礼な!」


将「で、結局聞いてきたところ、それで間違いないって。」


星「ちなみに、不正もないってよ。」


春「あるわけないよね(ニコッ」


本当にめっちゃくちゃ疑ってたんだな。


「じゃあ、全員で会議しますか。」


春「みんなにも言ったけど、そこに大会のリストがあるから見といて。といっても、どうせ二人は音ゲ―なんだろうけど…。」


星「まあそうだけど、その中でもどれに出るかだよな。」


将「俺は、去年と同じかな。」


星「こういう大きい大会に出るのもいいけど、闘○議とか各ゲーム主催のイベント内の大会に出るのもいいんじゃん?」


春「まあ、その辺はのちのち決めればいいよ。」


雷「…あの、私は…。」


春「あ、雷花は全体で出るやつ以外になにもないなら、無理しなくていいよ。」


雷花の得意ゲームは確か、恋愛ゲームだっけ?

大会とかなさそうだもんな。


「個人だけじゃないの?」


睦「うん。一応、全員で出るものも作ろうって。」


一「今年はなににするの?」


春「一番楽なのは、スプラト〇ーンとかマリ〇カートとかなんだけど…。」


星「そうなるとやっぱり闘会〇に行けばいいってことか。」


雪「単純に考えたらそうだけど、それじゃ学校に報告できるものが少なくなるよ。」


一「でも、一応あいつらが将棋・チェスあたりで活躍してきてくれるんだろ?」


春「そうだけど…。あ、そうだ。ちょっと待ってて。」


そういって瀬戸はパソコンを立ち上げ、メールを開いた。


春「確か、この辺に…。あった!ほら、これ見て!」


そこには企業のお偉いさんであろう人物から、ゲーム大会の開催&主催をお願いする内容がかいてあった。


将「お前さ、こういう大事なことはもう少し早めに言ってくれない?」


春「あ、サー↑セン↓。でもですね、今日忙しかったんですよ!」


睦「でも、これ開催したらそれなりにお金かかるよね?部費で足りる?」


春「多分それは大丈夫だと思う。この人、任〇堂の企画部の人だから。」


へえー、そうなんだー。…え?


雪「あー、じゃあ使用代を払う必要はないかもねー。」


春「あとは、参加者から参加費をいくらかもらればいいんだけどねー。」


「ごめん、当たり前のように言ってるけど、お前ら、マジで何者?」


雷「…ただの、腐女子(ボソッ」


「「「www」」」


一「といいつつ、黒井さんは日本中で有名な恋愛ゲーマーじゃないですか。」


春「まあ、いろんなオタの集まりだよ、ここは。」


いや、それにしたってすごすぎでしょ。俺の中の常識覆されたよ。


「俺、浮いてるんだけど…。」


睦「いや、そんなことないよ?竹中は、俺らの持ってない強運を持ってるから。」


春「そうそう。意外とアナログゲームとかって運が関係してくるものが多いから、この中でも目立ってるよ?」


星「あと、格ゲーが得意な奴ってこの中にいないからな…。」


春「そう。格ゲーって世界で一番注目されてるから、大きい大会もあるし、私たちの中でも挑戦してみようと思っていたところだったし。」


「それだったら、よかった…。」


春「ということで、竹中は世界大会にいけるように頑張るということで…!」


「いや、無理だから…!」


星「じゃあ、お開きにしますか。」


「お前らな…。」


「「「はーい」」」



***********


「おにーちゃん、お帰り!」


「ただいま。」


ののは俺がどんなに遅くても、いつも玄関で待っててくれる。

ずっと玄関先にいるってことはないんだろうけど、好いてくれてるって感じがしてうれしい。


「お兄ちゃん、今日のご飯なに?」


「そうだな。オムライスにでもするか?」


「わーい!じゃ、お兄ちゃん早く着替えてきてね。私、準備してるから!」


もう、小学5年生のはずなのに、まだまだ幼いな。

なんてのんきなことを考えていたから、”のの”の心の闇に気づくことができなかったんだろう。



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