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プロローグ とある王国の伝説
昔々、この国はとても貧しく多くの国民が苦しんでいました。
人は飢え、その為の争いも絶えず国は悲しみに包まれていたのです。
それを嘆いた少女が一人、少女はこの国の王女で救いを求めて日々精霊に祈りを捧げ続けました。
そんなある日王女の慈愛の心が通じたのか一体の精霊が姿を現します。
王女は精霊へ国の窮状を訴え、どうにか救ってもらえないかと何度も頼み込みました。
精霊が人の世に関わりを持つ事は本来許されるものではなく、しかし王女の訴えを無下には出来ないとある方法を提案したのです。
精霊は王女に自身の魔力を分け与え、その力で国を救えばよいと。
精霊の持つ魔力は凄まじくたちまち大地は蘇り飢えに悩む事は二度とありませんでした。
国民は王女を【精霊の寵愛を授かりし聖女】と称え、以後王家には精霊の魔力を持った娘が産まれるようになり今日も【聖女】と称され日々国の為に祈りを捧げているのです……
童話:くにのなりたちとせいじょさま より抜粋