こんな仕事辞めてやる
くっそ、俺はまだ死にたくねえ。
だってのに、なんでこんな事件が起こるんだよ。
「最悪だ、警察官なんて今日で辞めてやる」
「君に辞めてもらっては困りますねぇ、機動隊のエースである君に」
「嘘つけ、俺がエースならあんたは何なんだよ」
何がエースだ怪物め、俺は訓練で一度もあんたに勝てたことはないぞ。
「私はジョーカーでしょうかねぇ」
そして自分の強さを分かっていやがるもんだから、さらに手に負えねえ。
「なんでにらんでいるのでしょうか?」
「うがー! やっぱりあんたとは気が合わねえ、ムカつく!!」
「おい、お前たちいつまでじゃれあっている」
しまった、隊長に怒られちまった。
「これからお前たちは何をしに行くんだ?」
「仕事です」
「そうだ、仕事だ。それも、人の命がかかっているものだ。それなのに、お前たちはそんな弛んだ気持ちでいるのか? もし、そのままでいるならばお前たちは」
死ぬことになるぞ。
隊長のその言葉はとても重く感じられた。
「すみませんでした、隊長。もっと気を引き締めるべきでした」
「分かったならばそれでいい。そして、現場についたようだ。作戦は大丈夫だな」
「はい!」
「絶対に生きて帰るぞ。突入だ」
隊長の号令を聞いて、腕に盾の重さを感じながら、俺は建物に突入した。
「なんじゃこりゃあ!!!」
はっ?
えっ?
何が起きてるんだ?
子供が一撃殴っただけで大人が吹き飛んでいきやがった。
「なんだあのガキは!?」
「隊長……生きて帰れそうですね」
「アハハハハ、最近の子供は元気がいいみたいだな、人が吹き飛んでいってるぞアハハ」
「隊長!? しっかりしてください! 隊長! 隊長!」
もういやだ、命を危険にさらしたり、ワケわかんないことが起きたり。
「こんな仕事辞めてやる!」