キャシーちゃんが泊まりに来たようです。
私、平地 茉莉には自慢の友達がいるんだ。
その子の名前は、えっと、うーん、キャサリン・ロードなんとか……長すぎて忘れてしまうのでいつも「キャシーちゃん」って呼んでるよ。
キャシーちゃんは異世界の国のお姫様でとっても可愛くて髪はブロンドで瞳は碧色なんだよ、すごいでしょ。
そんなキャシーちゃんが騎士さん達と一緒に昨日から、うちに泊まりに来てるんだ。
昨日、私はキャシーちゃん達に家を案内したんだ。
私の家はだいたいドーム球場3つ分と同じくらいの敷地に、家族一人に一棟ずつとメインの、全部で5棟建物があって、それぞれ地下5階から10階まであるから、1日でメインの棟しか案内出来なかった、残念。
私が、10階を案内し終えたときにお兄ちゃんがワープしてきて夕食の準備が終わったことを伝えにきたんだよね。
騎士さん達を見るとビックリしてる人を発見。
あれ、行きもワープで来たのになんで驚いてたんだろう?
キャシーちゃん達をダイニングにつれていくと、とっても良いにおいがした。
夕食はお兄ちゃんが素潜りでとってきたマグロや天然物のキャビア、フカヒレなど海の幸で一杯ですごく美味しかった。
キャシーちゃんや騎士さん達も喜んでいたので嬉しい、やっぱりお兄ちゃんは自慢のお兄ちゃんだ。
もちろん、料理を作ったお母さんも私の自慢です。
ちなみに、今日の朝食はお兄ちゃんが散歩帰りに山でとってきたトリュフや熊肉だった。
さて、今日はキャシーちゃんと何をしようかな?
昨日の続きでも良いけど、それだけじゃつまらないし。
そうだ、キャシーちゃんに聞いてみよう。
「キャシーちゃん、今日は何をしたい?」
「私は、茉莉さんのお兄様のことをもっと知りたいです」
なんとなく予想はついていたけど、やっぱりか。
お兄ちゃんが魔王を倒してあげてから、ずっとお兄ちゃんのことを知りたがってるもんな。
キャシーちゃん、お兄ちゃんのことが好きなんじゃないかな?
「キャシーちゃんはお兄ちゃんが大好きだね」
「ええっ、えっと、その、あの、好きといいますか、茉莉さんのお兄様のことを考えると、胸の奥が苦しくなるといいますかえーっと」
「それは、ずばり恋だね!」
うん、図星だったみたい。
キャシーちゃんの顔が真っ赤だ。
まあ、キャシーちゃんにならお兄ちゃんをあげてもいいかなって思ってるし、キャシーちゃんの恋を応援しよう。
じゃあ、お兄ちゃんコレクションが置いてあるコレクションルームへ行きますか。
コレクションルームに到着して、色々と漁っていると、お兄ちゃんの昔の写真がたくさん出てきた。
地震を足踏みで相殺して消したときの写真や火砕流を息で跳ね返したときの写真もあった。
「さすが茉莉さんのお兄様です」
「えー、でもこれぐらいなら私のお父さんもできるよ」
「一家で人を越えてるんですか!?」
そんなとき、1枚のプリントが出てきた。
それは、どうもお兄ちゃんの小学1年生のときのものらしい。
キャシーと二人でならんで読んで、こんな可愛らしい時期がお兄ちゃんにもあったんだなーって、二人で笑いあった。
『きょうは、おかあさんと、まりと、ぎんこうにいきました。
おかあさんは、おかねを、おろしにいくと、いってました。
おかねを、だいこんみたいに、おろすのは、かたいのだったり、ぺらぺらしてるのが、あるから、むずかしいんだと、おもいます。
だから、いえじゃなくて、ぎんこうで、おろすんだと、おもいました。
ぎんこうについて、いすに、すわっていると、くろいひとたちが、はいってきました。
くろいひとたちは、くろくて、ながいものを、おねえさんや、おじさんに、みせてました。
くろいひとが、なにかいってから、くろくて、ながいものから、おおきなおとと、ちっちゃいたまを、だしました。
そしたら、べびーかーにのってた、まりが、おどろいて、おきてしまって、ないてしまいました。
くろいひとたちのせいで、まりがないてしまったので、ぼくはおこって、くろいひとたちを、いっかいだけ、ぱんちしました。
くろいひとたちは、みんなぴゅーんととんで、かべにぶつかりました。
みんなは、よろこんでたけど、ぼくは、おかあさんから「なんでじゅうをもったひとをなぐりとばしたの! ぼうはつしたらきけんじゃない! さきにじゅうをとりあげてからなぐりなさい!」とおこられて、かなしかったです。
こんどから、おかあさんに、おこられないように、したいです。
あと、けいさつのおじさんが「なんじゃこりゃあ」っていって、びっくりしてました。』