2人きりの宿舎内
カニ缶が食べたいです。
缶じゃなくて蟹の方をね。
という訳で{どういう訳だ}本編スタートです。
二人きりになった宿舎内。
「えっと…レイチェル?」
「何なのですかっ?」
何もやることがないし……2人きりで何も話さないのは流石に気まず過ぎる…。何でも良いから何か話題を……そうだ。
「レイチェルのそれって、メイド服…だよね?何でそんなコスプレしてるの?」
レイチェルはきょとんとしている。そりゃそうだ、いきなり何の前振りも無くこんな事聞かれたらそうなるよね。
「えっと…確かにこれはメイド服なのですが…こすぷれ……って何なのですか?もしかしてこのメイド服に何か隠された秘密が…?」
レイチェルはそう言ってまじまじと自分の着ているメイド服を見つめる。
「いや、秘密とかそういうんじゃなくてさ…」
そうか……コスプレというのは日本のみの文化だからこの異世界で通じる訳無いよな。
「秘密じゃない?こすぷれとはどう言う意味なのです??」
レイチェルは興味津々に聞いてくる。
「…い、言い方を変える、レイチェルは何でメイド服を着てるの?」
「私の服に興味があるのですか?えーとそれはですね、私がこのパーティに入る前に喫茶店でのアルバイトをしていましてですねっ♪ここに入った時でも仕事内容がメイドさんと同じ内容が多かったので、ちょうどいいなって思って常にメイド服を着るようになったのです♪」
「へぇ……そうだったんだ」
成程ね…。つまり今はコスプレって事じゃんなどという無粋な事は考えない事として、俺は納得する。
「ふふっ…じゃあ今度は私から質問、良いですか?」
レイチェルはそう言い、俄に真面目な表情になる。
「うん、答えれる範囲でなら答えるよ」
「貴女…いや、アリスさんも私と同じなのですか?」
「レイチェルと…同じ?」
俺は思い出す。レジェルが言った「お前もレイチェルと同じ」という言葉を。
「同じって…何が同じなんだ?」
「はい…アリスさんも私と同じように……………両親が戦死したのですか?……だからさっき、名前を答えれなかったのですか?」
「え…?」
予想外の内容に、俺は思わず言葉に詰まった。