出発直前の作戦決め
「皆、待たせたなっ!」
謎の爆音が響いてからしばらくすると…ネロが部屋へと入ってきた。
「おう、またレイチェルにあれ喰らったのか?」
そんなネロを小馬鹿にするような口調で笑うレイヴ。
「な…っ、し、仕方ないだろ、起きれないんだからぁ…」
「そうだとしても少しは起きれるようにしろよ、これだから子供は…」
「な…っ!?レイヴ…僕を子供呼ばわりしたな!?」
「あ、あはは…」❪さっきの爆音何だったんだろ…❫
レイヴとネロが喧嘩❪?❫してる中、俺はさっきの爆音の正体について考えていた。でもまぁ…まさかレイチェルの魔法では無いだろう。…多分。
「お前等その辺にしておけ」
レジェルはいつの間にか揉み合っていた2人の間に、そのどちらの体にもギリギリ当たらない場所で剣を振り翳した。
「う…っ、わ、悪かったレジェル…僕頑張って起きるから…」
その瞬間、ネロは人が変わったように喧嘩を辞める。レジェルの剣…良く見れば周りに闇のような気が立ち込めている。これは一体…?
「皆さん揃いましたのですね?」
部屋に戻ってきていたレイチェルは人数を確認してからネロに視線を移した。
「それでは出発する前にルートを決めておくのです!ネロさん、よろしくお願いいたしますっ」
レイチェルはポケットから地図を取り出し、テーブルの上に置いた。
「ルートか…とは言ってもここからサルヴァまではイサエラを挟むだけで辿り着けるじゃないか、それなのにわざわざルートを決めるのか?」
「あぁ、確かにここから元凶のサルヴァまでは遠くない。…この数年がかりの数々の騒動がそこだけで収まる、のならな、それに…」
さっきまでの空気は消え、一気に緊迫した空気へと変わる中、レジェルは続けた。
「サルヴァの国境線にはサルヴァの民しか通れない魔法結界が張られている。この魔法結界を攻略しない限り永遠にサルヴァには入れないだろう。その件もあるが、何か妙だ…他にも少し用があってな、イサエラからまずはここへ向かいたい」
レジェルはイサエラからサルヴァのある西方向では無く、渓谷地帯である北へ指を滑らせる。
「別に良いけど、…そんな場所に何の用あるんだ?」
「リィナの呪いを解呪できる可能性がある」
彼奴がまだ生きてたらな…と、レジェルは呟いた。
「本当か…?分かった、ならサルヴァへ行く前に渓谷へ行こう」
ネロはそう言い、全員を見渡す。
「さぁ…言った通りだ、まずはイサエラへ向かうぞ!皆、武器の準備は出来たか?」
「おうの、俺の斧はいつでも戦えるぜ」
「チェーン…ソー…今日も、…使える」
「魔法は今日も絶好調なのですっ♪多分っ」
「うん…俺も大丈夫」
俺は壁に立て掛けてあったハルバートを手に取る。
「武器自体は大丈夫なんだが相変わらず重い…」
やはり重すぎてまともに装備する事が出来ない…。
「ん…そうか?」
俺の様子を見ていたネロはそう言い、片手で俺のハルバードを手に持った。
「軽いじゃん?あ、ごめん、返す」
ネロはそう言って俺に武器を投げ渡した。ずし…っと、俺の腕にハルバードの重みが乗しかかる。
「お、重いって…」
そんな俺をよそに、皆は次々と宿舎の外へ出る…。遅れたら大変だ。
「ちょっと待って…」
結局俺はハルバードを引き摺りながら皆の最後尾に付いた。




