昼食デビュー!ww
少しばかり暴走してしまいました…w
桐野 進一君に荒川中まで案内された。
「はい。着いた。」
「あっ、ありがとう…」
つないでいた手を放し、それぞれの下駄箱からくつを履き替える。
「能登さん……だっけ、教室までいっしょに行く?」
「…う、うん」
桐野君のちょっと後ろから、私がついていく。
ざわざわ…
見知らぬ大勢の新一年生の間を通り抜けて。
1年A組の札が見える。
がらっ
「おっ!おっはよー、進一!!」
「たかすけ、おはよう」
「中一になっても同じクラスでよかったなー!」
「ああ。」
「んぁ?……おい、その後ろのちっこいやつ、誰??」
ビクッ
いきなり苦手な高身長の男子ににらまれ、私は思わず下を向いてしまった。
「……あの、……」
「このこは、能登さんだよ。迷ってたから、一緒にきたんだ」
「ヒュー!男前~~、さっすが進一!」
「バカ、やめろ。そんなんじゃないって」
「照れんな~~!」
桐野君と友達らしいその男子は、細身で、身長が高かった。
意地悪そうなつり上がった目で、いかにも女子にちょっかい出してそうな雰囲気。
そんな風に彼を観察していると、
「こいつ、高松 宏介ってんだ。みんなからは、『たかすけ』って呼ばれてる。」
桐野君が紹介する。
「へ、へえ。」
「たかすけ、能登さんによろしくって」
「……よろしく」
たかすけ君はボソッとそういうと、目をそらした。
ざわざわ
教室内はにぎわっていた。
私も、新しい友達をつくらなくちゃ…!
誰かひとりのこ、いないかな
と、あたりを見回していると
「里子ちゃん!」
昨日知り合った、富永 桃子ちゃんだ。
「も、桃子ちゃん」
桃子ちゃんの周りにはもうすでに5、6人の女子がいた。
すごいなあ…今年引っ越してきたばかりなのに。
もう友達がそんなに。
一人のおっとりした感じの女子が、
「ね、名前。なんていうの?」
と聞いてきた。
私は戸惑いながらも、
「能登、里子です…」
と答えた。
「里子!…じゃあ、さと って呼んでいい?」
「あ、え、うん…」
「わたし、栗原 有紗。有紗でいいよ。」
「あ、あり、さ…」
「うん。よろしく」
そのこは、身長が高かった。170はあるんじゃないか。
でも、どこかおっとりとした口調と、外見。
ロングの髪を二つに結わえていて、親しみやすそうだった。
「あのね、里子ちゃん。有紗はね、バレー部に入ろうと思ってるんだって!」
「! へえ。」
また一人、バレー部の仲間が増えた。
嬉しいな。
その他もろもろの女子ともあいさつを交わし、雑談に混ざっていると、
清田先生がやってきた。
「ほーい、席付け~~」
がたがたっ
「んじゃ、今日から本格的に中学生活が、始まる。気を引き締めて、がんばるように。何かわからん事があったら、遠慮なく周りの先生や先輩に、聞いてな。」
「「はーーーい」」
キーンコーンカーンコーン…
よっし、がんばるゾウ!
* * * * * *
お昼の時間。
「さと、お弁当、食べよう。」
有紗がそう言ってきた。
「うん。ありがとう」
朝の桃子ガールズと一緒に、机をくっつけようとすると…
清田先生が、
「あ、お弁当は中庭や屋上で食べても、いいんだよ」
と、いった。
「へえ。そうなんですか!」
「じゃあ、外、行こうよ!!」
「わたし、屋上がいいなぁ」
というわけで、皆で屋上へ移動した。
「…でわ~、合掌!!」
ぱちんっ
「「「「「いただきまーす」」」」」
雲一つない青空の下で、お弁当をほおばる。
もぐもぐ…
「桃子のそれ、おいしそう」
「いる? …はい、あ~~ん」
「やった! あ~~ん」
「どう?」
「…んー!おいし~~~い」
というようなやり取りが目の前で行われる。
あははああああああああああああああぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁあああああああああああああ
皆可愛いなああぁぁぁああぁぁあぁ
(;´Д`)ハァハァフンフンソウソウ
や、やばい。顔がにやけっ……
「??里子ちゃん、変な顔してるけど…どうしたの?」
桃子ちゃんの、きょとん顔。
普通の男子なら、心臓が止まるレベルだ。
ひいいいいいいいいいいいいいかわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
やめて、もうやヴぁいよおおおおおおおおおおおぉぉぉおぉぉぉぉ(*´д`*)ハァハァ
「里子ちゃんもほしいの? あ~ん」
オォォーーー!! w(゜ロ゜;w(゜ロ゜)w;゜ロ゜)w オォォーーー!!
もうがまんできず、顔面ニヤニヤしてしまう。
うへへへぇえええええええええぇぇ
あ~ん、だってぇ
「…能登さん、なんでそんなニヤニヤしてんの」
桃子ガールズの一人に、引きぎみの視線で見られる。
( ゜д゜)ハッ!
やばいやばいやばい
変態でアニメロリオタクだとばれれば、中学生活が終わる…!!
なんとしてでも、今は平常心を保たねばっ…
「里子ちゃん、いらない?ごめんね、なんか(はむっ)」
桃子ちゃんがあ~んしようとしたおかずを自分で食べた。
ああっ!
Σ(°д°lll)ガーン
せっかく、美少女中学生からあ~んしてもらえそうだったのに…
( TДT)
ショック。
心の中で泣きながら、自分の弁当をほおばる。
ドン
「!?」
いきなり背中に何かぶつかり、おもわず吐き出しそうになる。
「ちょっと、アンタたちじゃま!」
振り向くと、ポニーテールでスタイルがめちゃんこ良い娘が仁王立ちしていた。
「ひい!?」
気の強そうなつり目に、腰が引き気味になる。
「…何、あなたがぶつかってきたのに、それはないんじゃない?」
桃子ちゃんが対応する。
「はあ?アンタらがそこにいるのが悪いんでしょ」
気が強いプライド高い美少女キタ―(゜∀゜≡゜Д゜)ムハァ―!!
顔には出さず、胸の中で大興奮!!
「別に、私たちはここでお弁当をたべていただけ」
「は、アンタ頭大丈夫??ここはもう食べちゃダメな区域なんですけど」
「え?どういうこと」
「だから、お弁当を食べてもよいのは、あの赤テープの中なのよ!バカじゃない」
「そうなんだ…って、あなた、そこまでいうことないじゃない」
「うっさいわね。バカにはバカって正直に言うのがいいのよ」
「バカじゃない。ただ、知らなかっただけ」
「あそこに書いてあるじゃない。ほんとありえない」
桃子ちゃんたちがポニーテール少女と口で言い争ってる。
いひひひうふふふあはははあへへへ
ヘ(゜∀゜ヘ)アヒャ
「能登さんもなんか言ってよ……って、ヒイ!!」
気づいたら、顔面二へ顔になっていた。
「顔っ…何…えっ……」(ドン引き)
おびえた表情の能登ガールズ。
おびえた顔もかあいいなぁ…(*´д`)
ってああああああああああああああああああああああああああああああああああ
『かあいいなぁ…(*´д`)』じゃないっっ !!!!!!
きりっとした表情で、立て直す。
「え…っと、その、あの、あー…えっと」
ジロ。
ポニーテールににらまれる。
内心興奮しながら、わたしはつづける。
「そんな言い方は…ないんじゃあ、ないかなァ…!」
―――――――――――中年のおっさんみたいな口調になってしまった。
しーん…
あたりが静まる。
数秒後。
「あ、あんたに言われたくないわ!」
「さっき、時が止まったよね…」
「うん…」
桃子ガールズが何やらヒソヒソ話をしている。
「もう、めんどくさいからいいわ!とにかく、今度からここで食べるんじゃないわよっ」
そう言い残して去っていく、ポニーテール少女。
「…何、あのこ」
「うち知ってる。東邦小学校の人だよ。気が強くって、皆から嫌われてた。」
「そーそー。名前は…鈴宮 あかり、だっけ」
「へえ。そんなこもいるんだねー」
ふむふむ。あかりたんか。(。≖ิ‿≖ิ)
私の脳内にしかと保存したァッ!
「…そういえば能登さん、さっきから様子がおかしかったけど、大丈夫?」
「あ!、あぁ、あ、う、うん…」(冷や汗)
「そう…よかった」
そんなこんなで、私の昼食デビューは幕を閉じた。
これから、趣味をばらさずにいきていけるのだろうか…
こんな感じで、次回、体験入部のはなしです