軽音楽部、ただいま入部希望中!!
三年生ともなると、ずっと『最後』が付きまとう。今年は高校最後の夏。夏休みもまじかに迫った頃、文化祭の準備が始められようとしていた。
帰りのHRで担任の釜石先生が「今年も亀沢祭は昨年同様、部や個人の催しは生徒会で許可を貰うこと、クラスの催しだが・・・・・」と文化祭の説明する。
クラスの催し!?去年まではクラスなんて関係なかったやんか。
「あ、あと帰宅部だがな、今年は何らかの部に入ってもらうから覚悟しろよ〜」と、釜石は逃げるように教室を出て行った。
放課後、わたし達は学校帰りにいつもの場所に来ていた。学校から徒歩で十分くらいの所に、ちょっと変った喫茶店がある。そこの真ん中を陣取って、作戦会議を始めた。
「げぇ〜釜石の奴、妙に張り切ってるし」
と、大志が言う。真っ先に、こいつは面倒臭がり。
「覚悟しとけ、って帰宅部は俺らだけだよな〜」
この中で、コウくんだけはやる気だ。「なぁ、何部入る?」とか言っちゃてるし。
でも、一向に決まらない。釜石お手製の部活リストと登録用紙がテーブルに散らばっている。
「隊長、文化部オンリーでお願いっス」
大志に言わせれば、文化祭なんだから、文化部じゃなきゃ意味無いらしい。
「了解」
隊長のコウくんは唸りながら、リストと睨めっこしている。
・・・・・
沈黙が続いて、わたしと大志は心配になった。
(おいおい。そんなに悩むか、フツウ)
いてもたってもいられず、わたしは口を開いた。
「タルィ。わたし、帰宅部部長だから・・・・」
こいつには選択肢がどれだけあるんや、という驚きの視線を感じる。これだから、バカは大人の言う事をすぐに間に受ける。
「ようは、亀沢祭で何かのイベントに参加すればえぇことっしょ?部じゃなくてもできる事、あると思うねん」
と、解説してみると『お前、どこまで頭イイんや!!」と二人に感動されてしまった。あ〜こうゆうテンションの強弱が激しいの苦手。