部活動に情熱を・・・【後編】
まったく、予想もしなかった展開が・・・・?
中止が決まり、帰りの支度を始めた大志に、柳川監督が声をかけた。
「宮本、骨折したそうだな」
普段は帽子を被っているから分からなかったけれど、確実に頭はハゲてきている。
そのハゲには目もくれず「あ〜まぁ」とどうでも良さそうに答える、大志。
「そんなんじゃ、ろくに練習も出来んだろうに・・・・」
嫌味さくれつ。
「そ―っすね」
いつもの事だ、というような態度。大志はまるで相手にしていない。
「大会も近いからな。どうだ?スタメンを他の三年に譲るというのは」
回りくどい言い方をしても、結果は同じ。監督は大志が気に入らなかった。髪は茶髪、命令無視は何度も・・・・自分の思い通りにいかないのが余程、悔しいらしい。
「ふん、ヤダね。俺以上の球、投げれる奴おるんか」
努力家で、負けず嫌いの大志の実力は、みんなが認めていた。
「な・・・なんだその聞き方は。お前を退部させるくらい、簡単なんだぞ!」
大人げない。すぐに自分の地位を使うのが大人だ。大志は完全にシカトしていた。
『上等やんけ!俺ら、辞めますわ』
珍しく叫んだのはコウくん。監督の態度もムカついたけれど、反論しない大志にも少しくらいの怒りはあった。
「お前なぁ・・・少しは怒れよ」
大志の肩に腕をかけた。
「お、ワリィな。相棒」
そのころ、わたしも新しい刺激を求めていた。
タルィ、毎日。
もともと、帰宅部のわたしは何の部に入ろう?なんて今まで考えたこともなかった。
どういう心境の変化――――?
どうでもいいや。楽しければ・・・・
「音楽か・・・・・」
ハイ、五話が終わり、ここから急展開します。