ただいま通話中
―――うちは世界一の音楽つくるんや!!(栗原清華)
隣町の徳栄第一高等学校は進学よゆーのがり勉がそろっていた。
それと対象に我が亀沢北高等学校は、内申が全教科1の馬鹿ばかり。偏差値なんて30代。その中で、わたしは平均並みの成績で、いつも真ん中より、少し上の順位だった。
ただ、この学校のテストは県内でも易しいと有名。それなのに英語の平均が三一、数学が三十五点しか無いのだから不思議である。
わたしの家は旧家のお金持ちの家で、北高を受験すると知った祖母さまに「情けない」とわめかれた。
「そんなにわめくなら、もっと前に塾でも通わせて勉強させればよかったのよ」
と、私が言う。
「いまさら、何言ってもムダ」
まさに他人事だ。
ぴぴぴぴっ――――――
ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴっ。
携帯が鳴る。わたしの携帯のアラーム音。
「あ、オレオレ」
コウくんの声だ。
「オレオレ詐欺なら切るけど」
冗談を真顔で言う。
「あぁ・・・待って、待って。切らないで」
本気で慌てる、コウくん。
「ただいま、留守にしております。ご用件の際はピーと言う発信音の後にメッセージをどうぞ・・・」
今さら、留守電にも出来ず、言葉でいう。ろくでもない事に違いない。
「・・・・・・?」
無。一向に、発信音の鳴る気配がない。
「ありィ・・・・?」
沈黙は続く。
「ところでさ、何の用なん?」
話は三六〇度、転換。一周してしまった。
「おい、留守電なんて意味ねぇじゃん」
突っ込み。コウくんも亀沢北高の一員だ。
本名、山木耕一。通称、コウくんだ。
「うん、意味ナイ」
わたしは部屋で携帯を片手に、雑誌をパラパラとめくっていた。
「あっ・・・やべぇ」
コウくんは焦っていて、うまく聞き取れない。わたしが「どうかしたん?」と聞くと、
「電池切れるから切る、じゃあなっ」
と言って通信は切れた。
通話終了。
画面にはその四文字が刻まれていた。
なに、あいつ・・・。
用件も言わず電話を切るなんて、まさにバカ。
こんばんは〜。鳴瀬デス。Rockだけじゃなく、音楽が好きって人にぜひ見てもらいたいな〜って思います。