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婚約者の頭上に『好感度-65535』と表示されています。嫌われすぎだろと絶望して逃げ出したら、実は『愛されすぎた結果、カンストしすぎて数値がバグっていた』だけでした

作者: 文月ナオ
掲載日:2026/01/04

 突然だけど、私の目には「数字」が見える。


 いや、幻覚とか、徹夜明けの疲れ目とか、そういう類の話じゃなくてね?


 れっきとした特殊能力、ファンタジー小説でよくある「鑑定スキル」の亜種みたいな。


 人の頭の上に、ぷかぷかと数字が浮いて見える。


 何の数字かって?


 ズバリ、『私への好感度』。


 ……うん、わかってる。言いたいことはわかる。


「それって、乙女ゲームとかギャルゲーのシステムじゃん!」って言いたいんでしょ?


 正解。大正解。


 実は私、フレイ・アッシャーは、前世で日本という国に生きていた記憶がある。


 いわゆる「異世界転生者」ってやつ。


 フレイになってから五歳の時に階段から落ちて、頭を打った衝撃で思い出しちゃったわけ。


「あ、私、前世ではソシャゲのガチャに給料を全ツッパする廃課金社畜SE(システム・エンジニア)だったわ」って。


 で、気づいたらこの世界よ。


 魔法あり、魔物あり、貴族社会ありの、コテコテのファンタジー世界。


「やったー! 転生特典でチート能力ゲットして無双だー!」


 ……なんて、最初は私も舞い上がった。


 でもね、神様ってのは意地悪なの。


 私に与えられたのは、魔法の才能でも、聖女の力でもなく、この中途半端な『好感度が見える目』だけ。


 しかも、見えるのは「私への好感度」限定。


 便利そうだと思う?


「うわ、いいなー! 好きな人の気持ちが丸わかりじゃん! 攻略余裕じゃん!」って?


 甘い。砂糖を山ほどぶちまけた紅茶より甘いね。


 現実はゲームみたいに、好感度を上げればハッピーエンドなんて単純なものじゃないのよ。


 例えば、近所の八百屋のおじさん。


 いつも「フレイちゃんは可愛いねぇ、これオマケだよ」ってリンゴをくれる優しいおじさんだったんだけど、ある日ふと頭上を見たら、数値が『5』しかなかったわけ。


『5』って、ほぼ他人じゃん? 道端の石ころレベルじゃん?


 笑顔でリンゴをくれながら、心の中では「腐る直前の在庫処分で喜んでくれてラッキーw愛想よくしときゃまた来るだろw」くらいにしか思ってなかったってわけ。


 逆に、いつも仏頂面で怖い隣の家の剣術師範のおじいちゃん。


 挨拶しても「フンッ」って鼻を鳴らすだけなんだけど、頭上の数値はなんと驚異の『85』。


 これ、親友とか家族レベルの数値なのよ。


 実は私のこと、孫みたいに可愛がってくれてたってわけ。


 それに気づいてからは、怖がらずに話しかけられるようになったし、お菓子のお裾分けもできるようになった。


 こういう風に、人間関係の地雷を避けたり、意外な味方を見つけたりするには、確かに役に立つ能力だった。


 前世の知識とこの目を駆使して、平穏無事な「モブ令嬢ライフ」を送るつもりだった。


 ……そう、あの日までは。


 私の実家、由緒だけは無駄に正しい貧乏男爵家が、お父様の事業失敗(という名の詐欺被害)で借金まみれになって、私が「身売り」同然で嫁ぐことになるまではね。


「フレイ、すまない……! 本当にすまない……!」


 涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった父の顔を見ながら、私は悟った。


 ああ、私の人生、ハードモードに突入したな、って。


 前世の記憶があるからって、借金が消えるわけじゃないし。この能力とおなじ。世の中役に立たないものばっか。



 ◇◆◇



 そして今。


 私は王都の一等地にある、超高級なカフェのテラス席に座っている。


 目の前には、純白のレースのテーブルクロスが敷かれた優雅な円卓。


 そこには、一杯でお父様の給料一ヶ月分はしそうな最高級の紅茶と、宝石みたいにきらめくケーキが並んでいる。


 でも、そんなものは目に入らない。


 味がするかすら怪しい。喉を通る気もしない。


 なぜなら、私の目の前に座っている人物が、あまりにも「異常」だからだ。


 私の婚約者様。


 名前は、クロード・ウィンディア公爵。


 この国で知らぬ者はいない、「風の貴公子」と呼ばれる超絶美形。


 見てよ、あの銀色の髪。


 月の光をそのまま織り込んだみたいにサラサラで、風が吹くたびにキラキラと輝く。


 前世のアイドルだって、ここまでの輝きは持ってなかった。


 切れ長の瞳は、澄み切った冬の朝の空のような、冷たくも美しいアイスブルー。


 スッと通った鼻筋、薄いけど形の良い唇、陶器のような白い肌。


 ただ座って紅茶を飲んでいるだけなのに、そこだけ一枚の絵画として完成されてる。


 通り過ぎる女性たちが、みんな足を止めて振り返る。


「きゃあ! クロード様よ!」


「なんて美しいのかしら……今日も冷たい瞳が素敵……」


「あの方と相席している地味な女は誰?」


 そんなひそひそ声が聞こえてくる。


 最後の一言は聞き捨てならないけど、まあ事実だから反論できないのが辛いところか。


 彼は公爵家の当主で、国一番の魔法使いで、しかも王家の血も引いているという、歩くスペックお化け。


 本来なら、私みたいな貧乏男爵令嬢が言葉を交わすことすら許されないような、雲の上の存在だ。


 そんな人が、なぜか私の婚約者。


 普通なら、「きゃー! シンデレラストーリー! 前世の徳を積んだおかげだわ!」って舞い上がるところ。


 わかるよ、その気持ち。私も最初はそう思ったもん。


「借金の肩代わりをしてくれる上に、こんなイケメンと結婚できるなんて、実は私って乙女ゲームのヒロインに転生してたのかしら?」って。


 でもね。


 現実はそんなに甘くなくて。


 甘いどころか、劇薬。猛毒。


「…………」


 クロードは、席についてから一言も発していない。


 ただ無言で、優雅に紅茶を飲んでいるだけ。


 その表情は、能面もびっくりするくらいの無表情。私も最初はびっくりした。表情筋死んでんじゃない? って。


「風の貴公子」じゃなくて、「氷の貴公子」の間違いじゃないの? ってくらい、周囲の気温を物理的に下げている気がする。


 半径5メートル以内だけブリザードが吹いてるわよ、これ。


 そして何より、私が絶望して胃をキリキリさせている理由は、彼の顔じゃない。


 その頭の上に浮かんでいる、信じられない「()()」のせいなのよ。


 チラリと、恐る恐る彼の頭上を見る。


 そこには、毒々しい赤色で、とんでもない桁数の数字が刻まれていた。


『好感度:60000』


 ……は?


 いやいやいや。


 おかしいでしょ。


 私の目、腐ったのかな? 前世でスマホ見すぎた影響が今頃出た?


 何度こすっても、何度瞬きしても、その数字は変わらない。


『60000』。


 六万ですが?


 六百じゃない、六万ですが?


 私の経験上、好感度の上限ってだいたい『100』なのよ。子供の頃のテストの点数と一緒。MAXが百点満点。


 親友とか、家族とか、どんなに仲が良くても『90』くらい。


『100』なんて、死ぬほど愛し合ってる恋人同士でようやく出るか出ないかのレア数値。


 見ず知らずの他人は『0』からスタートして、ちょっと親切にしたら『10』とかになる感じ。


 なのに、何この数字?


 桁が違いすぎるでしょ。バグってるの?


 それとも、公爵様ともなると、好感度のインフレも凄まじいの?


 いや、違う。


 私は前世の記憶をフル回転させて、冷静に分析した。


 彼の冷た〜い態度。


 私に向けられる、感情の一切読み取れない氷のような視線。


 そして、会話のなさ。


「……(無言)」


「……(無言)」


 ほらね、もう三十分も無言よ。狂ってる。


 お見合いの席でも、もう少し喋るわよ。「良い天気ですね」くらい言うわよ。


 この状況から導き出される答えは一つしかない。


 これは『好感度』じゃない。


『殺意』だ。


 あるいは『私をいたぶって楽しむポイント』かもしれない。


 RPGでよくあるでしょ?


「経験値」とか「ダメージ」とか、インフレしすぎて『9999』とか平気で超えてくるやつ。


 きっとあれよ。


 彼にとって私は、借金のカタに買い取った「新しいオモチャ」か何かなの。


「こいつをどうやって絶望させてやろうか」っていうサディスティックなポイントが、六万も溜まってるってことなのよ!


「…………」


 ひぃぃぃ!


 目が合った!


 無表情で見つめられた!


 瞬き一つしないその瞳は、まるで獲物を品定めする蛇のよう。


 いや、蛇の方がまだ愛嬌があるかもしれない。


 彼の瞳の奥には、底知れない闇が広がっている気がする。


『60000』という数字が、心なしか不吉に点滅しているように見えるわ。


 カウントダウン?


 私の命日までのカウントダウンなの!?


「……フレイ」


「は、はいっ!」


 名前を呼ばれただけで、椅子から飛び上がりそうになる私。だっせぇ〜。


 心臓が早鐘を打つどころか、もう口から飛び出してテーブルの上でタップダンスを踊りだしそう。


「……茶が、冷めるぞ」


「あ、はい! すみません! いただきます! 直ちに飲みます! 飲み干します!」


 私はガチガチに震える手で、ティーカップを持ち上げた。


 カチャカチャカチャ……。


 カップとソーサーがぶつかって、情けない音を立てる。


 まるで壊れかけのオモチャみたいだわ。


 一口飲んだけど、味なんてわからない。


 最高級の茶葉らしいけど、今の私には泥水の方がまだマシかもしれない。


 ああ、もうダメ。


 このままじゃ、ストレスで胃に穴が開くか、彼の「お楽しみポイント」が満タンになって処刑されるかのどっちかだわ。


 でも、今日だけは逃げるわけにはいかないの。


 だって今日は、彼の誕生日なんだから。


 ここで挽回しなきゃ、私の、そして実家の命運が尽きるかもしれない。


「誕生日プレゼントも寄越さないなんて、礼儀知らずな女だ。飽きたから潰そう」なんて思われたら、借金取りの集団が実家に押し寄せて、一家離散のバッドエンドを迎える!


 私は深呼吸をして、テーブルの下、足元に置いてあった紙袋をぎゅっと握りしめた。


 中に入っているのは、私が三日三晩、エナドリ(体力マシマシポーション)を飲んで徹夜して、失敗を繰り返しながら命懸けで焼き上げた渾身の手作りクッキー。


 お金がないから、高価なプレゼントなんて買えない。


 だから、「心」で勝負するしかないと思ったの。


 ……まあ、今となってはそれが間違いだった気もするけど。


「貧乏男爵令嬢の手作りとか、ゴミですか?」って言われるかもしれない。


「毒見は済んでいるのか? 貴様の命で試せ」って冷たくあしらわれるかもしれない。


 でも、やるしかないのよ、フレイ!


 これは生存戦略よ!


 少しでもこの異常な数値を下げて(あるいは殺意を削いで)、平穏な老後を勝ち取るための第一歩なんだから!


「あ、あのっ! クロード様!」


 私は意を決して、声を張り上げた。


 カフェの客たちが、何事かとこちらを見る。


 恥ずかしいけど、そんなこと気にしていられない。明日の命運がかかってんのよこっちは。見世物じゃないから見んな。


 クロードの視線が、ゆっくりと私に向く。


 その頭上の数値が、チロリと動いた気がした。


『好感度:60010』


 ……ふっ、増えてるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!


 なんで!?


 私、まだ何もしてないのに!


 名前を呼んだだけで殺意が増すって、どんだけ嫌われてんの私!?


 もう帰りたい。


 お家に帰って、ふかふかのお布団にくるまって、流行りの恋愛小説を読みながら現実逃避したい。


「ママ、怖いよぅ」って泣きつきたい。二十歳だけど。中身はもっといってるけど。


 でも、ここで引いたら女が廃るわ。


 私は震える手で、紙袋をテーブルの上に差し出した。

 ガサガサと音が鳴る。安っぽい紙袋だ。公爵様の前には似つかわしくない。


「こ、これ……! つまらないものですが……その、お誕生日、おめでとうございますっ!」


 言ってやった。


 言ったわよ私!


 さあ、どう出る、クロード!


 罵倒する?

 無視する?


「こんな汚らわしいものを私の視界に入れるな」って、風魔法で吹き飛ばす?

 それとも、その美しい指先で魔法を放って、私ごと灰にする?


 私はギュッと目を閉じて、審判の時を待った。


 一秒。


 二秒。


 三秒。


 ……あれ?


 何も起こらない?


 爆発音も、罵声も、冷たい嘲笑も聞こえてこない。


 恐る恐る、薄目を開けてみる。


 そこには、信じられない光景が広がっていた。


 クロードが、固まっている。


 差し出された紙袋を見つめたまま、彫像のように静止している。

 その表情は相変わらず無表情だけれど、持っていたティーカップが、カタカタと微かに震えている。


 え、何?


 怒り?


「こんな物を渡すなんて、公爵家への侮辱だ!」って、ブチ切れる寸前なの? MK5(マジでキレる5秒前)!?



 いやいや、怒りで手が震えるって相当よ?


「……これは」


 低く、地を這うような声。


 ひぃっ、来た! 終わったぁぁ!


 お説教タイムだわ!


「……私への、贈り物か?」


「は、はい……。手作りクッキーです。お金がなくて、こんなものしか用意できなくて……お口に合うかわかりませんが……その、毒とかは入ってませんので!」


 言い訳がましいことを口走りながら、私は身をすくませた。


 もうダメだ。


 きっと、「手作り? 不衛生だな」とか言われて、その場で捨てられるわ。


 すると、クロードがゆっくりと手を伸ばした。

 その動きは、まるでスローモーションのようだった。


 その手は、まるで爆発物を扱うかのように慎重で、そして微かに、けれど確かに震えていた。


 私の手から、紙袋が離れる。

 彼の手の中に、クッキーが収まる。


「……受け取って、いただけるのですか?」


「…………」


 彼は答えない。え? これどっち?


 ただ、紙袋を両手で包み込むようにして持ち、じっと見つめている。


 まるで、この世で一番貴重な宝物を手に入れたかのように。


 ……いや、違うか。


 あれは、「どうやって一番残酷に破壊してやろうか」と考えている目だわ。


 その瞬間だった。


 彼の頭上の数値が、異常な動きを見せ始めたのは。


 チロン

『60010』


 チロン

『60020』


 チロン

『60030』


 数字が、ものすごい勢いでカウントアップしていく。


 スロットマシーンのドラムみたいに、目にも留まらぬ速さで数字が増えていく。


 え、ええっ!?


 何これ、どういうこと!?


 殺意が急上昇してるってこと!?


「こいつ、俺に毒を盛ろうとしたな?」って勘違いされてる!?


 それとも、「クッキーごときで俺の機嫌が取れると思ったのか? その浅はかさが気に入らない!」っていう憤怒!?


『62000』


『64000』


『65000』


 止まらない。


 数字が止まらない。


 私の心拍数の急上昇も止まらない。


『65500』


『65510』


『65520』


 もうやめて!


 私のライフはゼロよ!


 これ以上殺意を高めないで!


『65530』


『65533』


『65534』


『65535』


 数値はそこでピタリと止まった。


 カンスト?


 これがこの世界の限界値なの?


 これ以上は私が死ぬってこと?


 ……待って。


『65535』?


 その数字、どこかで見たことがある。


 私の前世の記憶が、激しく警鐘を鳴らす。


 プログラム。コンピュータ。


 2進数。16ビットの符号なし整数の最大値。


『65535』。


「……嘘でしょ」


 私がその数字の意味に気づいた、その時だった。


 ピコンッ!


 という、どこか間抜けな電子音が、私の脳内に響いた。


 まるで、システムエラーを知らせる警告音のように。


 そして。


 クロードの頭上の数値が、バグったように点滅し――。


 反転した。


『好感度:-65535』


 真っ赤な文字。


 マイナス。


 6万5千5百35。


 ……は?


 マイナス……?


 思考が停止する。

 時が止まる。


 プラスの6万も異常だったけど、マイナスの6万って何?


 人類史上、ここまで嫌われた人間っているの?

 親の敵でも、国の裏切り者でも、魔王でも、ここまで数値は下がらないわよ。


 これはもう、嫌悪とか憎悪とか、そんな生易しいものじゃない。


『虚無』だわ。


 あるいは、『絶対的な捕食対象』としての認定。

『存在することすら許されない』という、宇宙の意思すら感じる拒絶。


「……フレイ」


 クロードが、顔を上げた。


 その瞳が、怪しく光っているように見える。


 アイスブルーの瞳の奥に、狂気のようなものが渦巻いている。


 彼はゆっくりと立ち上がり、テーブル越しに身を乗り出してきた。


 手には、クッキーの袋を握りしめたまま。


 その握力で、中のクッキーが粉々になっている音が聞こえる気がする。


「……これは」


 彼の唇が動く。

 何を言われるの?


「死ね」?


「消えろ」?


「貴様をこの世から抹消する」?


 それとも、無言で首を絞められるの?


 私の生存本能が、サイレンのように警報を鳴らしまくっている。


『逃げろ! 今すぐ逃げないと、確実に死ぬわよ!』


『相手はマイナス6万の男よ! 話し合いなんて通じる相手じゃない!』


『ヤバいわ! 数値が限界突破してバグったのよ! つまり、彼の殺意は測定不能ってことよ!』


 もう、限界だった。


 これ以上、この場にいたら、私は恐怖で心臓が破裂してしまう。


「ひぃぃぃっ! ごごごご、ごめんなさいぃぃぃ!!」


 私は悲鳴を上げて、椅子を蹴り倒した。


 ガシャーン! と椅子が倒れる音が、静かなカフェに響き渡る。


 周囲の客たちが驚いてこちらを見るが、そんなことはどうでもいい。


 私は脱兎のごとくその場から逃げ出した。


「あっ、おい! フレイ!?」


 背後から、クロードの驚いたような(と私には聞こえた怒声)が聞こえる。


「待て! 話を聞け!」


 待てるわけないでしょ!


 話を聞いたら最後、処刑宣告されるに決まってるもの!


「いやぁぁぁぁ! 来ないでぇぇぇ!!」


 私は叫びながら、テラスの柵を飛び越え(火事場の馬鹿力ってやつね)、通りへと飛び出した。


 ドレスの裾なんて気にしてられない。


 私はスカートをたくし上げ、あられもない姿で王都の大通りを全力疾走した。


「待ってくれ! フレイ!」


 背後から、風を切る音がする。


 振り返る余裕なんてないけれど、きっと彼は風魔法を使って追いかけてきているんだわ。卑怯すぎない!?


 捕まったら終わりだわ!


 マイナス6万の男に捕まったら、骨の髄までしゃぶり尽くされて、路地裏に捨てられる未来しか見えないもの!


 あるいは、実験台にされて、生きたまま解剖されるとか!


 嫌だ! 死にたくない! まだ美味しいもの食べてないし、恋だってしてないのに! 風になれ私! いや! 風を越えろ!!


「どいて! どいてくださぁぁぁい!!」


 私は通行人をかき分け、路地裏へと滑り込む。


 貧乏生活で培った「逃げ足」と「土地勘」だけが、今の私の頼みの綱よ!


 さようなら、私の平穏。

 さようなら、婚約者様。

 さようなら、クッキー。


 私は今日から、公爵家から指名手配された逃亡犯として生きていきまぁす!




 ◇◆◇




「はぁ、はぁ、はぁ……ッ!」


 肺が焼けるように熱い。


 足が棒のよう。


 ドレスの裾は泥だらけだし、髪も振り乱して、今の私はきっと落ち武者よりも酷い有様だと思う。


 王都の裏路地。 日が落ちかけ、薄暗くなった石畳を、私は無様に走り続けていた。


(なんで……なんで追いかけてくるのよぉぉぉ!!)


 背後からのプレッシャーが半端ない。


 振り返る余裕なんてないけど、肌で感じる魔力の圧が尋常じゃないのよ。


 まるで、巨大な台風が背中に張り付いているみたいな。


 さすが「風の貴公子」。


 二つ名は伊達じゃないわね。やるじゃん。


 私の逃走ルートを先読みして、風の壁で退路を塞いでくるなんて、狩りの手際が良すぎるわ!


『逃がさない』


 直接耳元で囁かれたわけじゃないのに、そんな声が聞こえた気がした。


 私は角を曲がり、ゴミ箱の陰に滑り込む。


 心臓がバクバクとうるさい。


 お願い、見逃して。


  クッキーが不味かったなら謝るから! 貧乏くさくてごめんなさい! でも命だけは助けて!


 その時。


 ヒュオオオオッ……!!


 頭上から、突風が舞い降りた。 ゴミ箱がガタガタと揺れ、路地裏の空気が一瞬にして凍りつく。


「…………」


 音もなく。 羽根が舞い降りるような優雅さで、クロードは私の目の前に着地した。


 銀色の髪が、ふわりと着地と同時に広がり、そして静かに収束する。


 彼は、乱れた呼吸一つせず、涼しい顔でそこに立っていた。


 ただし、その目は血走っているように見えるし、全身から立ち上るオーラは、魔王降臨そのものだ。


 そして何より。


 頭上。


 そこには依然として、あの絶望的な数字が輝いている。


『好感度:-65535』


 ……減ってない。


 1ミリも回復してないどころか、心なしか文字が太くなってる気がする!


 ボールド体になってる!


 強調されてる!



「……見つけた」


 低く、押し殺したような声。


 ひぃぃぃぃ! 終わったぁぁぁぁ!


 私の人生、ここでジ・エンド!


 バッドエンド回収おめでとうございます!


「フレイ。……なぜ、逃げる?」


 彼は一歩、私に近づく。 その一歩が、処刑台への階段に見える。


「な、なぜって……そ、それは……!」


 殺されたくないからです! とは言えない。


 言ったらその瞬間に首が飛びそう。


 私はガタガタと震えながら、壁に背中を押し付けた。


 逃げ場はない。 前には最強の魔術師、後ろはレンガの壁。


 完全なる詰み(チェックメイト)だ。


「……私のそばは、そんなに嫌か?」


 クロードが、苦しげに顔を歪める。


 ん? んっ? え? 


 なんて? 今、なんて?


 嫌か、って……怒ってるんじゃなくて、傷ついてる?


 いやいや、騙されないわよ!


 その頭上の数値を見てみなさいよ(私にしか見えないけど)!


『-65535』ですけど?


 人類史上最悪の好感度(嫌悪度)ですけど!?


 これはきっと、「獲物をいたぶって楽しむための演技」に違いないわ。


  猫がネズミを捕まえた後、すぐには殺さずに弄ぶあれ。


「い、嫌とかじゃなくて……その……み、身分不相応というか……!」


「身分など関係ない!」


 ドンッ!!


 壁ドォォォォォン!!! 


 か、壁ドンされてますぅぅぅぅぅぅう!! 


 私を殺そうとしてるイケメンに壁ドンされちゃってまぁぁぁす!!


 しかも、壁にヒビが入るレベルの威力。殺意マシマシ?


 私の顔の横に突き刺さった彼の手が、メリメリとレンガを粉砕している。


「……君がいなくなったら、私は……」


 彼の顔が近づく。


 整いすぎた顔立ちが、目の前にある。


 瞳の奥にあるのは、深い絶望と、燃えるような執着。


「……どうすればいいんだ」


 その声は、泣き出しそうに震えていた。


 え? なんで泣きそうなの?


 殺す側が泣くってどういうサイコパス演出?


 混乱する私の思考を置き去りにして、クロードは私の体を強く抱きしめた。


 折れるかと思うほどの力。


 逃がさない、という鉄の意志を感じる拘束。


「……もう、離さない」


 耳元で囁かれたその言葉と共に、私の意識は暗転した。


 恐怖のあまり、気絶したのだ。 (情けないとか言わないで! マイナス6万の男に抱きしめられたら誰だって気絶するでしょ!)





 ◇◆◇






 次に目が覚めた時、私は天国(あっち)にいるのかと思った。


 なぜなら、天井があまりにも高くて、豪華だったから。


 シャンデリアがキラキラしているし、寝ているベッドは雲の上みたいにふかふかだし。


 シーツなんて、最高級のシルクよ。肌触りが良すぎて、自分の肌が負けそう。


「……ここは?」


 体を起こそうとすると、ジャラ……と音がした。


 足首を見る。


 そこには、私の足首を傷つけないようにファーが巻かれた、細い銀の鎖が繋がれていた。


 鎖の先は、ベッドの支柱に固定されている。



 ……かっ、か、か、か、か、監禁だぁぁ!! 監禁ルートだったぁぁぁぁ!!!



「目が覚めたか」


 部屋の隅にあるソファから、声がした。


 クロード。彼は腕を組み、じっとこちらを見つめていた。


 その頭上の数値は、変わらず『-65535』。


 つ、詰んでますやん……。


「……食事を用意させた。食べるか?」


 彼が指差したテーブルには、王侯貴族の晩餐会かと思うようなご馳走が並んでいる。


 ローストビーフ、オマール海老、トリュフのスープ……。


 良い匂いが鼻をくすぐるけれど、私の生存本能が「罠だ!」と叫んでいる。


「……フッ。……毒、ですか」


 思わず口に出してしまった。 クロード様の眉がピクリと動く。


「……毒?」


「だ、だって……私みたいな女に、こんなご馳走……。これは『最後の晩餐』ですよね? 食べて太らせてから調理(始末)する気ですよね!?」


 私はパニックになって叫んだ。


 童話の魔女か、貴方は!


「……違う。君が痩せているから、心配しているだけだ」


「嘘だ! 数値が! 頭の上の数値が物語ってるんですぅ!」


「数値? ……何の話だ」


 クロードが怪訝な顔をする。 ああ、もう! この期に及んでしらばっくれる気!?


「嫌いなんでしょう!? 私のこと、世界で一番憎んでるんでしょ!? だからこんな……こんな数値が出てるんじゃないですかぁぁぁ!」


 私は泣き出した。

 もう我慢の限界だった。


 殺される恐怖と、わけのわからない状況と、お腹が空いたのとで、感情が決壊した。


「……嫌い?」


 クロードが、ポカンとした顔をした。


 あんなに能面みたいだった表情が、初めて崩れる。


 彼はゆっくりと立ち上がり、ベッドのそばまで歩いてきた。


 私は布団をかぶって震える。


「……フレイ。君は、私が君を嫌っていると、そう思っているのか?」


「思ってるもなにも、見えてるんです! あなたの頭の上に『好感度:-65535』って! 赤字で! 特大フォントで! 出てるんですぅぅぅ!」


 言ってしまった。


 私の秘密。


 前世の記憶があることも、数値が見えることも、誰にも言わずに墓まで持っていくはずだったのに。 でも、もうどうにでもなれよ! どうせすぐ墓に入るんだから!


「……マイナス、65535……?」


 クロードがオウム返しに呟く。


 その声には怒りではなく、純粋な困惑が混じっていた。


「待て。私には、君を嫌う理由など一つもない。……むしろ」


 彼はそこで言葉を切り、口元を手で覆った。


 耳が赤い。


 え、何?


 なんで照れてるの?


 私を殺す計画の残虐さを想像して興奮してるの?


「……ルーカスを呼べ。至急だ」


 クロードは部屋の外に控えていた執事に短く命じた。





 ◇◆◇





 数分後。

 部屋に一人の男性が入ってきた。


 白衣を着て、分厚い眼鏡をかけた、いかにも「ども、学者です」という風貌の青年だ。


 名前はルーカス。クロードの側近であり、国一番の魔法研究者らしい。


 彼は私の話(数値が見えること、クロードの数値がマイナスであること)を聞くと、興味深そうに眼鏡を光らせた。


 そして、水晶玉のような道具を取り出し、クロードにかざしたり、私の目を覗き込んだりして、ブツブツと何やら計算を始めた。


「ふむ……なるほど。興味深い症例ですね」


「な、何がわかったんですか? 私は呪われてるんですか?」


「いえいえ、フレイ様。貴女の目は正常です。一種の『鑑定魔法』の変異種でしょう。非常に希少な才能ですよ」


 ルーカスはニッコリと笑った。


「問題は、我が主、クロード様の方にあります」


「えっ? クロード様?」


 私は恐る恐るクロードを見る。


 彼は不機嫌そうに腕を組んで、そっぽを向いている。


 頭上の数値は相変わらず『-65535』だ。数字で私を殺そうとしてる。


「フレイ様。『桁あふれ』ですね」


「……え?」


 数値の最大値を超えてしまった結果、数値が一周回って最小値マイナスになってしまった……!?


 まさか。

 嘘でしょ。


 ここ、ファンタジー世界よ? そんなデジタルなバグが起きるわけ……。


「魔法術式における数値管理にも、限界値というものが存在します」


 ルーカスは、ホワイトボード(どこから出したの?)に図を書き始めた。


「通常、人の感情エネルギーを表す数値は、100程度が上限です。しかし、クロード様は規格外の魔力をお持ちだ。そのため、感情の出力も桁外れになりやすい」


 彼はチョークで『65535』と書いた。


「この世界の魔力演算において、16ビット……つまり、2の16乗から1を引いた数が、一つの区切りとなります。それが65535です」


「……ま、待ってください。それってつまり……」


「そうです」


 ルーカスは、指示棒でバンッとボードを叩いた。


「クロード様の貴女への好感度は、通常の限界値を遥かに超え、システムの限界値である65535すらも突破してしまったのです。その結果、数値が反転し、マイナスの最大値として表示されてしまっている……ということですな」


 部屋に、沈黙が落ちた。


 私はポカンと口を開けて目を点にし、クロードを見た。


 クロードは、顔を真っ赤にして、さらにそっぽを向いた。


「……つまり、嫌われてるんじゃなくて……」


「ええ。愛されすぎて、逆に世界(システム)がバグったのです」


 ルーカスが、真顔で断言した。


「マイナス65535というのは、実質的に『測定不能なほどの超・好感度』とお考えください。嫌悪のマイナスではありません。愛の重さによるエラーです」


 愛の、重さによる、エラー。 パワーワードすぎる。


「だって……でも、あんなに冷たかったし……無表情だし……」


「それは単に、クロード様が極度の『あがり症』で、好きな人の前だと表情筋が死滅するタイプの人間だからです」


 ルーカスの容赦ない解説が続く。


「今日のプレゼントの件もそうです。クッキーを渡された時、恐らく、閣下の心拍数は通常の三倍まで跳ね上がっていました。嬉しさのあまり思考回路がショートし、魔力が暴走。その結果、好感度数値が限界突破を起こしたのでしょう」


 私は、あの時のことを思い出した。 震える手。


 固まった表情。


 あれは、怒っていたんじゃなくて……嬉しすぎてフリーズしてただけ……ってコト!?



「……く、クロード様……?」


 私が呼びかけると、彼はビクッとして、観念したようにこちらを向いた。


 その顔は、今まで見たことがないくらい真っ赤で、目も泳いでいて、まさに「恋する乙女(男だけど)」そのものだった。


「……すまない」


 彼は絞り出すように言った。


「君が……あまりにも可愛くて……。手作りのクッキーをくれたことが、夢のようで……。どう反応すればいいか、わからなかったんだ」


「え、えええ……」


「嫌うわけがない。……一目惚れだったんだ。初めて会った時から、君のことしか考えられないくらい……愛している」


 ド直球の告白。


 低音ボイスのイケメンによる、ガチの愛の言葉。 私の顔が一気に沸騰する。


 頭上の数値を見る。 『-65535』。


 相変わらず真っ赤なマイナス表示だけど、私は私で、死の恐怖から、大谷のホームランみたいなこんな特大なLoveをぶちかまされて……。


 恐怖メーターからキュンキュンメーターにカンストして振り切っちゃった!!


 今の私には、この数値がハートマークの嵐に見えた。MK5(マジでキレる5秒前)じゃない……。


 これって……これってさぁ!! MK5(マジで恋する5秒前)……ってコト!?




 ◇◆◇




 誤解が解けてからの展開は、早かった。


 早すぎたと言ってもいい。


 まず、足枷が外された。


「君を縛るなんて、どうかしていた。もう君を逃がしたくなくて、私の心が未熟だった」と、クロードが土下座せんばかりの勢いで謝ってきた。


 そして、始まったのは「溺愛」という名の甘い地獄だった。


「フレイ、あーん」


「……じ、自分で食べられますぅ……」


「ダメだ。君の手を疲れさせるわけにはいかない。咀嚼も私が代わりにしてやりたいくらいだが、それはさすがに気持ち悪いと言われそうだから我慢する」


「自覚あるんですね!?」


 食事は全部「あーん」がデフォルトになった。


 しかも、最高級食材のオンパレード。


 私の貧乏舌がびっくりして、毎日お祭り騒ぎの盆踊り会場よ。


 お風呂も、着替えも、移動も、全部彼がやりたがる。


「君は地面を歩かなくていい。私が地面になる」とか言い出した時は、本気で医者を呼ぼうかと思ったわ。



「クロード様、仕事に行ってください」


「君がいない空間で呼吸をするのが辛い。二酸化炭素濃度が足りない」


「植物か!」


 彼は執務室に私専用のソファを持ち込み、仕事中もずっと私を膝の上に乗せている。


 部下の騎士団や文官たちが来てもお構いなし。


 みんな「ああ、いつものことですね」って顔でスルーしていく。


 慣れって怖いわ。


 そして、肝心の数値。


 あれから、私の「鑑定スキル」も少し変化した。


 二人の愛が深まったせいか、あるいは私が彼の重すぎる愛を受け入れたせいか、スキルがレベルアップしたらしいのだ。


 ある晴れた日の午後。


 庭園でお茶をしている時、ふと彼の頭上を見てみた。


「……あれ?」


 いつもの『-65535』じゃない。 数値が、変わっている。


『好感度:∞(Infinity)』


 ……無限大。 ついに数字ですらなくなった。 記号になっちゃった。


「どうした? フレイ」


 クロードが、とろけるような笑顔で私を見つめる。


 昔の氷のような表情はどこへやら。


 今の彼は、春の日差しそのものだ。


「いえ……なんでもないです。ただ、クロード様の愛が、底なしだなって」


「当たり前だ。宇宙が消滅しても、私の君への愛は消えない」


 サラリと恥ずかしいことを言う。


 でも、不思議と嫌じゃない。


 むしろ、胸が温かくなる。むしろ、もっと欲しい!


 前世では、画面越しのキャラクターにしかときめかなかった私。


 現世では、貧乏と借金に追われて恋どころじゃなかった私。


 そんな私が手に入れたのは、システムすらバグらせるほどの、規格外の愛だった。


「……フレイ。こっちへおいで」


 彼は腕を広げる。


 私は苦笑しながら、その腕の中に飛び込んだ。


「もう、暑苦しいんですケド……」


「君の体温がないと、凍えてしまいそうだ」


「はいはい、わかってますよ」


 頭上の『∞』が、キラキラとピンク色に輝く。


 その光は、ちょっと眩しすぎるけど。


 まあ、慣れれば悪くないかもしれない。


 私の婚約者は、今日も愛が重すぎて、世界(システム)をバグらせている。


 でも、そんなバグだらけの日常が、私にとっては最高の「ハッピーエンド」なのかもしれない。幸せならオールOK! ってね!


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『その聖水、ただの麻薬ですよね?』

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他にも投稿済みの短編がございますので、作者マイページからお好みのものを見つけてご覧いただけると幸いです。

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