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第91話 即位の儀
三日後、王宮は再び荘厳な静けさに包まれた。
白い花が敷き詰められた玉座の間で、
エリアスが跪き、クラウディス王が、冠を手にしていた。
「この冠、今より我が娘に授ける。」
王は冠を掲げ、エリアスの頭にゆっくりと乗せた。
「我らが希望の柱、エリアス・エニーフィート。そなたを次世代の新女王とする!」
ガラスの天蓋から光が降り注ぎ、人々が涙を流した。
「女王陛下万歳!」
「我らが女王!」
スカイとフィートも列席していた。
フィートは手を胸に当て、涙をこらえる。
「この光景を……どれほど夢見たことか。」
スカイがにやりと笑う。
「貴方が背中を押したからですよ。」




