9/103
第9話 広がる変化
子どもたちもスカイの真似を始めた。
拾ったガラクタを修理し、雨除けの屋根を作り、灯りをつける。
スラムに少しずつ笑い声が増えた。
それに気づいたスカイは夜、夢tubeを見ながらつぶやく。
「知らない誰かの知識が、この世界を変えてる。凄いな。」
彼の胸には、前世の記憶よりも今の“学びの喜び”が強く残った。
最近、スカイは眠るのが少し怖くなっていた。
夢tubeの中で見る内容が、あまりに細かく、
あたかも“誰かの声”を感じるようになったからだ。
『スカイ、次は“人を動かす”動画を見よう』
懐かしい声。気づけば涙がこみ上げていた。
――父さん……?
夢の中の声は、それ以上何も言わなかった。
ただ、再生リストが増えていく。
そこには「リーダーシップ」「チームワーク」と書かれた動画が並んでいた。
スカイは直感する。
――この力は、きっと俺だけのためじゃない。




