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第89話 宣告
王はゆっくりと立ち上がった。
「そなたの言葉に、この国の未来を見た。ゆえに余の名において、次期国王に指名する!」
瞬間、王宮の天井から光が差し込み、一斉に兵たちが剣を掲げた。
「女王陛下万歳!」
「エリアス様こそ、新たな秩序の光!」
ゼストールは膝をつき、呆然と呟いた。
「……馬鹿な。」
エリアスは静かに微笑み、王へ頭を下げる。
「陛下のご厚情、胸に刻みます。必ずこの国を良き形に導きます。」
クラウディス王も穏やかな笑みで頷いた。
「余の願いはただひとつ。そなたが見せた“心の王国”が続くことだ。」




