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第80話 敗れる者、勝ち鬨を上げる者
灰色の煙の向こう、ボロボロの甲冑をまとった男が崩れ落ちた。
「くそっ……この俺が……!」
泥まみれのゼストールが王都へ逃げ帰る。
その背には討ち死にした兵の叫びが重なる。
「置いていくな! ゼストール様!」
「救ってくれ!」
だが彼は振り返らず、ただ城へと走った。
城壁の上、スカイがその姿を見て憐れそうに呟く。
「数字に守られた人間の“現実”か。」
戦場ではエリアスは歯を食いしばる。
「本当の“正義”を、今示す。」
義勇軍は士気を挙げ、ついに魔物を包囲。
「奴ら、逃げ惑ってるぞ!」
「追い込めぇぇっ!」
「あと一息だっ!!いけるぞっ!!」
魔物は次々に倒されていく。
夕方、森の奥へと魔物たちが散り、戦場に歓喜の声が溢れた。
「勝った! 王女様ばんざい!」
「俺たちは証明したぞ! 人の力を!」
「勝ち鬨を上げろ〜っ!!!」
オオォォォォォォオオオ!!!
その光景を見たエリアスは嬉しそうに涙を流す。
「やったよ。スカイ・・・!!
私、やり遂げたよ・・・っ!!」
こうして、王国は魔物の脅威を退けた。




