8/92
第8話 仲間との出会い
グラフの件のあと、スカイは孤立しかけた。
そんな彼に声をかけたのが、
同年代の少年ルークだった。
「オレ、見てたよ。あんた、悪いことしてない。」
「……信じるのか?」
「信じる。スラムで誰かの役に立つやつなんて、そういないさ。」
ルークは物資運びの手伝いをしていた。
彼はスカイの工夫に感心し、
「一緒にやろう」と申し出る。
スカイは初めて、“協力”という言葉を実感した。
それから二人は夢tubeの知識をもとに、
スラムの改良を始める。
水のろ過装置、光る瓶、そして廃材の再利用。
失敗もあったが、少しずつ成果が見え始めた。
やがて、ロミナ婆さんが言った。
「このスラムに、お前たちみたいな子が十人いれば明るくなるねぇ。」
スカイは思う。
――誰かの言葉が、次の夢の燃料になる。




