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第77話 惨劇の戦場

南門の高台。エリアスは望遠鏡を覗き、息を

呑んだ。



「……あれは……」



彼女の声が震えた。視界の先では、鎖につながれた人々が引き立てられている。



スラムの民、老人、病人。前列には子供の姿もあった。


ゼストール軍の将校が笑いながら叫ぶ。



「魔物共よエサだ! こいつらを放て!」



「冗談じゃない! 人を捨て駒に!?」


兵士が叫ぶ。


だが剣が突きつけられ、抗う者の背を斬った。


「この俺に指図するなぁっ!!」


「ぎゃぁぁあああっ!!」


やがて血飛沫がとんだ。






エリアスが唇を震わせ、顔を覆う。


「……こんなもの、戦いじゃない。」



スカイは怒りを押し殺しつつ、低く呟いた。


「っ!!・・・これも“数値の正義”か。」


ゼストール軍はエサにした人々を使って魔物を誘導しその隙に横から攻撃する戦法を取った。


それなりに魔物を倒すことはできたものの、その混乱で魔物の見境いが無くなると、


やがて魔物の群れが反撃し、ゼストール軍は瓦解した。


「逃げろ! もう抑えられん!」


やがて魔物がゼストール軍を襲い始めるとエサにされた生き残りや子供が南門に向かって逃げ始めた。



「もう嫌だっ!!死にたくないっ!!」


「助けてくれぇ〜っ!!」


「うわぁあん!!ママ〜っ!!」


「逃げろ〜っ!!追いつかれる!!」



兵士たちが王都へ殺到する。


民衆の悲鳴が再び街を満たした。



「門を閉じろ! 魔物が来るぞ!」



鐘が打ち鳴らされる中、スカイが叫ぶ。



「ここからだ! 王都防衛戦を始める!」




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