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第69話 高貴な血と病原瓶
3日後。フィートが血に染まった外套で戻ってきた。
「……手に入りました。ゼストールの研究所から。」
彼の腕には深い傷。
だが手には病原瓶と、対抗抗体リストが握られていた。
スカイは慌てて治療しながら言う。
「フィート・・・、無茶しやがって・・・っ!!
でもよくやってくれた……! これで助けられる!」
エリアスは涙をこらえ、彼の手を握る。
「本当に・・・あなたは英雄よ、フィート。」
「私は……赦されただろうか。」
「まだこれからよ。一緒に償っていきましょう。」
3人の視線が交わり、決戦の覚悟が固まった。




