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第68話 前世を語る
フィートから疫病の話を聞いたスカイは、
疫病の対策をすれば流石に何故そんな高度な知識があるのかエリアスに怪しまれることを考えて覚悟を決めた。
(さすがにもう誤魔化せないな・・・)
その夜。
スカイはエリアスにすべてを話した。
「俺の能力――“夢tube”。夢で前世の世界の知識を、夢の中で学べるんです。
そしてオレは前世の世界で別の人生の記憶がある。」
エリアスは驚きに目を見張った。
「そんな……まるで異世界の知識そのものじゃない。」
「信じてもらえますか?」
しばらく無言だったエリアスはやがて口を開いて、
「もちろん。あなたは私が信じた唯一の人。今さら驚きません。」
スカイは苦笑した。
「ありがとう。じゃあ、今夜も調べます。」
目を閉じると、夢の中で
“パンデミック史”“ワクチン生成法”“伝染阻止の戦略”が流れるように現れた。
――“知識は武器。だが過信するな、人の協力がなければ世界は救えない。”
スカイは目を覚ますと、震える手で動画を走らせた。
「絶対に……間に合わせる。」




