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第65話 使いの鳥
翌朝、窓辺に一羽の黒い鳥が止まっていた。
「鳥?」エリアスがつぶやく。
次の瞬間、鳥が羽ばたきながら言葉を発した。
「私の主が、お二人とお話がしたいそうです。どちらへ伺えばよろしいか。」
「しゃ、しゃべった!?」
ルークが腰を抜かす。
スカイは表情を引き締めた。
「エリアス、罠の可能性もある。」
「……いいえ、このやり方、覚えがあるわ。フィート様。」
エリアスは鳥に時間と場所を告げ、窓を開け放つ。
「行って、伝えて。日没前、王都南の公園で。」
「承知しました、王女殿下。」
鳥は優雅に一礼すると、夜空へ消えていった。




