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第46話 動き出す影
時を同じくして、王都では密談が行われていた。
「あのスラムの少年、王女を利用して権力を得ようとしている。」
「このままでは国が揺らぐ。」
数値教の高司祭と貴族議員が静かに頷く。
一方その頃、
スカイは新たな訓練施設の完成を見上げていた。
子どもたちが技術を学び、貧民が学問を学ぶ。
そこに渦巻く笑顔こそ、スカイの望む
“本当の価値”。
「これが俺たちの答えだ。」
エリアスが隣で笑う。
「……でも、貴族や数値を信じる人達が黙ってないわ。」
スカイはニヤリと笑ってエリアスに言った。
「構わない。炎がなきゃ、新しい夜明けは来ないだろ。」
風が吹き、拠点の旗がはためいた。
そこには大きくこう書かれていた。
《解決屋》――人の価値を繋ぐ者たち。




