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第40話 クエストという希望
初日の受付は混雑した。
「井戸が詰まった!」
「職を失った」
「商いの手伝いをしてほしい!」
人々が次々にやってくる。ラティアが慌てて言う。
「スカイ、これ収拾が……!」
「大丈夫。ルーク、分類頼む!」
スカイが即座に指示を出す。
――依頼を“クエスト化”し、報酬を設定。
――冒険者や求職者がそれを選ぶ。
――完了すれば記録と報告書を提出。
「これで“働く意欲”が評価に変わるんだ。」
「つまり、数値なんかより“行動の価値”だな!」
とルークが拳を握る。その一角で、市民が小さく呟いた。
「……スラムの子が、街を変えてる。」




