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第38話 スポンサーを口説け
スカイは市庁舎の会議室に立っていた。
目の前には市長ガラルド、商人組合長、そして数名の貴族。
「君の言っている“解決屋事業”というのは、つまり民間型公共機関……だな?」
「はい。国の問題を、市民の手で解決する仕組みです。」
一同がざわめく。
「それが現実に動くとでも?」
「動きます。僕には確信があります。」スカイは提示した。
――事業資金の流れの図。
――報告書提出や成果報酬の仕組み。
――データを集めて政策改善に反映させる案。
市長はため息をつきつつ微笑む。
「少年、君の非常識には本当に呆れる。だが――それだけに面白い。」
重々しく立ち上がると、彼は宣言した。
「よかろう。市が協力しよう。」
拍手が巻き起こる。
ルークが笑って小声で言った。
「マジで口説き落としやがった…」




