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第25話 数値の謎
「……ねぇ、ルーク。人の“価値”って何で決まると思う?」
スカイの質問に、ルークはパンをかじりながら笑った。
「そりゃ金か力だろ。偉い奴らは皆そう言ってるぜ。」
スカイは首を振った。
「違う。どうやら、この世界には“本当に人を数字で判断する仕組み”があるみたいなんだ。」
「そんな馬鹿な……スカイ、何だよそれ。まさか冗談だろ?」
「俺も信じたくない。でも、市庁舎で見たんだ。スラムの女性が職員に蹴られて、その職員が低数値の分際でって言ってた。」
ルークはパンを置き、渋い顔をした。
「……つまり、俺たちスラムの連中はいくら頑張っても“役立たず”ってわけか。」
スカイの拳が震える。
「でも、それを変える方法が、きっとある。」




