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第2話 夢tubeの正体
再び夢の中に現れた机。
モニターの中にはまるで彼を待っていたかのように、
YouTubeのホーム画面が開かれていた。
「……やっぱり、消えてない」
現実では考えられない現象だ。
だが夢の中のこの“場所”だけは、
昨日と寸分違わず存在していた。
スカイは夢の中で前回の続きを視聴した。
今回は「雨水ろ過装置の作り方」。
拾った瓶と布、砂、それだけで飲み水が作れるという動画だ。
目を覚ますと、頭の中には理屈から構造まで鮮明に思い出せる。
彼はそのまま廃材置き場へ行き、実際に手を動かした。
――布を三枚、砂と木炭を層にして……。
慎重に作業を進めた末に、完成した簡易ろ過ボトル。
濁った雨水を通すと、透明な水が滴り落ちた。
「……できた……本当に……!」
その一口が、どんな王侯貴族の酒よりもうまく感じた。
その瞬間、スカイは確信した。
――この力は、本物だ。
そして、自分にしかない特別な“夢”。
スカイは胸の中で小さくつぶやいた。
「よし……“夢tube”って呼ぶか」




