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第144話 神よ、なぜ私を見捨てたのですか




ゼストールの死体が広場中央に転がり、

返り血を浴びたスカイが剣を下ろす。



静寂の後、王国残存兵の勝鬨が爆発した。


ウオオオオオオ!!!



「ゼストールが死んだぞ!!」

「スカイ様がゼストールを討ち取ったっ!!!」

「スカイ様っ!!我らの本懐をよくぞ……っ!!」

「王国の勝利だっ!!」




ゼストール軍はゼストールの死体を見て戦意喪失。



「ゼストール様がっ……!」

「これは夢だっ!!嘘だと言ってくれっ!!」

「もうオレ達は終わりだぁぁああ!!!」

「逃げろぉ!!」


散り散りに崩走を始めた。



それを見た王国守護騎士団団長は、


「奴らを逃がすなっ!!我らの王国とエリアス様を穢したその罪、奴らの命を以て償わせるぞっ!!」


オオォォォォォォオオオッッ!!!


と怒涛の勢いでゼストール軍を追撃した。


「待てコラァ!!」

「皆殺しだ!!絶対逃さねぇ!!」

「よくもやってくれたな!!覚悟しろっ!!」

「王国の敵を討ち滅ぼせっ!!!」



ゼストール死亡の報を聞き、

ゼストール軍は王国から逃げ出そうとするが、


王国の外には数値教のテロから帰還した

全体の約6割の王国守護騎士団と

救援に駆けつけた各諸外国の軍が待ち構えていた。


「降伏せよ!!」

「挟み撃ちだ!!」

「よくも我々を振り回してくれたなっ!!」

「覚悟はできてんだろうなっ!!」


王国の外と内から挟み撃ちにされ、

ゼストール軍は総崩れ、そして彼らは降伏した。

多くの者を捕縛し、最期まで歯向かう者は駆逐した。



王国勝利の夜明け。 

勝ち鬨が王国中に広がった。



スカイふらつきながら、エリアスへ歩み寄る。

エリアスはスカイに駆け寄り、泣き崩れて抱きつく。


「スカイぃぃ!!やっと会えたっ!!

無事でよかったぁ……!!」


スカイ静かに涙、強く抱きしめ返す。


「エリアス……もう、大丈夫だ。

それと、心配かけてすまない。」


二人は互いの温もり感じ、しばし言葉はなかった。



その2人の様子を少し離れたフィートが

微笑み、見守る。



「ふふ……やっと、ですね。」



そして、スカイが

エリアスを見ながら照れくさげに前置きした。


「ドサクサに紛れてさ、ちょっと言っちゃったけど……オレ、ルイーダさんと約束したことが三つあるんだ、それを今、果たすよ。」



エリアスは涙を流しながら、

「母様の……?

スカイそれってどう言う……」


スカイは深呼吸し、真剣な顔でエリアスに言った。


「エリアス。オレも、エリアスの側にいたいんだ。

どんな状況でも支えたい! 例えオレに力がなくても、

一緒に夢叶えたい! オレの隣で、

エリアスに笑っててほしいんだ!」



エリアスはスカイの言葉から察し、

胸を熱くする。


「スカイ……っ!」



スカイは声が震えながらも、


「オレはエリアスを……

この世界で一番、愛してるっ!!

オレの人生で一番大切な人だ!!

絶対、幸せにしたいんだ!!」


スカイのプロポーズに、

エリアスは嬉しくて涙が止まらなかった。


「スカイ……っ!!嬉しい……!!

私もスカイのこと……!?」


即返事しようと口開くが、スカイ人差し指でそっと制す。



「待って。もう一つあるんだ。

ルイーダさんから、エリアスへ。

 

『あなたには私と違って、もう全てを受け止めてくれる人がいる。だから、その人と共に幸せになりなさい』って。」



その言葉を聞いたエリアスは両手を胸に当てて泣き続ける。


「母様……お母様ぁ……!!」


そして、少し落ち着いたエリアスからスカイへ、


「スカイ、私ね、スカイが倒れた時に父上から教わったの。


『伝えたい想いは、届くうちに素直に言葉にしろ』


って……だから。」


そして深呼吸し、想いを爆発させた。


「私……っ! スカイがいないと、何もできない!

スカイは私を照らしてくれた!

私に道を示して、未来を語ってくれた!

世界サミットであなたの夢を聞いて……

私は、その夢を叶えたスカイの隣で笑っていたいって思ったの!


本当は、この国はスカイが導くべきだったんじゃないかって……思ったことだってあるの!!」


エリアスは止まらない。


「私、スカイが好き! 大好き!! あなたが一番大切で……スカイじゃなきゃダメなの!

優秀だからじゃない。初めて、私が一生添い遂げたいって心から思ったのは、スカイだけなのっ!!


私……スカイを、世界で一番愛してる。」



その言葉にスカイは救われる思いを感じ、涙を流して、


「エリアス……ありがとう。

オレと……結婚してくれ。」


エリアスは泣きながら精一杯笑って、


「はい……っ!!喜んで!

もう絶対に離れない!!」


2人は強く抱きしめ合った。

そして二人は見つめ合い、自然に顔が近づき、

唇が重なる。

甘く熱いキス、互いの想いが紡ぎ合う。



やがて離れ、スカイが微笑む。


「さて、実はルイーダさんと最後に約束したことがあるんだ。それは……」



その時、ドクンッ!!!



スカイの体に異変が起きた。


スカイは呼吸が苦しくなり、


「ぐっ……!?」


息荒く、視界が朦朧となり始めた。



エリアスはそれに気づき青ざめ、


「スカイ!? どうしたの!? スカイっ!!」


スカイを心配する。


フィートもスカイの異変に気づき、駆け寄

る。

「スカイ殿っ!?やはり……薬の反動が!?」



エリアスは涙目でフィートに尋ねる。


「フィート!? 何これ!? スカイはどうしたの!?」


フィートは汗を滲ませ、深刻顔で、


「スカイ殿はあなた救うため、この世界でまだ未承認の薬……モルヒネとアリナミンを自分に打ったんです。痛み止めと無理やり体動かす薬……それを使った後に起きる反動を知った上での覚悟で。」


そして苦しむスカイを見ながらフィートは、


「その反動は……今のような呼吸困難と意識の混濁、そして最悪、命を奪うんです。」



フィートの説明にエリアスに絶望の顔が貼りついた。

頭の中で母ルイーダの死の顔とスカイが撃たれて意識不明になった姿がフラッシュバックした。


「そんな……スカイが死ぬなんて……!」


エリアスはスカイにすがり、


「死なないでぇ!! 私を一人にしないでっ!!

今、結婚しようって約束したじゃないっ!!

ずっと側にいようって誓ったじゃないっ!!

一緒に未来を創ろうって決めたじゃないっ!!

スカイのいない世界なんてイヤァッ!!」



フィートもスカイに必死になって呼びかける。

「しっかりして下さいスカイ殿!!

まだ諦めないでっ!!」


スカイは呼びかける2人を見ながら、


(クソ……タイムリミットか。

分かっていたことじゃないか。

すまない。フィート……。)




「死なないでっ!!スカイっ!!

1人にしないでっ!!側にいてっ!!

お願いだから目を空けてっ!!」




ルイーダさんとの約束も……

ごめん、エリアス……)



スカイは完全に目を閉じた。そして、


エリアスに体を預けるように倒れる。



スカイ……?


スカイの体がズシリと重くなり、体が冷たくなる。

それを感じとったエリアスは、



「スカイぃぃ!! ……イヤ、


イヤァァァァァアアアアッッ!!!!」



スカイを抱きしめるエリアスの絶叫が広場に響き渡った。






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