第143話 死闘、スカイvsゼストール
――決闘が始まった。
開幕、スカイがゼストールに向かって突撃した。
ガキンッ!!
ガキンガキン!!
ゼストールの長剣が唸りを上げ、スカイの攻撃を弾き飛ばす。
序盤はゼストールが圧倒していた。
剣が弾かれる度にスカイの体が大きくふらつき、
エリアスの剣が悲鳴を上げる。
「ぐっ……くそっ!」
スカイが後退する。
エリアスはスカイのピンチにハラハラして叫ぶ。
「スカイっ! 危ない、避けてぇ!!」
周りも2人の戦いに息が詰まる。
「スカイ様、耐えろ!!」
「どうか堪えて下さいっ!!」
「良いぞ、ゼストール様が押してる!!」
「神の裁きをっ!!」
ゼストールが笑う。
「ハハハ、素人の剣がっ!
弾かれるたびフラフラじゃねえか!
よぉし、このまま死ねっ!!」
ゼストールは勝ちを確信する。
だが、スカイはしぶとく喰らいつき、
なかなか隙を見せない。
それどころか、ゼストールの攻撃を受け流したり、避けたりすることが段々増え、
ゼストールが押され始めた。
(どういう事だ……?
俺様の剣筋が見切られてんのか!?
ありえねえ!!素人のはずだろっ?)
エリアスも、段々と動きが良くなっていく
スカイの姿に目を疑った。
(スカイ……?これは一体 ……?)
段々攻められ始めたゼストール痺れを切らし、
顔を赤らめ吠えた。
「テメェ、本当に素人かぁ!?
こんなバカな動き、俺様も見たことがねぇ
っ!!一体どこで覚えた!?」
スカイはニヤリと笑い、息整えながら
「夢で学んだのさ。オレの師匠はさ、
オリンピックメダリストにスタントマン、
殺陣のプロ、映画、アニメ、ゲームの達人、
剣道にフェンシングの猛者とその他色々だ。
……まぁ、覚えたのは技術で、実戦はこれが初めてだけどな。」
(ありがとう、ルイーダさん……
助言してくれて助かったよ。)
スカイの前世の言葉の意味を理解できない
ゼストールは、
「ふざけんなぁ!! 夢だの師匠だの訳わかんねえ事ほざくな!!」
と大技を繰り出そうと大振りに構えた。
その隙を見たスカイは目を見閃いた。
「ここだっ!」
フェンシングの要領でゼストールの懐に飛び込み、 両足・ 腹・ 利き腕を正確に突き刺した。
「がぁぁぁあっ!? バカな……こんな技がっ……!?」
ゼストール痛みで膝ついて座り込み、
利き腕血まみれで剣上がらない。
スカイゆっくり近寄る。
周囲は予想外の光景に息を呑む。
「は……!?」
「まさか……ゼストール様が……こんなっ!?」
「スカイ様っ!!よくぞっ!!」
「どうか奴にトドメをっ!!」
ゼストールは動けないまま喚き散らし、
「こんなことが……っ!?
こんなの間違ってるんだよぉ!!!
数値の神に愛された俺様がっ、
低数値のクズ如きに負けるはずねえだろおおお!!?」
スカイは冷たく見下ろし
「へえ、そうか。でもこれが現実だ。
世界はお前を悪そのものだって認めたんだ。
そしてオレはスラム育ち、敵には情けをかけない。
躊躇なんか、最初から無ぇよ。」
ゼストールはスカイの姿に死の恐怖を感じて震えた。
「ひっ……!! く、来るなっ……!!」
そして、いつの間にか空が暗くなり夜を迎えた。
満月に空が光り、ゼストールの目が碧く輝きスカイの姿を捉える。
スカイを見たゼストールは、
「!!!? な、なんだと、お前その数値は……!?
俺様より上だって言うのかよぉ!?
ありえねえ、絶対ありえねえ!!
世界が俺様では無く、お前なんかを認めたなんて、嘘だああぁぁぁっ!!
絶対に信じねえよおお!!!」
ゼストールの悲鳴に、
スカイ静かに、しかし力強く、
「数値がなんだよ。それが人の価値じゃない。
オレたちは生きてるだけで繋がれるんだ。
そこから生まれる絆の価値は数値なんかでは到底測れねぇ。
それをお前も地獄でじっくり学べよ。」
ザシュッッ!!!
スカイが両手を握り、エリアスの剣をゼストールの心臓へ深く突き刺す!!
「ぎゃあああああぁぁぁあぁあっ!!!!
うがぁぁぁ!!!」
ゼストール絶命の絶叫が広場裂く。
スカイが返り血を浴び、剣をそのまま捻り傷口を広げてトドメを刺す。
そして勢いよくエリアスの剣を引き抜くと、剣についた血が地面に飛び散った。
ゼストールは地面に崩れ、掠れた声で最期の言葉を呟いた。
「俺……様が……、
信じ……た……数値……は……、
い……ったい……な……」
バタリ。
ゼストールの全身から力が抜け、
碧い目が光を失った。
こうしてゼストールは死亡した。




