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第142話 ゼストールを逃がすな



王国北門の外の森が攻撃され、さらに残り三方向の門にも敵が向かっている報告にゼストールは動揺していた。


「オイ、これマズイんじゃねぇのか!?」


「このままだと王国から抜け出せなくなるぞ!!」


「どうなってんだよっ!?さっきまでこちらが優勢だったのにっ!!」



軍勢の動揺する様子に苛ついたゼストールは、


 「何怯えてやがる役立たず共がっ!!

戦力や数はこっちが勝ってるんだ、さっさと

それぞれの門に行って敵を迎え撃てっ!!!

北門へは東と西から回って増援に行けっ!!

グズグズするなっ!!この給料泥棒共っ!!

ここには千を残してさっさと対応しろっ!!」


と命令した。

ゼストールの言葉にハッとなったゼストール軍は慌てて、それぞれの門に向かって駆け出した。


ドドドドドドっっ!!!


「急げ急げっ!!」


「外の敵を片付けないとオレたち王国に閉じ込められるぞっ!!」


「割に合わねーよ、チクショーめっ!!!」


王国広場からゼストール軍が抜けていく、

突然のピンチに慌てて対応に向かってその数をドンドン減らし、スカイ達から注意が反れたその隙をスカイは見逃さなかった。




「今だっ!!王国守護騎士団!!そして義勇軍!!、ゼストールを包囲しろ!!この広場から逃げ場を無くすんだっ!!」



オオォォォォォォオオオ!!!



スカイの指示に後ろに控えていた王国兵が、

雄叫びを上げ、左右に広がりゼストールを包囲していく。


「やっと出番が来たぞっ!!」

「ゼストールを逃がすなっ!!」

「エリアス陛下っ!!今お助けをっ!!」



包囲されつつあるゼストールは焦って、残りの軍勢に指示を出す。



「お、オイお前等っ!!

こっちにも突撃しろっ!!何やってんだっ!?」



しかし、さっきまで門の敵に対応しろと言われた直後に今度は目の前の敵に対象しろと命令が変更された残りの軍は混乱して出遅れる形となった。


そして、広場に残ったゼストール軍には王国守護騎士団が迎え討つ形となり、その他は義勇軍がゼストールの周りを取り囲むようにゼストールを中心に円形に展開した。


こうしてゼストールは包囲された。



スカイはエリアスの剣をゼストールに向かって突きつけ、


「ゼストール、お前等は終わりだ。このまま待っても外から潰され、逃げようにもこの包囲網。いくらエリアスを人質にしても、オレたちがお前を逃さねえ。」


焦るゼストールはエリアスを強引に立たせ、左腕でエリアスを自分の方へ抱き寄せ、右手に持つ自分の剣をエリアスの右首筋に突きつける。


「キャッ……!!」


「エリアスっ!!」



「ふざけんな! まだ終わってない!!

お前等も流石にエリアスをこうされちゃあ

動けない筈だっ!!!」



ゼストールに掴まれたエリアスは苦しそうにしている。



ゼストールを取り囲む義勇軍が叫ぶ。


「まだ陛下を……っ!!」


「往生際が悪いぞゼストールっ!!」


「陛下を離せっ!!すぐにでもお前を殺してやるっ!!!」


スカイはゼストールに捕まっているエリアスを見つめた。


エリアスも苦しそうにスカイを見て、無意識に右腕を伸ばす。


「スカイ……、助けて……っ!!」


そしてスカイは少しの間、目を閉じ、

そして目を開くとゼストールに言った。


「ゼストール、お前はまだ勘違いをしている。

確かにエリアスは大事だ。だがエリアスも自分の身を犠牲にしてでもオレたちの命を守ろうとした。ならばその覚悟、オレたちは尊重する。お前はどうだ?」



ゼストールは汗が滲みながらも尋ねた。


「どういう事だ!?何を言ってる!?」





スカイは殺気立った。


「エリアスのこと諦めねえ。だがこれでエリアスを失ったとしても、オレたちはその死を乗り超えてお前を殺す。刺し違えてもな。

……そうだろう!?皆っ!!」


スカイの問いかけに包囲している王国兵が応えた。


ウオオオオオ!!!!



「陛下のご意志だ!!」


「ゼストール、お前だけは許さないっ!!」


「地獄へ行ってもらうぞっ!!」




ゼストールはひるんだ。


(こいつら……本気だ……!)




スカイはゼストールに問い質す。



「さぁこれで詰みだ、ゼストール!

選べ!!ここで死ぬか、降伏するか。」




ゼストールは頭の中で自分の今の状況と

自身のプライドを天秤にかけた。


(クソ……、この高数値の俺が、

低数値共の前で降伏だとぉ!?

冗談じゃねぇっ!!!


だが、王国の外には敵が攻めて来ている。

いつまで持つか分からない。

今の俺様も奴らに囲まれ、逃げ道も無ぇ。

役立たず共も動かねぇし、エリアスを人質にしてもまるで相手にしねぇ!!


このクソガキ1人に俺様の計画が……っ!!!

かくなる上は……)


外側爆音が響く中、

中央広場は剣の緊張に凍りつく。


王国残存兵約千がゼストールを取り囲み、

ゼストール軍千がひるむ。



ゼストールがスカイに向けて剣を突きつけた。


「オイ、クソガキ! 一対一だっ!!

俺様と剣で決闘しろっ!!」



スカイと周囲は困惑した。


「何っ!?」



ゼストールは続ける。


「それも死闘でだっ!!

このまま降伏だろうとむざむざ死のうと、

そんなのはこの俺様のプライドが許さん!!


目障りでここの要であるお前を倒せば

野良犬共もエリアスも終わりだ!!


この申し出を請けろ!! ケリをつけてやる!!」



エリアスはゼストールの意図を察し

スカイに向かって叫ぶ。


「スカイっ!! ダメっ!! 罠よっ!!

あなた剣で戦ったことないでしょう!?

明らかにあなたが不利よっ!!

乗せられてはダメぇぇ!!」



ゼストールは嘲笑する。


「どうした? 剣が使えねえなら戦えねえか?

だったらこのまま俺様を見逃せ!! しゃくだが、このままエリアスを連れて痛み分けで終わりにしてやるよ!!」



エリアスは涙を流す。


「スカイっ!! やめてぇぇ!!」



周りの義勇軍も怒鳴る。


「どこまで腐ってるんだっ!!」


「いい加減諦めろゼストール!!」


「スカイ様っ!!我々に突撃させて下さい!!」




スカイは無言で自分の手に持つエリアスの剣見下ろす。そして、


「……良いだろう。

ケリをつけよう、ゼストール。

最後の勝負だっ!!!」




ゼストールは悪魔の笑みを浮かべた。


「ハハハ! 上等だ!!」


エリアスは絶叫する。


「スカイっ!?……どうしてぇぇ!!」



スカイは困った笑みでエリアス見つめ、


「ごめん。エリアス。やっぱり君の前では

カッコ悪い所見せられない。」


「スカイ……。」


( モルヒネも後15分持つか……

ゼストール確実に殺すなら今しかねえ!!)


「皆も手を出すなっ!!オレが終わらせる!!」



ゼストールはエリアス突き飛ばして剣を抜き構える。


「これで終わりだガキ! 今度こそ俺様の手であの世へ送ってやる!!」


(こいつ確実に殺せば邪魔は消える。

形勢逆転だ!俺様の勝ちは揺るがないっ!!!)


最終決戦の時が来た。




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