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第140話 スカイ、怯まず




地面に伏しているエリアスを足蹴にゼストールが剣を突きつける。 


「もう、許さねぇ!!! 死んで地獄から俺様に向かって泣いて詫びろっ!!」


剣を両手で振り上げ、エリアスの背中へ振り下ろす寸前だった。



王国兵の悲鳴を上げる。


「陛下ぁぁ!!」「止めろぉぉ!!」


広場を絶望で埋め尽くす中、



フィートはスカイにエリアスの剣を

渡し終えた直後、


自身の拡声魔法を最大出力で起動。


「ゼストールっ!!」


と雷鳴のような声が轟く。


フィートの声に辺り一帯が注目する。


フィートはゼストールを睨みながら笑い、


「こちらを無視するとは余裕ですねぇ。

貴方はいつから女性しか襲えなくなったんですか?

高数値の神様が、丸腰の女王にしか剣を向けられないなんて、世界中の笑いものですよ!」


フィートの声が広場全体に反響し、

ゼストール軍すら一瞬静まり返る。


ゼストールがハッと振り向き、顔を真っ赤に歪め、


「貴様ぁぁ!! フィートか!? この裏切り者めっ!!!

高数値の神である俺様に向かって口答えだと!?」


と剣をエリアスから逸らし、フィート側へ視線を移し剣を突きつける。エリアスは踏みつけられたまま息を潜め、わずかに体勢を整える隙が生まれるを待つ。




ゼストール軍が 


「神を侮辱するかっ!!!」「フィートを殺せ!」


と怒り再燃するが、



後ろに控えた王国兵はフィートの機転に気づき、


「フィート様!」「時間稼ぎだ!」


と士気回復。


スカイは剣を握り直し、薬の効果で痛みを抑えつつ低く呟く。


「ナイスだ、フィート……オレにも拡声魔法を頼む」。


兵士たちの悲鳴が挑発で一転希望へ変わり始める。


フィートの挑発にゼストールが剣をエリアスから完全に逸らし、顔を怒りで引きつらせる。


「お前等こそこの状況を分かってるのか?

エリアスの命はこの俺様が握っているんだぞっ!!

女王がどうなってもいいのかっ!?」


と拡声で脅迫。


ゼストール軍が調子に乗って追従する。


「腰抜けども!」


「女王人質で何もできねえ!」


「高数値の神に跪け!」と哄笑する。




前線の王国兵が拳を握りしめ


「くそっ……陛下が……!」


「ゼストールめぇ……っ」


と歯軋り耐える中、


エリアスは踏みつけられたまま微かにスカイに視線を送る。


(スカイ……、もう十分よ……。

もう一度あなたの顔を見れただけでもう私には心残りなんて無いからどうか逃げて……っ!!)



ゼストールの言葉を聞いたスカイは

少し無言になると、

すぅっと深く息を吸い込んだ。


そして目を見開き、

魂を込めてドスの効いたブチギレ声を轟かせる。




「やれるものならやってみろっっ!!!!


オレの目の前で『オレの大事な』エリアスを

手にかけようものなら、


オレ達と地獄の果てまで付き合ってもらうぞっ!!!!


その覚悟はできているんだろうなぁっ!!!!!」



任侠映画顔負けの荒々しい咆哮が広場全体を震わせ、ゼストール軍の笑いがピタリと止まる。




スカイの声に呼応し、

後ろに控えていた王国守護騎士団500名が一斉に


「ウオオォォォオオオっっ!!!!」


と獣のような雄叫びを上げ、剣や槍を構えてスカイの後に続くようにズンズンと広場中央へ進撃を開始する。




前線の王国義勇軍も


「スカイ様に続けっ!!」「陛下を守るぞ!!」



と加わり、波状の行進。



スカイは先頭でエリアスの剣を掲げ突き進む。

脅しに全く怯まず迫るスカイ軍団に、


ゼストール軍前列が


「ひぃっ!」


「嘘だろっ!?本気で来やがった!?」


「何なんだ!?あいつらはっ!?」


とまるで死を覚悟した死兵の群れを見るかのようにビビリながら少し後退する。



全く怯みもせずに向かってくるスカイを見たゼストールは自身も剣を握る手が震えて、


「な、何だあの気迫は……!?

それにあの身体で何故動けるっ!?」



とスカイを恐れ始めた。



脅しを恐れもせず王国守護騎士団と共に

自分の方へ向かってくるスカイを見たエリアスは、


(スカイ……あなたまさか……っ!?

彼に何が起こったの!?)



混乱の中で希望が向かってくることを自覚し始めていた。





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