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異世界転生してもスラムの孤児だったオレは夢tubeで解決屋を開いて成り上がる  作者: grow
11章 後編、 互いの絆、スカイ&フィート編
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第131話 届いた想い



周りの医者や看護婦が慌てて兵士に詰め寄る。


「ここは治療室です! 無許可入室は禁止!」


「出てってください!」


「患者さんの安静を!」


だが、兵士はそれを振り切り、必死の表情でスカイを探す。


ついに目が合い――


(スカイ様っ!! 目覚めてる……奇跡だ!!)


心の中で叫ぶ。



スカイは兵士の悲痛な顔を見て、胸騒ぎを覚える。


「おい、お前……エリアスに何かあったのかっ!? こっちに来て説明してくれ!!」


兵士は医者たちを振り切り、ベッドサイドへ駆け寄る。



フィートとスカイの前に膝をつき、息を荒げて言った。



「まず、フィート様……緊急につきご無礼、どうかお許しを。

そしてスカイ様! エリアス陛下について、あなたにお伝えしなければならないことがあります。それは……」



兵士の声が震え、目から大粒の涙がこぼれ落ちる。


部屋の空気が一瞬で凍りつく。



兵士は声を絞り出すように、エリアスの降伏条件を説明し始めた。


「陛下は……ゼストールに『私の身と王国全てを明け渡す。その引き換えに、王国民を北門から安全に国外離脱させる』と条件を出しました……!」



スカイとフィートの顔から血の気が引く。


「な……何だって!?」



スカイの声が震える。フィートは言葉を失い、ただ兵士を見つめる。


兵士は涙を拭わず、続けた。



「陛下は言っていました。『スカイにまだ可能性があるなら、その時こそ周辺諸国と協力してゼストールを倒して、この狂った数値社会を終わらせて。彼ならそれができる』と……!」



スカイの拳がシーツを握りつぶす。

「エリアス……お前、そんな……!」



兵士はついに堪えきれず、声を上げて泣きじゃくりながら訴える。



「そして、陛下は笑いながら涙を流して……

『今、スカイに会ったら、私、投げ出してしまう。私一人のワガママに、みんなを、スカイを死なせたくない。私、スカイを世界で一番愛している』

って言いましたっ!! 


陛下はっ!! 我々とスカイ様を守るために、犠牲になるおつもりですっ!!」



「…………っっ!!!」



部屋が静まり返る。


スカイの目が見開かれ、心臓が止まるような衝撃。フィートの肩が震え、医者看護婦たちも息を飲む。


兵士の嗚咽だけが響く。



「早まるなっ、エリアスっ!!」


スカイが咆哮し、無理矢理体を起こそうとする。ベッドが軋み、左肩から血がにじむ。


「オレが……オレが守るって言ったのにっ!!」



フィートが全力でスカイの肩を押さえつける。



「スカイ殿っ!! 何度も言わせないでください!! 

今動けば怪我が悪化します!! 

最悪命に関わりますよ!!」



医者看護婦たちも駆け寄り、スカイを抑え込む。


「安静に!!」「傷口が開きます!!」



兵士は床に額を擦りつけ、泣きすがる。


「スカイ様!! 自分は納得いきません!! こんな選択しかエリアス陛下に残されてないなんて……自分たちに、もうできることはないんですか!? 陛下の覚悟、無駄にしたくないんです!!」



その悲痛な叫びに、フィートはスカイを抑えながら無言で唇を噛む。


目には悔しさと無力感が滲む。スカイは兵士の目を見つめ、その純粋な想いに胸を打たれる。


(諦めたくねえよな……

当たり前だ。オレだってそうだ。やっと自分たちで選択して作り出した未来を、

結局「数値が全てでした」で否定されてたまるか!! エリアス、お前の愛を、オレは絶対に無駄にしない!)



スカイは静かに、しかし力強く兵士に言った。


「終わらせない。それしか選択肢がないんじゃねえ。選択肢を増やすんだ、作り出すんだ。自分たちで。でもそれには、オレ一人じゃ無理だ。だから……協力してくれ。」



兵士は涙を拭い、力強く頷く。

「は、はい!! スカイ様、何なりとお申し付けください!!」



スカイは医者と看護婦たちに向き直る。

痛みを堪え、眼光鋭く。

「例のものは、用意できたか?」



医者は緊張した面持ちで注射器を差し出す。


「伝えられた通りに調合いたしましたが……医者として反対です。これはまだ臨床試験すら済んでいません。スカイ様の述べられた効果が出たとしても、生命の保証はできかねます。」



看護婦も涙目で訴える。


「仮に効果があっても、持続時間も副作用も後遺症もわかりません。それでスカイ様の身に何かあれば、エリアス様は……っ!!」



看護婦の言葉を、スカイは静かに制止した。

優しく、だが断固として。



「それでも、今はこの瞬間しか逆転の可能性はねえんだ。だから、オレに打ってくれ。この世界じゃ未承認の薬




――モルヒネとアリナミンを。」





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