第127話 数値教の矛盾
各大使館から返信が来た。
「確約取れました!!鎮圧後すぐ派遣すると!」
「こちらも確約を了承。だから助けてくれとのことです!!」
「嫌味言われましたが、背に腹は代えられないようです!!」
フィートは頷いた。
「あらかた確認。では、対数値教テロ対応策を話します。」
緊張の空気が流れる。
「まず、数値教にこちらから降伏を伝えてください。」
「は……?」
通信室は静まり返った。
「もう一度言います。 降伏を申し出ろ。」
怒号爆発。
「どういうことですか!?」
「あいつらに屈しろと!?」
「フィート様、見損ないました!!」
フィートは冷静だった。
「落ち着いて下さい。
これにはまだ続きがあります。
こちらの降伏条件は、
『この世界の、ある1つの問いに
答えられたら降伏する』
ことです。」
「???」
各大使館から疑問の声が出る。
「みなさんの疑問は分かります。私も最初同じように思いました。ですがスカイ殿曰く、この問いが数値教に破滅をもたらすんです。」
!!!
「スカイ殿が……。」
通信室は静まり返った。
フィートはスカイとの会話を思い出す。
少し前、治療室にて
スカイはベッドから身を起こし、フィートに言った。
「オレは数値差別について考えていたよ。
この数値化の矛盾は何だろうってな。」
「数値化の矛盾ですか……考えたことありませんね。」
「あぁ、普通は常識を疑わないからな。だが、
数値教を倒すには、数値教の矛盾を自覚させる必要があるんだ。」
スカイの目が鋭くなる。
「その矛盾に辿り着いたのが
『カルネアデスの板』だ。」
フィートが怪訝な顔をした。
「カルネアデスの板……? 聞いたことないですね。」
スカイは苦笑した。
「本当に板って訳じゃない。世界に対する究極の二択問題だよ。
船難で漂流者二人、一枚の板しか浮かばない。高数値貴族か、低数値民衆か。神は何を選ぶ?
高数値を優先すれば低数値が死ぬ。
低数値を優先すれば神聖な高数値が死ぬ。
どっちを選んでも、数値教の『神の絶対公正』が崩壊する。」
それを聞いたフィートは目を見開く。
「ま、まさか……そんなことが……っ!」
スカイはニヤリと笑った。
「これを利用して各地の数値教の隙を作れ。
奴らの信じる神様に、奴らを裁いてもらおうぜ。」




