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第117話 再起動
ルイーダの声が響く。
「私はデータに過ぎない。
でも、母としての願いは残るわ。
しばらくはあなたの力になれる。」
一瞬、世界が白く光った。
スカイは深呼吸して画面に向かう。
「よしっ、やるぞ。
検索開始。――“世界のテロの歴史”。」
無数の情報が流れ込み、
夢tubeが真価を発揮する。
ルイーダが微笑む。
「そう、その調子。」
「俺ができるのは情報整理と戦略立案
……でも、これで充分だ。エリアス、
待ってろ。もう一度、俺が支える。」
画面が再び明るくなり、ルイーダの声が重なる。
「私の娘を、頼むわ。
あっちの状況については任せて。」
スカイは頷き、無数のデータウィンドウ
を操作し始めた。
その眼差しはもう、迷いなど消え失せていた。




