第115話 ルイーダとスカイ
長い沈黙のあと、スカイは息をのんだ。
(AIが……エリアスの母を模写してる?)
彼は正直に話した。
「あー、俺はスカイ。エリアスの……仲間であり、支える者です。」
「そう。エリアスって割と人見知りで私だけに懐いていたから、そんな人がいて良かったわ。」
ルイーダは穏やかに笑う。
「ありがとう。あなたがいたから、
あの子は――孤独から救われた。」
スカイは首を振る。
「……違うよ。俺なんかが感謝される資格なんてない。」
「あら、どうして?」
「今のエリアスは世界を背負ってる。
俺にはその大きさをこれからも
支えていける自信が無い。
……もうあいつの隣に立てない。
なんとか体を張って守ることしかできず、
倒れ、夢tubeに閉じ込められて……。
俺はもう、足手まといなんだ。」
ルイーダは微笑んだ。
「ふふ、なるほど……まるで昔の私ね。」
「え?」
「私は元々国王継承争いで傷ついていた
クラウディスの看病をしていたの。
そのおかげであの人に見初められて
エリアスを授かったけれど、
私は王族として右も左も分からなかった。
あの子が生まれた時も、王族の端くれとして何も出来なかった。
でもね、あの子は小さな手でこう言ったの。
『ママが笑ってたら、私も笑う』って。」
その時、私は例え一人でもあの子の前では笑って強がっていたの。面倒見がいいのは自覚していたし。
ルイーダは懐かしそうに続ける。
「エリアスは寂しがり屋で甘えん坊。強く見えて、放っておくとふっと壊れそうなの。
そしてあなたには、その壊れかけの心を包む力がある。
……正直エリアスが羨ましいわ。
私にはあの人以外にそんな人いなかったもの。
私も一人で意地を張ってないで、素直に弱音を言っていたら味方もできたかしら?」
スカイが俯く。
ルイーダは穏やかに問いかけた。
「スカイ、今のあなたはどうしたいの?
あの子に対して。」




